佐藤卓己のレビュー一覧

  • メディア論の名著30
    メディア論の端緒に触発され手にとって見ると、比較的近代に発した学問領域とはいえ名著たる学識は本著で紹介されているものだけでもこれほどの広がりを見せているのだと興味を深めた。

    再読。
  • 流言のメディア史
    久しぶりにメディア史関連の本を読んだ気がするが、随所で目からうろこが落ちる思いをし、非常に面白かった。「流言」という素材は、社会史やメディア史ではちょいちょい扱われているものであるが、そうした流言研究史をきちんと批判的に摂取し、新たな分析を加えている。

    構成は全9章プラス「はじめに」と「おわりにか...続きを読む
  • メディア論の名著30
    「現代メディア史」あたりから続けて「『キング』の時代」「天下無敵のメディア人間」と著者の本を楽しんできました。この新書は佐藤卓己がいかにしてメディア史研究の第一人者になったか?というそのパーソナルヒストリーでもあります。大澤真幸の「社会学史」の序文に「社会学の歴史はそれ自体が社会学になる。そこに社会...続きを読む
  • メディア論の名著30
    どれも読んでみたいと思わせる構成と文章である。
    既読はマクルーハンのみと言うお恥ずかしい状況だ。

    ・文化産業以上の『意識産業』
    ・偉大な内省的宗教はいずれもテクストをもっている。
    ・ホガート:労働者階級の実感的識別力
    ・『子どもはもういない』
    ・清水は流言蜚語を国家と国民の感情的結合、つまりナショ...続きを読む
  • メディア論の名著30
    すこぶる面白かった。
    通例、このシリーズでは、1作品につき3〜4ページが割かれる配分なのだが、この本では10ページ程度割かれている。
    なので、他のシリーズ本よりも大分になっている。
    著者の佐藤卓己先生は、研究者としても教育者としても優れているのであろう。
    単なる読書案内ではなく、先生なりの名著の読解...続きを読む
  • 歴史学
    メディア史の泰斗、佐藤氏が自身がいかにして歴史家になったかを振り返っている。
    教訓的なジャーナリズム史から実証的なマスコミュニケーション史、そして批判的歴史学のメディア史へ。未来への問いを含むメディア史は歴史学のフロンティアであり、そこに可能性を感じるとも。
    氏の研究遍歴が豊富なエピソードとともに語...続きを読む
  • 歴史学
    [ 内容 ]
    情報化、グローバル化が加速するメディア社会。
    公議輿論の足場として、歴史的教養の重要性はますます高まっている。
    しかし、こうした現実の課題に対して、「大きな物語」が失われたあと、これまでの歴史学は充分に応えてきただろうか。
    公共性の歴史学という視点から、理性的な討議を可能にする枠組みと...続きを読む
  • 流言のメディア史
    メディア流言を単に批判するのではなく、ニュースはそもそも曖昧なものであり、その中で思考を停止せずに、最善の行動を考えることがメディア・リテラシーとして重要、という最後に示されている考えは、新鮮で興味深いものでした。

  • メディア論の名著30
    メディア論について疎い私からすると、入門書にしてはやや難解に感じた。

    モッセの大衆の国民化やリップマンの世論など、知っているが読んでない本について、メディア論の観点から解説されており、新しい視点を得られた。

    特に、世論ー輿論の違いからの解説は、ハッとするものがあった。

    最後に読んだことのあるピ...続きを読む
  • 流言のメディア史
    メディアはどうあるべきか、「何をどのように伝えたのか」から考える。

    フェイクニュースは、SNSが発展したから生まれたのではない。SNSがすべての悪の権化ではない。とかく新しいもの=悪者にしたがる自分を反省した。史料の引用も多く、簡単には読み進められなかったが、筆者の言わんとするところは明確に説明さ...続きを読む
  • 流言のメディア史
    最近の流言のメディアまで扱っているので参考になる。特にヒットラーをめぐる日本での関連性の事件についてはいままで扱っている本がなかったのでめずらしい。
     惜しむらくはメディア・リテラシーとの関連とフェイクニュース対策の欠点などももっと書いてほしかった。
     さらに戦中のマスコミのフェイクの問題をもっと詳...続きを読む
  • 流言のメディア史
    学者、ってカンジ。たまに哲学入ってる。私にはレベル高すぎだが、ところどころ心に響いた。最後、ヒトラー神話はメディア流言(この言葉は正しくないと著者は言ってる)とは外れてないか?と思いつつ読んでいたら、突然、キレイに締めくくられた。我が闘争を禁書にしようとしたこともあるドイツ、現在では全文がウェブ上で...続きを読む
  • 現代メディア史 新版
    今のメディアは過去のメディアに準拠しつつ前に進む、という話を聞いたことがあります。例えば、ページじゃないのにホームページ、フォンを忘れてもスマホ(スマートフォン)、そして強引にテレビであろうとしているAbemaTV、等々。通信と放送が融合し、コンテンツとデータが結合し、AIが生活のすべてをメディア化...続きを読む
  • 歴史学
    著者自身認める通りタイトル詐欺感はぬぐいきれないが、歴史学をきっかけにしながらメディア史研究にのめりこんでいく様子を、著者自身が自著を紹介しながら語っていくスタイルの本で、個人的にとても良い読後感が得られた。(著者の本をよんだことがあり割と好きだというのもあるが・・・)。タイトル詐欺なので星4つです...続きを読む
  • ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学
    メディアの連続性が歴史学的検討で主張している。新聞学会や東大の新聞研究所が、戦前からの継続性があるということがはっきり書いてあるものは非常に少ないが、これからどんどん明らかになるであろう。
  • 「専門家」とは誰か
    専門家とジャーナリズムの比較等があった。討論ではなく大学の研究者がそれぞれの専門において専門家について述べたものである。
     学生にとってはあまり役に立つものではないような気がする。
  • 「専門家」とは誰か
    隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
    隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に...続きを読む
  • 叢書パルマコン01 大衆の強奪 全体主義政治宣伝の心理学
    解題や説明が長い本であるのは、それだけわかりづらいものである、ということが前提になっているからであろう。解題を先に読むとわかりやすい。
  • 流言のメディア史
    佐藤卓己氏の史実資料を基にしたメディアと流言の歴史。

    メディアと流言が切っても切れない関係にあったことが多くの事例を通して示されている。

    かなりマニアックな事例が多く理解するために一定の知識が必要になるだろう。



    やや揚げ足取りになるが、「パニック」に関する定義がないまま、いくつかの「パニッ...続きを読む
  • 流言のメディア史
    トランプが最初じゃないよね。という話。面白かった。まとめるのはやめておく。やると悪酔いしそうだから。