あらすじ
──小学6年生の七海は、お母さんが再婚し、あたらしいお父さんとあたらしいおねえちゃんができて、大喜びした。でも、家族になるのは、そんなに簡単なことではなかった。会ったことのないおねえちゃんに嫉妬し、七海はもがく。
入院中のおねえちゃんは、泣き言を言わないし、弱音もはかず、まわりのことを気遣ってばかりだ。七海はだんだん自分が恥ずかしくなっていくが……。
小さいお姉ちゃんと新しいお父さんの間で、複雑な家庭の中で揺れる少女の心を描いた、うつのみや子ども賞&日本児童文学者協会章受賞作家の感涙小説。
感情タグBEST3
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5.6年から。再婚して出来たお父さんとお姉ちゃん。期待していたのに、お姉ちゃんの障害でお母さんは付きっきりになり主人公の女の子がストレスを抱えて行く様子や、大人と子どもの言い分や見え方が違うことにハッとさせられること、心から本当の家族、姉妹になれたことが伝わる良書。
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「雨そのものというより、雨の日が好きなんだ。」
小学6年生の七海は、お母さんが再婚して、新しいお父さんとお姉ちゃんができた。家族が増えてうれしいはずが、体が弱くて入院中の姉に、お母さんもお父さんも付きっきり。お母さんまでうばわれたような気持ちになる。
それに、自分だけお姉ちゃんに面会させてもらえない。なぜだろう。両親がいない日、七海はないしょで姉がいる病室をたずねることにするーー。
きれいで人気者の友だちと自分をくらべて落ちこんだり、病気のお姉ちゃんを「かわいそう」と思ったり、うらやんだり……。そうして悩みながら、七海は、自分や相手と向き合っていく。
七海は、友達、母親、父親、そしてお姉ちゃんに、自分の本音を伝え、ときに後悔したり、ぶつかったりしながら新しい関係を築いていく。不器用だけど、一生懸命に成長していく七海の姿に心が打たれる。
誰かと自分を比べて悩んでいる人、誰かと深く理解し合えるようになりたい人に、ぜひ読んでほしい1冊。
「なんかさびしくて、涙が出そうだった。
悟らないでほしい。あきらめないでほしい。
でも、それは言えなかった。そんなことを言うほうが、残酷かもしれないから。」
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再婚したお父さんの連れ子は七海よりもお姉ちゃん
でも会わせてくれない
なんで?
家族が増えたと思ってたのにお父さんもお母さんもその子に付きっきり
これじゃあ増えたどころか減ったみたい
ハッピーエンドで終わって良かった
学校に行けること行けないこと
人間ないものねだり
小6/万引き
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お母さんが再婚して篠原、改め石川姓になった小六の七海は、身体が丈夫な健康体だということだけが取り柄。新しくできた中学二年生のお姉ちゃんは生まれてからずっと病気で入院していて、家族になった今も会えないまま。新しいお父さんもお母さんも、病院へかかりっきりで、七海はお母さんが再婚する前よりずっと、一人でいることが増えた。
友達の詩乃は美人でスラッとしていて、両親も仲がいい。いいなあ詩乃は。比べることじゃないって分かっていても、自分とまわりの人を比べちゃうよ。
七海の気持ちがとてもよく分かるし、親の目線では親の気持ちも分かる、けれどやはり、ちょっと娘に甘えすぎじゃないかと思えてしまう前半でした。
お父さんに対して、どうしても怒りの気持ちが芽生えてしまいました。実の娘と同じように連れ子のことを思えないのなら結婚はすべきじゃない、と。問題が解決するまでは、七海ちゃんが犠牲になっている図式に見えてしまい、七海ちゃんと幸ちゃんが仲良くなったことでその辺りがうやむやになっている気がするけれど、それって七海ちゃんが大人だからうまくまとまったのだろうなと思ってしまいました。
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大事にして欲しい、でも気を遣われ過ぎるのは嫌。
そんな微妙な気持ちを話し合える友達や姉妹っていいなと思った。
逆に、両親の行動や言動が七海を蔑ろにし過ぎな気がして可哀想だった。(特に前半)
羨ましいという気持ちを素直に表現することって、難しいことかもしれない。
自分の弱さをうまくさらけ出せる人になれたら、生きやすくなりそう。
児童書だけど、大人が読んでも得るものがあった。
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子どもが子どもでいることを親として大人として保証したい。理念はわかる。でも具体的にどうすればよいのか。親だって大人だって、今を生きてるのは初めてだ。子どもを傷つけて後悔し、取り返しのつかない状況に絶望もする。
同じなのだ。大人も子どもも。今が初めてだという一点においては。
毒親だの家庭に問題があるだのいうヤカラは、後出しジャンケンだ。
お互い初めてだと、そこは同じ地平に立とう。刷り込まれてしまっている思い込みから自由になって、目の前にいるあなたと私と、等身大のやりとりをしようよ、そう呼びかけてくれる本だった。
読んでよかった。
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他人を羨みジェラシーを感じることは誰にでもある。親が再婚した七海は連子の幸が超虚弱なため、養父も母も幸にかかりきり。再婚したのに減る家族。ここらへんの七海の心情は読んでいて辛い。まだ小学生だよ?しっかりしてても甘えたいに決まってんじゃん。良い子でいた七海が母と養父とガチンコバトルし本音をさらけ出せたのは良かったし、ファンシーショップの店長さんみたいないい人に会えたのは良かった。残念ながら養父の良さが全然分からなかったけど、七海と幸が姉妹になれたのは良かったなあ。ものすごく繊細な児童書だと思う。