優等生は先生の手を煩わせない。だからこそ優等生に問題が生じている事を先生は気付けない。気付いた時には取り返しがつかない状態になっている……
学校教育現場でよく起こりうる話をつい思い出してしまう内容だった
『灯』の中では群を抜く実力であり他のスパイ少女のように問題を起こす事はないモニカ。そんな彼女に存在した弱点に成り得る感情は教師なら対処しなければならない問題。けれど優等生が強い覚悟で持って踏み込ませなかった為にクラウスはその問題を見過ごし……
そして敵に付け込まれてしまったわけか
モニカの身に起きた事は悲劇としか呼びようがない。『鳳』のキュールですら逃れられなかった罠から簡単に逃れられるわけがない。クラウスからも、そして誰にもその悲鳴が届かないままモニカは闇に落ちていく…
そういった流れに支配されていたからこそ、モニカとティアが通じ合う場面から始まる逆襲撃には心躍ってしまった!
『鳳』は実力が広く知られた存在だった為にクラウスに見出される事はなく、そして今回も『翠蝶』に利用されてしまった
けれど、『灯』はその内情があまり知られていない。幾つもの任務をこなし危険だと認知されていても、それはクラウスが危険だと思われるだけで少女たちの細かい実力までは把握されていない。そして少女たちはこの短い期間で著しい成長を遂げている
だからこそ『翠蝶』の思惑を超えられるわけだ
その成長がかつての『焰』とダブって映る描写は良いね。
『焰』の不在を埋めるために設立された『灯』が本当に『焰』の後継者に変貌したかのよう
ただ、それはあくまでも教え子の範囲を超えない成長に限った話の場合であって
モニカに同調したティアもクラウスの想定を超えた動きをしたけれど、最終的にはクラウスにその思惑は看破されたし、自分達はクラウスに助けられるつもりで居た。ティアは教え子の範疇に留まっていた
けれど、作中で言及されたようにモニカはクラウスを超える成長を見せている。だからこそ『灯』も『焰』も超越しかねない動きが可能となって結果的にクラウスの救いの手すら取れなくなってしまったという事か……
裏切りのシーンや以前から描写されているように、モニカはクラウスに出来ない事をやってのけているね
以前からサラに教えを施し、アネットには敗北を叩き込んでいる。特にアネットの件なんて、仲間を裏切る事で味わう崩落の苦しみを痛感しつつ「良い機会かもしれない」なんて考えている。他にもこの巻で見せた策謀の多くや教会で披露した才能は彼女の突出した才能をこれでもかと示している
なら最早モニカは教え子に収まらない。だからクラウスにも助けられない
独走するモニカの無双が描かれたこの巻。その輝きに劣る如くティアを除いてクラウスや他の少女たち、そして前巻にて言及された『炯眼』に目立った動きは見られないまま全ては終わってしまった
それどころか『灯』はほぼ壊滅状態。一番大切なものは守れてもそれ以外のものがあまりにもダメージを受けすぎてしまった
そんなタイミングで始まるのは彼女の物語ですか
『炮烙』のゲルデから継承した『飛禽』のヴィンドから技を受け継いだモニカは大きな成長をこの巻で見せた
ならモニカに学んだサラは次巻でどのような成長を見せてくれるのだろうか……?