あらすじ
『蛇』の謀略により崩壊寸前の『灯』。危機的状況を前に立ち上がったのは、チーム最弱の少女――サラだった。かつて実力不足で任務から外された非選抜組のメンバーとともに、弱者と侮られた少女の逆襲が始まる――。
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落ちこぼれ少女達が死亡率九割超の『不可能任務』に挑むスパイファンタジー!
「戦争はコスパが悪い」として、スパイ達による情報戦が繰り広げられる世界のとある国で発足したチーム『灯』。
そこに集められたのは各地の養成学校の落ちこぼれ少女達で、ボス兼教官の青年・クラウスは凄腕のスパイだが口下手&超絶教え下手なポンコツだった!
本作は、そんな彼女達が超難度の任務に挑み絶体絶命のピンチに陥りつつも、なんやかんやそれを乗り越えていくお話となっております。
(最終的にクラウスさんがごり押しでなんとかしちゃったり?)
スパイものならではのトリックも随所に散りばめられており、アクション要素もあり。
尖った能力とどこかしらに難がある個性的な面々の会話によるコミカル要素も。
このような題材のものとして、読みやすく非常にライトに楽しめる1作です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一番スパイに消極的なサラの活躍で長かった戦いに一旦決着がついたのは感慨深いものがある。
灯の少女たちの成長と死闘もよかったし、蛇の面々を愛したくなってしまう一面もよかった。
でも個人的に一番よかったのがアメリの最期。
組織を疑うこともしないお人形のようだった彼女が、揺れ惑い、自分の考えで自分の正義を選ぶまでになった様子がずっと描かれてきたから。
自分で選んだ正義へのプライドと大切な人が平穏に暮らせる世界を祈る愛が苛烈な最期を引き立たせていた。
3巻に渡るフェンド連邦編の完結巻。過去最大級のピンチが描かれ、最後の最後までメインキャラクターの生死にドキドキするような緊迫感があった。
世界観やキャラクターそのものも深掘りが進んでより魅力的になっているのはもちろん、今回は「『炯眼』の正体」という明確に提示されていた謎があったのでいつも以上の「してやられた感」があるのも気持ち良い。ずっと考えていたけれど、想定外の正体だったなあ……
Posted by ブクログ
今までの流れはその巻のメインキャラが敵やら味方やらを欺いて一矢報いる形だったけど、じゃあメンバー最弱のサラの活躍はどうなるんだ?と予想がつかなかったが、かなり良かったな。
弱い自分をわかっていながら覚悟を決めた姿、めちゃくちゃかっこよかった。
奇跡的に誰も欠けることなく帰還し、とりあえずこの巻で一段落って感じかな。
本当によかった。
Posted by ブクログ
クラウス、片足でも化け物ってどれだけのレベルなのか…。
ノスタルジアプロジェクトとは何なのか。蛇はそれを阻止するのが目的といっていたが。世界から弱者を駆逐すること➡️虐殺?
フェロニカがそんなことをするはずはないと思うが…。クラウスがその意思を継いで極罪を犯すというのも引っかかる。
蛇の回想が出てきたが、ギードがここまでの化け物とは思わなかった。灯はよく殺されなかったと思う。どうしてギードとフェロニカは決裂したのかも謎のまま。
Posted by ブクログ
裏切りにより壊滅状態の『灯』、そこで打倒白蜘蛛に名乗りを上げるのがメンバー最弱と思われたサラというのは冒頭部分から熱量感じられる展開。けれど声を挙げたからと言って実力が様変わりするわけではないし、何か策を持っているわけでもない
それでも彼女は誰もが諦めかけた時に覚悟を決めた。それが何よりも白蜘蛛との差なのだと後々理解できるようになっていたね
5巻から続くセカンドシーズンを締めるこの8巻、メインとなるサラのエピソードもそうだけど、他の面についても区切りをつける内容となっているね
序盤でそれが示されるのはアネット。仲良しチームに紛れた本物の邪悪、隠された邪性こそチームの切り札と目された少女。だからこそアネットは仲間達に本性を打ち明ける事は出来ず、仲間達もそれを受け止められなかった
誰にも相談せず病院を抜け出し、モニカを殺す為にリリィ達に害意を向けた。それはアネットの苦しみが放置された為に生じた現象。
それをサラが受け止めるとは思わなかったなぁ…。気弱で他者から向けられる害意に怯えがちだったサラ。それが暴走するアネットを前に自分の得意分野との共通項を見出しアネットを許容した。そんなサラを入り口に他の少女達もアネットを受け容れる土壌を手にする様子は良かったな
他の子達に比べて汚れ仕事ばかりを担当してきたアネットもこれを契機に変わるのかもしれないね
また、意外な話運びとなったのは『蛇』についてか
序盤から『焰』壊滅の黒幕とされてきた『蛇』。あまりに姿が見えず強力なスパイを擁する事から世界中の暗部に関わる巨大組織を想像していたのだけど、その実態はたった二人が始めた小規模な機関だったのか。それを白蜘蛛が大きくしたと…
誰よりも弱い心を持つ白蜘蛛の勧誘により各国の有力なスパイを味方に引き込んでいき、大きくなった『蛇』は遂に世界の理である『焰』まで抹殺してしまった
それは白蜘蛛にとって夢のような時間だったろうな。弱すぎて街の片隅に燻っていた存在が世界を揺さぶる存在へと変貌した。だからこそ『蛇』の野望を揺るがしかねないクラウスに必要以上に恐れた
それがこのセカンドシーズンの背後にずっと存在していた悪意であり、クラウスを殺す為に『鳳』を殺すに至ったわけだ
そういった背景があるからこそ、この巻で『灯』が逆転の一手として「『鳳』のスパイたちは生きていた」と風説を流す展開には痺れてしまうね
『鳳』の死から『灯』の窮地は始まった。壊滅状態の『灯』が不死鳥のように蘇るにはそれこそ鳥の翼が必要、その中心がサラとなるわけだね
それでもサラがスパイチームの中では弱い存在である点は隠しようがない。その中で彼女に何が出来るかと言えば……
いや、『炯眼』の正体には驚かされたよ。普通に引っかかってしまったな。まあ、あの存在を予想しろというのが無理筋だけど
でも、『炯眼』はサラが打倒白蜘蛛の為に様々な策を弄し、白蜘蛛の前に躍り出たから成立した切り札。サラがあの場面で白蜘蛛に立ち向かい続かなければ生まれなかった逆転の可能性
サラは変わらずに強くなんて成れてないけど、仲間達の誰も想像できていなかった幸福な未来を形作れた。それはもしかしたら誰よりも強いという証明かもしれないね
そしてそしてのエピローグ。スパイという死が隣接する世界で何だかんだでハッピーエンドを迎えるパターンが多い本作、『鳳』は『灯』の中に生き残った。そしてモニカは…
いや、まさかあの状況から生還するとは本当に予想外だよ!結局、モニカの恋心がどうなったのか記されずに終わるのだけど、この点についても酷い結果にならないだろうと確信できる終わり方だったね
白蜘蛛と紫蟻が残した『虹螢』という誰も聞いた事がない単語、紅炉が創設した謎の機関、そして新たなる戦争の脈動…
これまで以上に深く、仄暗い世界的な問題を前に『灯』は何が出来るのだろうか?
さすがのクオリティ
アニメ化も進む中、原作も相変わらずの面白さで最高です。セカンドシーズンの締めくくりに相応しい巻になっていますので、是非ご一読下さい!
Posted by ブクログ
フィクション作家に告ぐ。鷹などの猛禽に嘴で攻撃させんといてほしい!
面白かった。シリーズ最高作(だと思う)。これで、灯の全少女を冠した巻が揃った。前作からモニカがどうなったのか、気になりすぎてモヤモヤしていたが、ちゃんとはっきりするし、なんといっても本作の影の主役のバーナード氏が最高すぎて、極上。
とても好きなラノベで、鷹が大活躍する。
それは素晴らしいんだが、
毎回気になるのが、なぜタカに嘴で攻撃させたがる???
P298
>”XXXXXX鷹が、XXXの喉を食い破らんと嘴で突いてくる。”
ネタバレないように、伏字にした。
嘴(くちばし)で攻撃って、カモメかっ!
猛禽ならタロン(爪)を使え!!タロンを!!
最近読んだ児童書や小説などのフィクションに登場する
猛禽たちのことごとくが嘴で敵を攻撃するので、
一般的に猛禽って誤解されとるな、、と
つくづく感じる。
誤解の連鎖が起きてるんやろねぇ、、。
猛禽を登場させるのなら
ちょっとは行動学を紐解いてほしいと
切に願う。
簡単な覚え方
嘴は食べるところ(カトラリー的な)
爪は狩るところ(武器的な)
猛禽の猛禽たる条件は
視力、爪、嘴、この3点
特に目は大切なので、嘴で攻撃することは
目を危険に晒すことなので、
基本的に忌避しますな。
もちろん鳥種によっては足を拘束されると
仕方なく嘴で拘束をなんとか外そうとはしますが。
漫画や小説、物語など、創作物に猛禽や鳥類を登場させる前に、
すこし調べてほしいと思う。
もしくは、どうしても嘴で攻撃させたいなら、
サギ類にしといて!(笑)
アオサギとかええんちゃう?嘴で目を突く攻撃、
コードネーム『暴鷺』刺し狂う時間です。みたいな
カモメ類とかアジサシ類とかでもいい。
話はずれたが、
スパイ教室。ものすごく好きです。
今作、ほんまに面白かったです。
Posted by ブクログ
ずっと待っていたスパイ教室最新刊。このシリーズの魅力は爽快すぎるどんでん返しにあると思っていて、今回も素晴らしい読後感でした。表紙にもなっている通り主役はサラ。今まであんましパッとしない活躍だった彼女ですが……活躍の程は読んでみてからのお楽しみということで。あ、先生は相変わらずバケモンじみた強さ発揮してます。読んで終わってなんだけど、すぐに続きが読みたくなっちゃう。こんなにハマってるラノベ、久しぶりだなぁ。
Posted by ブクログ
やっと長きに渡る『蛇』との戦いが終わった。
少女たちは皆負傷しているし、クラウスも今回ばかりは余裕がなく、かなり緊張感があったな。
誰が『炯眼』なのか最後まで読者と敵を欺く作戦(欺かれていた読者は私だけの可能性があるが)も凄かったし、後書きに書かれた作者のサラへの思い入れも良かった。1番目立たなかった少女が、見事な活躍を見せたこの巻は、『灯』が誰1人欠けてはいけないことを改めて教えてくれる。
しかし、ちょっと分からないところもあった。ノスタルジアプロジェクトのくだり。結局『蛇』の方が正義だったということなのだろうか。でも、そもそも正義とは?スパイ教室の世界ではどこの国が正しいとかはないからな。
もし正しくないとしても『灯』なら正しい方向へ進める筈だから心配はないけれども。
よく考えたらおいしいところはリリィが持ってってたな。アネットとの共闘でもあるが。
そしてモニカの恋が成就することを私も願う。