トマリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初に表紙を見た際は「これ誰だ…?」って一瞬感じてしまったよ。そのくらい印象が様変わりしたね。それは見た目だけでなく中身も
これまでは分担ごとに別作業・任務に就く事はあっても連携を取らない形でバラバラにスパイ活動を行うなんて無かった
けど今回のライラット王国編はそのバラバラを求められたわけだ
勿論、本人達は納得しているし、任せられるだけの成長を示した背景もある。けどそれを以ってエルナ達が一人前になったと言い切れるわけではなくて
そういった不安定さをこれでもかと感じ取れた巻だったよ
エルナとアネットだけの潜入任務。おまけに目的は革命の実行。戦力的には頼りになっても任務達成という面では元 -
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Posted by ブクログ
ネタバレやっと長きに渡る『蛇』との戦いが終わった。
少女たちは皆負傷しているし、クラウスも今回ばかりは余裕がなく、かなり緊張感があったな。
誰が『炯眼』なのか最後まで読者と敵を欺く作戦(欺かれていた読者は私だけの可能性があるが)も凄かったし、後書きに書かれた作者のサラへの思い入れも良かった。1番目立たなかった少女が、見事な活躍を見せたこの巻は、『灯』が誰1人欠けてはいけないことを改めて教えてくれる。
しかし、ちょっと分からないところもあった。ノスタルジアプロジェクトのくだり。結局『蛇』の方が正義だったということなのだろうか。でも、そもそも正義とは?スパイ教室の世界ではどこの国が正しいとかはないからな -
Posted by ブクログ
アニメで本編にはない話があるなと思ったら、短編集の話が入っていたのね。
クラウスと「灯」の少女たちそれぞれとのほのかな思い出。クラウスへの恋心を顕にしているグレーテはもちろん、ジビアやサラの話もあって、より少女たちへ愛着が湧いた。
モニカの話があったのも嬉しい。モニカは「中肉中背でこれと言って何の特徴もない」と小説内で説明されているが、そんなことないから!魅力的だから!と毎回心の中でつっこんでいる。
モニカの熱い気持ちが垣間見えるこの短編でさらに好きになった。
花嫁ロワイヤルは、なぜか少女たちがクラウスの花嫁の座を争って闘うという話。戸籍上の"花嫁"にそれぞれが思惑を持っ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ一番好きなモニカの話だが、前巻の終わりで何やら不穏なことになっちゃっていたので不安だった。
やっぱり、理由があったのね。モニカの仲間を守りたいのに傷つけなければいけなかった辛さが、読んでてこっちも辛いわ。
リリィを守るためにって選択は、モニカが強いからこそできるものであって、このときばかりは(モニカ…もっと弱ければ…)と思った。
しかし彼女も言いなりになるばかりではなく、仲間の特技をうまく活かしたやり方をしていたところは流石だった。
あと前々から凄かったが銃弾の嵐の中でのあの戦闘は鳥肌もの。
翠蝶に関しては思ってたよりクソ雑魚な感じで残念。悪役としてはいまいち。
次巻は全面戦争になりそう -
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Posted by ブクログ
面白かった。いつもながらスパイ教室の短編集は短編ではなくて外伝っぽいというか、グランドホテル形式の長編とも言えるのでは。読みごたえあり。鳳がらみのエピソード。生前、鳳が課した宿題にとりくむ。個人的に一番おもしろかったのが、ファルマの課題、『聖樹』ダグウィンのところ。ストレートに面白い(笑)。ものすんごく良い設定の鳳メンバーを、すぐに壊滅させて、この作者はなんてもったいないことを!!と思ったが、こうして語られるというのも小説のいいところだな、と再確認させられた。最後のダグウィンと先生の対決が良い。こうした弔いもスパイらしくてかっこええです。
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本編よりもコメディ色豊かな短編集なのだけど、時系列が数多の悲劇が繰り広げれらたフェンド連邦編を挟んだものになっているものだから、描かれる物語も幾らか陰鬱さを含んだものに
『鳳』の壊滅、モニカの裏切り。どちらも『灯』にとって想像を絶する出来事であっただけにそれを非常に引き摺っている
そんな中でメインのお題として用立てられているのはランの進退か
壊滅した『鳳』の中で唯一生き残ってしまった。『灯』が『鳳』の壊滅に衝撃を受けるなら、『鳳』だったランが抱く喪失は如何程のものか
短編の合間に挟まれるエピソードではそれをコメディ調で紡いでいるけれど、一方でこれは『灯』がいずれ向き合わなければならないお題 -
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今回の敵は強敵だったな。
敵というか仲間なんだけども。(分かりづらいから以下「敵」とする。)
少女たちがボロボロになりながらも敵と戦うシーンが圧巻だった。
彼女たちも成長はしているけど、やっぱり優秀なスパイには敵わなくて、任務が成功するかどうかも最後まで分からない。
しかも負けて失うことになるものがあまりにも大き過ぎる。
そんな中でも立ち向かおうとする姿は相変わらずかっこいい。
エルナは重度のかまってちゃんということだね笑
現実、周囲にこういう子がいたら近づかないと思うけれど、キャラクターとしてはめちゃ可愛い。年下のサラに撫でられてるところも良きかな。
人が本気で成長するには、安定した環境 -
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Posted by ブクログ
ネタバレアネット回かと思いきやティアにも結構焦点があてられていて、一冊で二度美味しい気分。
アネットって記憶喪失だったんだっけ…ってぐらい彼女の印象は薄かったんだけど、人気投票では1位だったそうで、見てる人は見てるんだなー。この巻でアネットが人気があるのも納得。
明るく純真無垢な彼女だが、本性は「灯」の中で一番スパイに向いているのかもと思わせるようなものだった。
私は最後までアネットが可哀想と思っていたが、彼女は憐れまれるような存在ではないことがよく分かった。自分がアネットの立場だったら、簡単に懐柔されて悲惨な末路を辿っていただろうな…
今回、「灯」のメンバーの距離がまた少し近くなったようで嬉しい。 -
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Posted by ブクログ
これまでと表紙の雰囲気を一新した上で始まるのはまさかのバカンス。でも暗躍を生業とする『灯』が穏やかな休暇を過ごせる訳がなくて
クラウスの指示により全員での集いに制限が生まれた今回のエピソード。そういった特殊な状況に加え、章立てされたお話になっている事で多面性を見せる内容になったね
まずは恋の物語が描かれる『島民編』
昔出会った女の子が突然許嫁を名乗るなんてラブコメみたいな展開だけど、世界最強のスパイであるクラウスには無縁の展開
普通の島民として生きてきたラフタニアがクラウスの隣に立つなんて無理な話。もし出来る存在が居るとするならそれは同じくスパイであるグレーテしか思い浮かばないわけで
ク -
匿名
ネタバレ 購入済み自由
とにかく自由な内容でした。いもうざは綾羽のこれまでの背景がよくわかる内容となっていて、かつては今と比べて全然不穏な印象を感じられない性格だったと思うのはきっと私だけではないはずだと思いました。人って環境でこんなに変わってしまうものなのかと驚きました。
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Posted by ブクログ
変装の得意なグレーテが主軸となった本作。
彼女は優秀だがちょっと抜けている印象だった。しかし、その印象は終盤にかけてがらっと変わった。
本作ではグレーテの作戦立案能力や変装スキルの高さが抜きん出ており、他の少女が霞んでしまうほど。(特にティア、モニカ、アネット、エルナはほぼ出番なし)
序盤のクラウス捕縛作戦からメイン任務の「屍」打倒作戦まで、彼女なくして成功なし得ない(成功したかどうかはともかく)。
どうやら複雑な家庭環境にあったようで、つい頭をなでなでしてあげたくなる。
帝国のスパイは割とすぐ判明するのだが、スパイをどう捕らえ、且つスパイの親玉である「屍」を攻略するかは考えつかない方法だ