あらすじ
人生の最後に、向き合いたい思い出は何ですか。
自分に、本当に必要なものを探し出す「片付け」小説。
亜紗は、隣の部屋に住む老婆・八重を助けたことがきっかけで、彼女の部屋の片づけを手伝うことになる。片づけるうちに明らかになる八重の過去。そして阿紗も、幼少期の記憶が蘇ってくる。
自分に必要なもの、いらないもの、欲しかったもの、嫌だったもの。
思い出や物と向き合う中で、二人が選んだ道とは。
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて、読み始める。
読みやすいのに、時間が作れず読むのに時間がかかってしまった。
思いのほか、ラストにじーーーんとしてしまった。
主人公たちの、距離感が良い感じ。恩着せがましいかんじもなく、ちゃんとお互いを尊重している感じが、(最初の距離感だけ、ちょっといびつだけど)良かったな。
P169
「覚えているか、ばあちゃん。親に殴られてへこんでいると。ばあちゃんは言ってくれた。『殴られたからって、ののしられたからって、あんたの価値が下がるわけじゃない。逆も同じ。褒められたからって、あんたが立派になるわけじゃない。あんたはあんたのままでいい。自由気ままにおやり』」
良いこと言うじゃないか、八重さん。
ほんとうに必要なものだけ、周りにあればいい。
と思わせてくれる読後だった。
Posted by ブクログ
初読み作家さんでしたが、なんとも読みやすい。どちらも働かずとも何とか生活はできる孤独な境遇の八重と阿紗。ひょんなキッカケで八重の終活ともいえる片付けをする事になり、そこから生まれる絆。最後の八重の手紙が良い。自堕落であることと自由は違う、部屋が汚い人ほど勿体ないと言う、いろんなフレーズも良かった。