トマリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集第1巻に引き続き第2巻も頭が痛くなるような導入だ(笑)
スパイ教室の短編集って基本こういうノリで進むのか。そう思わせられただけにラストの展開には少し驚いてしまったけども
アネットとティア、エルナがメインとなる短編はライトノベルの短編らしさに溢れたドタバタ劇が展開されているね。
意外でキュートな姿が披露されるアネット、男を落とす技術の真髄が描かれるティア、不幸が不幸を呼び逆に幸福を振りまくエルナ
そういったドタバタ激の中でもスパイとしての本業を忘れていない展開もあるのだけど、基本的に短編らしく重い事態は描かれず少女たちが独力で解決できるレベル。だからこそ、本編とは違った形で少女たちの魅力も描かれているね
そうした中でメインではないけれど、意外な成長を見せたのはサラかな
恋愛に距離を置く少女たちの中で一際に恋への憧れは有っても遠いままだったサラ。それがティアの指南に拠って大きな変身を遂げた
これ、確かにティアの実力を示すエピソードとなっているのだけど、同時にサラが今後手にするかもしれない可能性の一つを提示するエピソードにもなっているように思えてしまう
タリックを魔性の笑みならぬ慈愛に満ちた微笑みで落とすサラにはゾクゾクしてしまうよ……
そしてリリィの短編はモニカの短編を超えるシリアス度合いだったね。そもそも日常の話ではなく、ミータリオ決戦の出来事という時点で異質だけど
語られるのはリリィの生い立ちとミータリオ決戦でアネットを逃した後に何が有ったか
リリィってスパイとしてどう考えても異質で、あの少女たちの中においても少し異質な存在。それはアネットのように壊れてしまっているという意味ではなく、いつでも仲間たちに笑みを齎せるという意味での異質さ。その一方で第5巻のヴィンド戦で見せたように不屈の闘志も持っている。それらがどうにも自分としては整理できなくて、メインの人物でありながらどういう人物か理解しきれていなかったのだけど、この短編を介してリリィの本質の一端が見えたような気がしたよ
何故か自分一人だけ生き残ってしまった地獄、落ちこぼれであるために蔑まれた8年間。それを支えたのは復讐心。ただ、その復讐が世界を壊すというものではなく、咲き誇ってチヤホヤされたいというのは変わっているけども
でも、リリィはその信念を掲げて『灯』に入り、リーダーとなった。そしてミータリオでは働き蟻相手に一人で奮闘してみせた
最後、自分を助けてくれたクラウスに寄り掛かることを良しとせず、クラウスを先に行かせたリリィ。その姿はクラウス以外の誰も知ることがないけれど、『灯』のリーダーとしてとても誇り高い行動であるように思えたよ
そして短編集を総括する形となった『私たちを愛したスパイ』
ティアについては何となくそうなのだろうなと身構えていた部分は有ったのだけど、やっぱりそうだったのか……
それを気取られないようにしていた『紅炉』、真実を隠していたクラウス。どちらも優しさを備えた行動だけど、一方で先人の優しさに守られている状況では一人前とはとても言えない
だから『紅炉』の遺言はティアへの最後の試練として機能しているわけだね。空白になっている部分を埋められたときこそ、ティアが過去を乗り越えて成長できた証となる
こんな仕掛けを用意しているなんて『紅炉』は未来をどこまで見通していたんだろうね -
Posted by ブクログ
またもやすっかり騙されてしまったなぁ……
前巻のエピローグを読んで、そして翠蝶の発言を見て、この巻で起きるだろう物語を決めつけた上で読んでしまっていたよ。だからこそ、中盤からの逆転劇には驚かされ、痺れてしまう!
今回の舞台となったフェンド連邦はスパイの強豪でありつつ、王室を戴いている為に特殊事情が存在するね
スパイとして国を守り奉仕する。それはディン共和国においても同じなのだけど、フェンドにおいては王室への忠誠心が存在することで国を守るだけでなく、王室への奉仕も重要な意味を持つ構造になっているね
それがこの巻では対立する『ベリアル』の特色となっているように感じられた
導入部は突如崩壊した『鳳』の顛末を知るための行動から始まっているね。『灯』としては唯一生き残ったランを探し出したい。けれど『鳳』に皇太子暗殺の容疑が掛かっていれば『ベリアル』にとってランこそ最も怪しい人物だから拘束したい
探す目標そのものは同じだから行動を共にしなければならないけど、目的は違うから互いを疑い続ける。これまでとは一味違ったスパイ戦が展開されているね
ランから真実を聞き取り『鳳』の無念を晴らす為にはフェンドとのスパイ戦を勝ち抜かなければならない。その戦いの中で『鳳』から学んだスパイ技術が活きていると判る描写の数々は良いね
『鳳』と衝突した際には彼らの技術の高さに驚かされ、そして打ち負かされる部分が多かった。それは『鳳』の持っているスパイ技術が『灯』の持っていないものばかりだったからね
でも、戦いの後には互いを認めあった。それはライバルとしての意味合いが強かったのだけど、だからこそ『鳳』としては基礎が伴っていない『灯』を成長させなければという想いが強かったようで
そして、『鳳』が『灯』に授けた技術によって不利な状況を覆す不死鳥のような活躍を見せ始める後半部には本当に痺れてしまう
状況が反転していく契機として描かれたクラウスの「許すはずがないだろう」との発言は印象的だった。普段は何を考えているかよく判らない部分も多い優秀なスパイの彼。でも、その根底にあるのは家族愛なんだよね。かつて『焔』を失い『灯』を新たな家族と定め、そして『鳳』を優秀な後進者と感じていた。そんな彼だからこそ、『鳳』を無残に陥れた奴らを許さない
これは、この巻で表紙になっているジビアにも通じる感情なんだよね。暴力に塗れた世界で大切な家族を守り抜こうとしたジビアは今や『灯』を新たな家族と感じている。そしてジビアは似たようなものを『鳳』相手にも感じていただろうね
かつて失って、そしてもう誰にも奪わせないと思っていたのにまたしても奪われてしまった。だからこそ、奪った者の非道を許せないし復讐を要する。二人はその点で結びついている。それが最終的に『ベリアル』すら驚かせる最強のコンビネーションを生む源に成っていたのだろうね
そして、無事に復讐は完遂された……と思わせたエピローグで新たな疑惑と問題が幾つも噴出する構図は凄まじいね
フェンドでの出来事は『鳳』壊滅が中心かと思っていた。でも、それはもっと大きな問題の一端だったようで
『鳳』だけでなく『焔』壊滅にも関係しているかもしれないフェンドの闇。そして『灯』と『蛇』それぞれが用意していた必殺の策。現時点では『蛇』の方が優勢であるように見えるけれど、クラウスはこれ以上奪わせない為にどのような手を打っているのだろうか?そしてその中でスパイ少女たちはどのような活躍と成長を見せるのだろうか? -
Posted by ブクログ
第2巻でも引き続きキャラ紹介を兼ねたエピソードが展開されているね
注目してしまうのは、そのエピソードの中に原作第4巻以降に明かされた逸話が含まれていた点だろうか
もしかして、このコミカライズでは原作第1巻+αのエピソードしかやらないんだろうか?だから先のエピソードを先にやったのかな?
さておき、内容としてはそれぞれの少女たちの特技が明かされつつ、どうにかしてクラウスに土を付けようとする訓練が続くね
まあ、それらの訓練は通常の正面攻撃が一切効かないと判明しているから、変則的攻撃を通り越してコントのようになっているのだけど
色仕掛けをしたいからってみんなしてバニーガールやらメイドになるのは迷走しているなんてもんじゃないな(笑)
また、作中ではクラウスが所属していた『焔』がどのような存在だったか言及する貴重なシーンも有るね
原作小説でも『焔』は断片的にしか描かれていないからどのような存在かよく判らない部分も多いんだよね。それだけに、ギードに拾われたクラウスが『焔』を家族だと思う経緯を察するに充分過ぎる程の『焔』やクラウスの表情が描かれていたのは良かったな
クラウスの過去を知り、『焔』を継ぐと決めた少女たちへ遂に明かされる不可能任務の詳細
それはクラウスから任務に参加する資格を認められ、潜入準備が整ったということ
だというのに、個別エピソードが無い為に特徴がイマイチ見えてこないのがエルナとアネット
特にエルナは原作第1巻にて個別エピソードが存在していたのが、本コミカライズでは消失している点を考察すると、原作からコミカライズされる際に変更されたストーリーの根幹に関わる何らかの役目を担っているのではないかと思ってしまうな。けど、そこにアネットも関わってくるとなるとこの先の展開は読めない。原作既読にも関わらずついワクワクしてしまうね -
Posted by ブクログ
ネタバレアネットがなぜ過去の記憶を失ったのか、
なぜあんなにもいろんなものが作れるのか、
アネットの過去が明白になった
アネットのお母さんもスパイだったの⁉︎って思った
アネットが自国水準ではない機械を作れるのは
アネットのお母さんが敵国の研究者(?)だったから
今回も最後まで騙されてしまいました
アネットのお母さんが義理のお母さんだったこと
アネットや他のみんなを利用して国に帰ろうとしたこと
アネットを殺そうとしたこと
そして、アネットがとてつもなくすごい子だったこと
クラウスも言っていたことですが
『灯』にはちゃんと冷酷さを兼ね備えた少女がいました
相手が義理の母でその記憶をなくしていたとしても
普通の少女にあんな決断はできない
また1人の少女の秘密が知れたことが
すごく嬉しいです
次の巻ではどんなことが知れるんだろう
とっても楽しみです -
Posted by ブクログ
養成学校の落ちこぼれと世界最強のスパイで結成された
スパイチーム『灯』
これを聞くと、主人公達が最強のスパイの元で
成長していく話なんだろうなって予想できますよね。
もちろん成長はしていきますが
まずこれまでの話と違うのは最強スパイ「クラウス」の
教えるのがとっても下手なこと。
普通の人が頭で理解しないと出来ないことも
呼吸をするように感覚で出来てしまうため
上手に教えることが出来ないんです。
ー『あなたはすでに騙されている』ー
そう書いてあったので絶対に騙されない
って思ってたのに
まんまと騙されてしまいました。
やられたって思ったけど
すっごい面白かったです。
続きがすごい楽しみ!!
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Posted by ブクログ
その特殊な扱いから長いこと表立ったイラスト化があまりされてこなかったエレナが遂に表紙ですよ!
そして中身は多くの場面にて「不幸…」と呟く彼女の雰囲気に合わせるかのような展開に溢れた内容となっているね
これまでの物語が不可能任務とか国家の危機とか仲間や守りたい人の命が懸かっているとか重苦しい背景が有ったのに対して、今回『灯』が立ち向かうことになった難局は随分ラフなもの
けれど、そこにはクラウスと少女たちの絆が天秤に掛けられていて、更には成長が止まってしまった少女たちの底力向上も掛かっているとなっては本人達は気を抜くわけには行かない
少女たちは少女たちなりの苦悩と対面することになるわけだ
そういった意味では今回登場した『鳳』のメンバーは『灯』の弱さや劣等感を表面化させるに相応しい相手だったのかも
養成学校の成績優秀者で組まれたいわゆるトップ層。落ちこぼれとして運良くクラウスに拾われたような『灯』の少女たちにとってはあまりにも眩しい存在
一方でヴィンドの活躍を素直に称賛してしまうジビエ達の姿には違和感も覚えてしまう面が有ったんだよね
同じ国のスパイとはいえ、スパイである以上は全てを信じ預けあって仲良しこよしなんて出来るわけがない
だから、『鳳』が仕掛けたトラップは当然の結果であると共に、不調に陥ってしまった『灯』にとっては必要な試練となる
その中で必要とされた新しい技術が詐術ですか
『灯』の面々は一芸に秀でた者ばかりで時にそれは能力のように見えた。詐術はその能力を一段階引き上げるような要素
ただ、そんな技術があると知ってもすぐには自分の力と出来ないのは彼女ららしいのだけど(笑) 特に迷走しているエルナの姿はちょっと面白い
劣等感を懐きつつもサラは詐術を身につけるために奮闘した
なら、次は自分を否定してばかりのエルナの番。でも、エルナが自分だけの詐術を手に入れるにはその前に否定してばかりの自分の姿を改めて明確にし、その上で自分の強みを見い出さなければならない
その葛藤の中でヴィンドから突きつけられた真実、それを受けてのエルナの返しには驚かされたね。
自分の醜さも狡さも弱さも自覚していたエルナ。だからこそ、彼女は自分自身を否定していたわけだ
その状態では成績優秀者に勝てるわけがない
でも、その状態を知ってなお突き放すなんて事を絶対に選ばないのが『灯』の良い所なんだよね
エルナの自作自演も不幸癖も理解してなおエルナを受け入れるサラ、エルナの為にヴィンドに立ち向かったジビアとモニカの姿には感動すら覚えてしまうね
試合に負けて勝負に勝ったような形となった『灯』
『鳳』を前に彼女達が証明したのは成績の優秀さでは測れない独自の強さ。
これは『灯』がまた一歩成長できたということなのだろうね
一方で勝負に負けても圧倒的な優秀さを見せつけた『鳳』はこれから『灯』と両軸になって活躍していくのだろうと思っただけにエピローグには驚愕ですよ……
幾つものチームを壊滅させた単純だけれど凶悪な方法。一体誰が『蛇』の毒牙にかかってしまうというのか……