川崎草志のレビュー一覧
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『長い腕』の完結編。読者みんなが気になっていたであろうことが決着した。
ひとつ前の『呪い唄』もそうだけど、狭い閉ざされた田舎の雰囲気を出すために、たとえば「姫御」という特有の言葉を使ってみたり、寄講という慣習を登場させたり、あるいは登場人物同士の因縁が説明されたりするのが、いかにも後づけの感じがして気になった。
1作目の執筆時には、続編を考えていなかったといえばそのとおりだけど、書かれていないのとも含めて世界観をつくり込めるかどうか、作家さんの力量が問われるひとつだと思う。
設定や、ストーリー自体はおもしろかったし、3作目のラストシーンは好き←1作目から一気読みしてようやく気づいた。
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コンピュータ・ゲーム制作会社に勤務する主人公は今手がけるプロジェクトを最後に退職する予定だった。
退職が迫ったある日、会社で二人の女性が屋上から転落死。
とあることから、故郷である四国の田舎町で発生した女子中学生による猟銃射殺事件との関連性に気づいた彼女は真相に迫る。
ミステリーとしては甘いところも散見されますが、ストーリー自体は面白くスムーズに読めました。
結末はかなりこじつけっぽく、終盤の主人公の元上司の行動が理解出来ないのが残念。
このお話のテーマは”歪み”とのこと。
いろんな意味での歪みが事件を引き起こす・・・って事なのね。
前半はゲーム制作会社の内情がよくわかり興味深い。(ミ -
Posted by ブクログ
2022.03.20
石丸の正体が気になって、つい第三部まで読み進めてしまったけど、二部と比べて読みやすく、整理されていたと思う。
けど前作まではあったスリルもまったくなく、スピード感も失速したままで、ただ惰性で読んでしまったという感じ。
登場人物たちも、初期にはあった熱が無いというか、あっさりしすぎているような?
最後まで読み終えてもいまいちピンとこず…。なんかスッキリしなかった。ふーんで終わってしまった。さすがに第三部までは長かった。二部で完結してて欲しかった。やーっと読み終わったー!という感じ。もはや義務。
「長い腕」が結局一番面白く読めました。
二部も三部もやはり付け足し感は否めない -
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2022.03.19
「長い腕」から10年以上経って上梓された本作は、前作のテンポ、スピード感ともに失速していてやや残念だった。
登場人物が多く、混乱したし、結局最後はまた源田と石丸に持ってかれるのかよーとも。
謎解き要素も多々あるものの、前作よりだいぶ弱く感じる。汐路のキャラも失速していた。200ページあたり汐路が東京に見舞いに行くあたりでやっと少し面白くなってきたかな…という感じで前半のもたつきが長くて読むのに時間がかかってしまった。ハラハラするシーンも、坑道に入ったところ数ページで物足りなかった。
なんとか読み終えたけど「弔い花」も読むのはしんどいな…と思ってしまった。石丸が気にな -
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ゲームクリエイター島汐路の会社で他プロジェクトチームの二人が心中した。汐路の故郷愛媛の早瀬町では教師をしている従妹が受け持っている女生徒が猟銃で殺され加害生徒が行方不明。松山空港ではあるミュージシャンのファンの女の子たちが手すりから転落死数十名が死亡という事故が起きる。
気になった汐路が調べてみると愛媛の早瀬では率にするとズバ抜けて殺人事件の発生率が高いのだ・・・。
というとっかかりのお話。
ゲーム制作会社の雰囲気や、のちに出てくる大工のお仕事など興味深いトピックはそこここに散りばめられているのだが、作中死亡するのが若い女の子ばかりである点などは言及されていない。そこに何か含みを持たせるつも