トマリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
クラウスが『焔』へ入るまでの話と『焔』が壊滅するまでの話。
今では世界最高のスパイと言われるほどの実力を持っているクラウスも、最初はただの子どもだったのだなぁと微笑ましくなるが、そんな時代もつかの間で、吸収力の早さ、能力の高さを見るとやはり恐るべし子どもだった。
無人島では自身も感染症に罹りながら、病人を助けようとし、最終的には冷酷且つ合理的な判断を降す。
クラウスのいる世界は甘い世界ではないと分かってはいるけれど、それでもクラウスがこんなに残酷な世界にいることに哀しみを覚える。
ギードはじめ『焔』のメンバーとクラウスの関わりが書かれていてとても良いのだが、いずれ訪れるメンバーの最期を思うと読み進めたくなくなる。
『灯』の少女たちの出番はないが、間接的にクラウスと関係していたことが仄めかされていて、ちょっと楽しくなった。 -
Posted by ブクログ
スパイでありながらアネットの為に敵スパイを助ける。それはとんでもなく甘々な判断でクラウスに知られたら叱責されたって仕方ないもの
だからティアは誰にも相談できず、対立したモニカも屈服させる形で危険なミッションに参加させるしか無かった
それが為にティアはマティルダに騙されてしまったのだろうなぁ…
マティルダは見る人が見れば危険な人物だとすぐに判るタイプ。またその本性も唾棄すべきもの
だからスパイの世界で生きていこうと思うなら彼女のようなスパイに容易に騙されているようではまだまだ。マティルダがティアを指して「ちょろすぎますよぉ」と言うけれど、それは真実だね
紅炉に憧れてスパイのヒーローを志す彼女にとって今回の件は挫折であり明確な判断ミス
でも、ティアだけが甘々なのではなく、モニカが指摘するように『灯』全員が危うい一面がある
ならそれを補う者が必要となるわけで。これまでその役は教師であるクラウスだった。だからこそ、クラウス不在の局面でも補える者が欲されたわけだけど……
モニカでさえ直前まで気付かなかった『灯』のジョーカー
仕掛けられた冷酷非情な罠、それが発動した瞬間の嬉しそうな表情。アネットが隠し持っていた恐ろしさ
普通なら存在そのものが間違いと指摘したくなるそれをクラウスが「誇りに思うよ」と褒め称えるシーンは印象的
母娘の関係であれば排斥されるアネットの本性、けれどそれは『灯』にとって必要不可欠なものだと見えてくるエピソードとなったよ
そういや、白蜘蛛の描写にはちょっと笑ってしまったな
彼って確かに『蛇』の一員で危険なスパイである事は確かなのだけど、ちょくちょく三下っぽい雰囲気を出してくるものだから拍子抜けしてしまう。でも、それが彼のキャラとして確立されているのだから堪らないのだけど
だからって、街に到着してすぐにマークされる場面はあまりに酷すぎるよ(笑) -
Posted by ブクログ
本コミカライズは原作小説よりもグレーテの内心にフォーカスしているのだけど、彼女と対になるオリヴィアが本性を表すに連れ、その点が意味を持ってくるようになるね
正体不明の暗殺者を前にして不安定になる仲間はグレーテが守らなければならない相手。けれど一方でジビア達に刃を向けようとするオリヴィアは倒さなければならない相手
二種の重圧はグレーテの身に過ぎるものだけど、その持て余す重圧に拠ってクラウスの重責を知るというのは印象的な展開。グレーテはこの任務で仮リーダーというだけなのだけど、それ以上の意味をこの任務に見出すならばクラウスの想いに近づく事も彼女にとって大きな意味を持つわけだ
ここで潰れそうなグレーテだけに全てを任せず重荷を分けようとするリリィ達の動きは良いね。これぞチームという感じがする
それでも囚えなければならない敵であるオリヴィアに対峙すべきはグレーテだけとなるわけで
これは仮リーダーだからではなく、クラウスに恋する少女だからこそ背負う責任。そして大切な人から愛される意味を履き違えているオリヴィアに止めを刺すため譲れない役割
でも愛の意味はグレーテ一人だけで証明できるものではないから。最大のピンチと成り得た瞬間に降り立ってグレーテの美しさを褒め称えたクラウスは本当にいい男だよ -
Posted by ブクログ
『灯』と『鳳』の蜜月期間なる話が書かれている。
ジビアとビックスの合コンの話かなーと思っていたら意外にもサラ、アネット、エルナ、ファルマの合コンだった。
この4人に囲まれて食事するのは楽しそうだ。
ただ呑気に合コンするだけじゃないのは当たり前。
ファルマの能力の高さが認識できる回でもあった。
ビックスはヴィンドに対して複雑な気持ちを抱いてるんだろう。自身もスパイとして力を持ちながらも、そんな自分を凌駕する存在で、尊敬とともに目の上のたんこぶでもあったのだろうな。
基本は明るくチャラい性格だが、根底には真面目に強くなりたいという気持ちがあるし、グレーテには良い勉強になったのでは。
アネット回は、クノーとの交流が書かれている。
仮面を被り、多くを語らない(と言うか喋らな過ぎ)クノーの過去が少しだけ垣間見れる。クノーは精神的には『鳳』の中で一番強いかもしれないと思った。
アネットとクノー回のラストは結構惨状になるのだが、アネットの優しい面を見た気がする。彼女にとって『灯』の少女たちが「楽しい玩具」から「守りたい存在」に変われば良いなと思う。
『鳳』のほとんどのメンバーがもういないというのは、本当によくできた設定だなと思う。こんなに個々人が強いチームでも、敵に蹂躙されてしまったのだから。『灯』は彼らの思いを汲んで強くならなければいけない。彼らに不足していた結束力を強固にして。