川崎草志のレビュー一覧

  • 弔い花 長い腕III

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    『長い腕』の完結編。読者みんなが気になっていたであろうことが決着した。
    ひとつ前の『呪い唄』もそうだけど、狭い閉ざされた田舎の雰囲気を出すために、たとえば「姫御」という特有の言葉を使ってみたり、寄講という慣習を登場させたり、あるいは登場人物同士の因縁が説明されたりするのが、いかにも後づけの感じがして気になった。
    1作目の執筆時には、続編を考えていなかったといえばそのとおりだけど、書かれていないのとも含めて世界観をつくり込めるかどうか、作家さんの力量が問われるひとつだと思う。
    設定や、ストーリー自体はおもしろかったし、3作目のラストシーンは好き←1作目から一気読みしてようやく気づいた。

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    2025年01月17日
  • 呪い唄 長い腕II

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    前作『長い腕』の続編。島汐路をメインとする現代パートに、勝麟太郎をメインとする江戸時代パートが挿入された構成で、閉鎖的な田舎の歪んだ呪いから、話が一気に広がった。
    ただ、前作のほうがおもしろかったような??? 江戸時代パートが入ったことで、肝心の現代の物語がぶつ切りにされ、読ませる勢いが鈍くなったような。呪い唄も説明的になってしまったような。細かい説明よりも、ぞっとする感覚、正体の見えない不気味さなど、雰囲気を楽しみたかった。
    とはいえ、その後が気になってついつい手にとってしまう。

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    2025年01月13日
  • 誘神

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    「疫神」のときと同様、パンデミックものと思い読み進めると、オカルトのような要素と混じり合う謎の展開に。
    んー。
    これは評価の分かれるところだと思う…

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    2024年06月27日
  • 呪い唄 長い腕II

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    三部作という本作、今作はミステリというよりもサスペンスが際立つ。だが、自分には今ひとつ何がしたかったかよく分からずに読み終えてしまったという印象が強い。主人公がどうも影が薄くて作者の都合のいいようにだけ動く設定にしか見えず、そこだけ残念。

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    2023年07月07日
  • 長い腕

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    コンピュータ・ゲーム制作会社に勤務する主人公は今手がけるプロジェクトを最後に退職する予定だった。
    退職が迫ったある日、会社で二人の女性が屋上から転落死。
    とあることから、故郷である四国の田舎町で発生した女子中学生による猟銃射殺事件との関連性に気づいた彼女は真相に迫る。

    ミステリーとしては甘いところも散見されますが、ストーリー自体は面白くスムーズに読めました。
    結末はかなりこじつけっぽく、終盤の主人公の元上司の行動が理解出来ないのが残念。

    このお話のテーマは”歪み”とのこと。

    いろんな意味での歪みが事件を引き起こす・・・って事なのね。

    前半はゲーム制作会社の内情がよくわかり興味深い。(ミ

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    2023年02月18日
  • 疫神

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    ハザード系ファンタジー?もしそういうジャンルがあるとしたら、『鹿の王』とかと同じカテゴリってことか。それよりは微妙に現実寄り。でもやっぱファンタジー。ちょっとした謎も楽しめました。

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    2022年09月10日
  • 長い腕

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    お初の作家さんです。
    川崎草志さんがゲーム会社に勤務されているようで、ゲーム制作やネットワークについて細く描かれています。
    物語の前半はゲーム制作現場が舞台なので、現代的な内容ですが、中盤で主人公が田舎に戻った辺りから、古めかしい村の因習だったり、人間関係だったりで、グッと横溝テイストが深まっていきます。
    面白かったのですが、主人公の汐路のキャラにハマれませんでした…。

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    2022年07月04日
  • 弔い花 長い腕III

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    2022.03.20

    石丸の正体が気になって、つい第三部まで読み進めてしまったけど、二部と比べて読みやすく、整理されていたと思う。
    けど前作まではあったスリルもまったくなく、スピード感も失速したままで、ただ惰性で読んでしまったという感じ。
    登場人物たちも、初期にはあった熱が無いというか、あっさりしすぎているような?
    最後まで読み終えてもいまいちピンとこず…。なんかスッキリしなかった。ふーんで終わってしまった。さすがに第三部までは長かった。二部で完結してて欲しかった。やーっと読み終わったー!という感じ。もはや義務。
    「長い腕」が結局一番面白く読めました。
    二部も三部もやはり付け足し感は否めない

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    2022年03月21日
  • 呪い唄 長い腕II

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    2022.03.19

    「長い腕」から10年以上経って上梓された本作は、前作のテンポ、スピード感ともに失速していてやや残念だった。
    登場人物が多く、混乱したし、結局最後はまた源田と石丸に持ってかれるのかよーとも。

    謎解き要素も多々あるものの、前作よりだいぶ弱く感じる。汐路のキャラも失速していた。200ページあたり汐路が東京に見舞いに行くあたりでやっと少し面白くなってきたかな…という感じで前半のもたつきが長くて読むのに時間がかかってしまった。ハラハラするシーンも、坑道に入ったところ数ページで物足りなかった。

    なんとか読み終えたけど「弔い花」も読むのはしんどいな…と思ってしまった。石丸が気にな

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    2022年03月20日
  • 長い腕

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    川崎草志 長い腕 
    読み終わりました。

    なかなか良かったです。
    手に入れたいきさつはミステリーベスト◯◯で知って入手。
    読んだのはかなり経ってから、しかも横溝正史を初めて読んでから4冊読んだ後でした。

    これは横溝正史ミステリ大賞受賞作でした。
    横溝正史の作風に近いと感じました。
    私の職歴をカスル内容もあり大変興味深く読みました。

    題名は他でもよかった気がしました。
    長い腕の怪人が襲ってくる話ではなかったよ。
    次回作気になります。

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    2022年03月31日
  • 署長・田中健一の幸運

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    またまた馬鹿馬鹿しくて大笑い。主人公のキャリアの署長・田中健一はプラモのことしか考えていない。うっかり漏らした言葉や行動を周りが勝手に解釈して、事件を解決してしまうのだ。女性刑事の三条が思い込みが激しくて、逆にそれが爽やかというかなんというか。署長の、警察庁に戻って暇な時間ができるプラモ作り放題という望みも、夢となって仕舞ったようだ。

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    2022年01月18日
  • 署長・田中健一の憂鬱

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    あのシリアスな「長い腕」の川崎草志がこんな小説を書いているとはね。30代半ばのキャリアの警察署長は本人もお飾りのはずだったが、好きなプラモデルのことを考えていて思わず独り言を言ったら、それを曲解した部下たちが難事件解決のヒントにして、あれよあれよと解決してしまう、なんとも馬鹿馬鹿しい短編集。ミステリーというより、コージーか。まあ、読む分には面白いよ。田中健一は連合艦隊の全艦完成させようとしているが、意外と知識的に抜けているところがおまぬけ。

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    2022年01月01日
  • 長い腕

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    ネタバレ

    なかなかスピード感があり読みやすくてスラスラよめた。
    展開の速さは好みだった。

    建築空間の歪みからくる精神異常も題材として面白い。

    ただ、他のレビューにもありましたが、人物像がうまく浮かばない。
    人物描写がちょっと足らないというか。

    いつもはこんな感じとイメージを抱ける人物像が今回はなかなか頭の中で定着できなかった。

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    2021年09月06日
  • 呪い唄 長い腕II

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    長い腕シリーズ二作目となる今作では、過去と現在、二つの時代を行き来しながら物語が展開されていく。敬次郎の罠が分からず、主人公とともに謎を追いかけながら読み進めることができた。それにしても、石丸が何を囁いたのか気になる…。

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    2021年08月07日
  • 長い腕

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    「歪み」が人に与える影響が恐ろしい。
    物語の導入部では、ゲーム業界の制作現場の様子が詳細に描かれていて、とても興味深かった。
    なぜ、石丸が汐路のためにあそこまでのことをしたのか。また、早瀬で起こる殺人事件の原因も全てが明らかになったわけではなく、続きが気になる。

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    2021年08月03日
  • 長い腕

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    面白い所と面白くないというか、無理がある所があったかなという印象。歪んだ家に住むと大変な事になるんだね。

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    2021年03月22日
  • 長い腕

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    前半、ゲーム業界や企業の内情などがあまりにも冗長で文庫本なのになかなか進まず。
    ちょっと辛い‥と思い始めた中盤から田舎の村へ帰省した辺りから面白くなる。
    前半がもう少しコンパクトだったら、良かったかな。

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    2020年08月27日
  • 署長・田中健一の幸運

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    署長がどうというよりは、思い込みの激しい人たちのせいで成り立つ連作もの。しかも事件のスケールが大きくて、真面目な勘違いの連鎖が面白かった。

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    2020年06月23日
  • 署長・田中健一の憂鬱

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    何かのアンソロジーでこの作家さん&シリーズを知った。勉強ができて出世コースに乗るものの、戦艦模型造りのことしか考えてない田中署長。独り言を勝手に勘違いされたり、偶然犯人と鉢合わせして手柄を挙げてしまうパターンの繰り返しがユルくて面白かった。

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    2020年03月21日
  • 長い腕

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    ゲームクリエイター島汐路の会社で他プロジェクトチームの二人が心中した。汐路の故郷愛媛の早瀬町では教師をしている従妹が受け持っている女生徒が猟銃で殺され加害生徒が行方不明。松山空港ではあるミュージシャンのファンの女の子たちが手すりから転落死数十名が死亡という事故が起きる。
    気になった汐路が調べてみると愛媛の早瀬では率にするとズバ抜けて殺人事件の発生率が高いのだ・・・。
    というとっかかりのお話。

    ゲーム制作会社の雰囲気や、のちに出てくる大工のお仕事など興味深いトピックはそこここに散りばめられているのだが、作中死亡するのが若い女の子ばかりである点などは言及されていない。そこに何か含みを持たせるつも

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    2019年12月01日