佐藤まどかのレビュー一覧
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母親が酒とギャンブルで仕事をしない要さんに愛想を尽かして出て行った。
僕は、小学5年から学校も行かずに住所不定で借金取りから逃げている要さんと公園とか高架下とか、どこかの女の人の家を転々としながら生きている。
要さんは、本当の父であるはすだが、認知していないから苗字が違うようだ。
逃げた女の子どもだが、不憫だから一緒に居ると同居させてもらっている女の人に言う要さんに置き引きをして来いと言われるのは嫌だった。
ある日、当たり屋をしろと言われ…。
学校に行きたいけど言えないことやしてはいけないことを強要される辛さに嫌になる毎日だろう。
だが、財布を落としたおばあさんやラーメン店主は、少 -
Posted by ブクログ
一般書の小説では、居所不明児の出てくるものを読んだことはあるが、YA世代向けの本で居所不明児が一人称で淡々と自分の境遇を語る読み物は初めて読んだかもしれない。
ギャンブルで借金のある夫に愛想を尽かして出て行った母。実の父親なのに、義父として可哀想な子供を育てている設定で愛人宅に転がり込む無職の要。要の愛人。ろくな大人が出てこない。
学校に行かせてもらえず、父親と住む場所が転々と変わる一輝。自分の名前の漢字を忘れないように時々ノートに書く姿を想像するだけで切なくなる。
心の中の悪い自分と戦う一輝。どうしてこんな心優しい少年が辛い目に遭わなければならないのかと、読んでいてこちらも辛くなる。
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Posted by ブクログ
「雨そのものというより、雨の日が好きなんだ。」
小学6年生の七海は、お母さんが再婚して、新しいお父さんとお姉ちゃんができた。家族が増えてうれしいはずが、体が弱くて入院中の姉に、お母さんもお父さんも付きっきり。お母さんまでうばわれたような気持ちになる。
それに、自分だけお姉ちゃんに面会させてもらえない。なぜだろう。両親がいない日、七海はないしょで姉がいる病室をたずねることにするーー。
きれいで人気者の友だちと自分をくらべて落ちこんだり、病気のお姉ちゃんを「かわいそう」と思ったり、うらやんだり……。そうして悩みながら、七海は、自分や相手と向き合っていく。
七海は、友達、母親、父親、そしてお -
Posted by ブクログ
家にも学校にも居場所がない小学校6年生のマッキーは「放課後こども教室」にいる数少ない高学年生。
ある日、高学年のタヌ、健太、愛ちゃんと一緒にドラムを手作りすることになった。やってみるとこれが楽しい。普段話さないみんなのことも見えてきた。
作ったのなら鳴らしてみよう。
最初はただの騒音だった。でも作ってるときは楽しかった。がんばって練習して演奏してみたら、きっともっと楽しい。やる前から諦めるなんてつまらない。
そこでみんなでやってみることにしたのが「トーキングドラム」。
西アフリカで、打楽器を使って、言葉のようにコミュニケーションをとること。
それぞれ家庭の事情や、悩みを持っている小学生たち