佐藤卓己のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者自身認める通りタイトル詐欺感はぬぐいきれないが、歴史学をきっかけにしながらメディア史研究にのめりこんでいく様子を、著者自身が自著を紹介しながら語っていくスタイルの本で、個人的にとても良い読後感が得られた。(著者の本をよんだことがあり割と好きだというのもあるが・・・)。タイトル詐欺なので星4つです。
歴史学は「ここまでわかった」「これより先は分からない」と明言することが大事。ということから、歴史学の史料批判を情報リテラシーにつなげていく。歴史学に向かうものにひちようなのは不全感に堪えながら一歩づつ進もうという姿勢である。ランケ「それが本来如何にあったか」を追求する。そのなかでゼミナールという -
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Posted by ブクログ
隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に基づいて解説している。
瀬川さんの論稿は、自らの記者としての失敗経験をもとに、記者としてどのように専門家への取材に臨むべきか、専門家としてどのように記者からの取材に臨むべきかの提案を記載している。
その他たくさんの著者による論稿があるが、誰がどのような視点で稿を寄せているのかを、冒頭でまとめておい -
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Posted by ブクログ
現・京都大学大学院教育学研究科准教授(メディア史)の佐藤卓己による自らの研究遍歴紹介
【構成】
1.歴史学ゼミナールの誕生 -歴史学はどのように生まれたのか
2.接岸レンズを替えて見る -歴史学を学ぶ意味とは何か
3.歴史学の公共性 -歴史学は社会の役に立つのか
4.メディア史が抱え込む未来 -歴史学の未来はどうなるのか
5.歴史学を学ぶために何を読むべきか
『現代メディア史』『言論統制』『8月15日の神話』『輿論と世論』などのメディア史研究で知られる佐藤卓己が大学の学部時代から現在に至るまでの自らの研究遍歴を通して、歴史学のあり方を論じようとするものである。
著者は京都大学文学部西洋史