梶山三郎のレビュー一覧
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「トヨトミ」という名前を使った小説ですが、本を読めばそれが日本を代表する「トヨタ自動車」のことを指していることは読者なら容易に想像できます。筆者の梶山氏は十分な取材を通して、自動車業界に起きている激変と、創業家における出来事を読み物として興味深く読めるように工夫されています。
35年にわたる社会人生活を一区切りつけた私ですが、長年自動車業界に携わってきた者として、平成初期から自動車の課題は「燃費向上」でした。30年間以上もやってきて、もうやり尽くしたと感じたところで、世の中は「電気自動車」になりました。
この本は、トヨトミシリーズ・三部作の一作目に当たりますが、大変楽しく読ませていただきま -
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ネタバレトヨタ役員の人物像を会社内部でヒアリングしないと、こうまで面白おかしくは書けないのでは?誰かがゴシップ情報をリークした?トヨトミの野望も読まないと・・
株主総会で社長やK副社長が涙ながらの臭い?答弁をしていたのを思い出します。T副社長のFaceBookネタや、中国担当になった元人事部長の逸話も、与太話としては面白い。どこまで本当なのかは知る人ぞ知る!唐突なソフトバンクとの提携はトランプと習近平対策だったのか?ロビー活動とアライアンスで飛び回るために社長の座を技術系に譲ったのか?
ちなみに今日の安全系の認証不正記者会見での会長はマスコミに睨みを利かせてました。マスコミがトヨタに忖度しているさまが -
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1.著者;正体不明の覆面作家。本書「トヨトミの野望」でデビュー。新聞社のフリージャーナリストが書いたと言われているが、実際は複数の現役記者が情報提供し、某作家に書かせたらしいという噂もあり謎。梶山三郎というペンネームは、梶山季之(週刊誌記者出身で出世作は「黒の試走車」)と城山三郎(自動車関係の書籍は「勇者は語らず」)に肖ったと思わらる。
2.本書;企業小説。著者曰く「失われた20年を、高度成長期の様に駆け抜けた巨大自動車企業は日本経済最後の砦だ。私は、その真実を伝える為に、ノンフィクションでなく、小説を書いた」。この企業はトヨタ自動車と思われ、創業家と左遷サラリーマン社長の対立が書かれている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトヨトミも大企業病の様子を呈し、現社長の豊臣統一をうまく操作して、自分の利益ばかり優先する役員が周りにいるようになった。EVで完全に乗り遅れたトヨトミは果たして生き残れるのか?
今回もトヨタ自動車の状況をよく踏襲していて、現実なのかフィクションなのか時々わからなくなる。豊臣統一の性格や行動も現実のトヨタ社長の豊田章男と非常によく重なる(もっとも愛人の話とはどうかわからないが)
社内闘争の話がほとんどで終わるのかと思い、少しうんざりしていたが、統一も退任することになり、最後に思慮深い人事を行い、痛快なエンディングとなる。トヨトミの逆襲である。