梶山三郎のレビュー一覧
-
購入済み
統一が社長になってどれほど酷い有り様かと思っていましたが、創業一族の立場を良い意味で上手く使い、そして経験から学び社長としての地位を固めていく様子、また急速に変化していく世の中を必死に模索しながら歩いていく様に、気づけばひたすら応援していました。ほぼノンフィクションの素晴らしい企業小説であり、啓発本でもあると思います。
-
購入済み
久しぶりにこれほど面白い企業小説を読みました。ほぼ史実に基づいている部分もあり、もはや小説なのかノンフィクションなのか分からず、あの大企業にこんなお家騒動もあったのかと想像しながら読み進めました。続編が楽しみです。
-
Posted by ブクログ
99%が実話とも言われる、世界一の自動車メーカーをモデルにした話。おもしろい。
仕事への情熱が燃え尽きそうな時に読むと、火が付くかもしれない。
こんなに魅力的な人々がトヨトミ自動車にはいるのか、いたのかと胸が熱くなった。
一介のサラリーマンとしての人生でなく、
複雑な意思決定の仕組みを持つ中国、世界の標準化機構、米政府、アメリカ世論との闘いなど、世界の荒波に揉まれてなお、誇りを捨てずに闘い続ける世界の自動車メーカーのロマンが描かれている。
そのたたかいかたも、実話と言われるだけに、ロビイング活動や中国での裏金パイプづくりなど、綺麗事だけではなく清濁併せ呑むかつ、5手10手先を睨んだ差配によ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』に続く、トヨトミ・シリーズの完結編。『トヨトミの野望』は既に読三田にも紹介されていますが、知人からも「これ、すごいですよ」と紹介されたものです。今回も「いやぁ~、面白かった」ですが、誰が読んでも「トヨトミ=トヨタ」とわかります。帯には「99%実話の噂」とありますが、恐らくは実話。企業名・人物名は、容易に「ああ、あれね」とわかるよう面白いヒネリが入れてあります。
『トヨトミの野望』はトヨトミ家の御曹司として将来の社長候補である豊臣統一が美人局にあい、それを柔道でならした当時の社長・武田鋼平(奥田碩?)が救い出すという話から始まります。その後のシリーズで、 -
Posted by ブクログ
「小説の形を借りたノンフィクション」と呼ばれ、現実のトヨタ自動車への圧倒的な取材力がこの小説にリアリティを生み出しており、その面白さの原動力となっているのは間違いない。
そのことを踏まえた上で、敢えてただのフィクションの小説として判断してみたいと思う。そうしてみてもやはり文句なしに面白い。
企業小説としてサラリーマンの悲哀や苦悩、トップのマネジメント論、権謀術数、社内政治などなど(この辺りは島耕作シリーズに通ずるものがある)盛り沢山。その上で描かれる2人の主人公=創業家以外からの初のサラリーマン社長武田剛三と創業家のプリンス豊臣統一の重厚な人間ドラマ。これらが小説として面白すぎるので、こんなこ -
Posted by ブクログ
衝撃的な本に出会いました、小説の形をとっていますが、現在の自動車業界が置かれている状況を詳細に調査して、それをベースに書かれた小説です。私の勤務している会社も、最終的には自動車の一部品として使われている製品を作っていますので、将来の自動車業界の動向(特に電動化)がいつ頃、どの程度進むのかは大いに興味があります。
この本で書かれているように今年もトヨタの収益はダントツで一位のようです、以前は日本市場のシェアを40%死守すると言っていたと記憶していますが、今では過半数を超えるのではないでしょうか。そんなトヨタであっても電動化に対する対応を間違えると将来は今の地位を維持することはできないと予測され