国谷裕子のレビュー一覧

  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

     NHKの「クローズアップ現代」で20年以上もキャスターとしての仕事をしてきた著者。本書には,話の流れ上自伝的な内容も出てきますが,「社会の見方考え方」を学ぶことのできる内容が満載です(私には…ですが)。
     国営放送という日本の中心的なマスコミの世界で,生中継の番組を続けてきたと言うだけで,もう,すごい人だと思います。その国谷さんが,様々なスタッフと一緒に番組を作るなかで,そして様々なゲストとインタビューするなかでどんなことを考え,何を大切にし,どんな失敗をし,そこから何を学んできたのか…一つ一つが重い言葉となって伝わってきます。

     日本が右傾化してきたと言われています。これは「左」が減って

    0
    2019年07月13日
  • スノーデン 監視大国 日本を語る

    Posted by ブクログ

    スノーデンのインタビューと国際的なセキュリティ問題を考えるセミナーの内容をまとめた新書です。メディアの権力監視の力が本当に弱まっている昨今、世界中の国々は本当にやりたい放題できる時代になりました。プライバシーはあってないようなものになり、そこに情報操作も浸食してきているので、まぁやばいですよね。

    諜報組織がGAFAのバグを見つけても、すぐに連絡せずに諜報活動に使い続けた挙句、敵国もそれをみつけてブーメランのように監視されてるとか、まぁそうだよねってことが多数あって面白いです

    0
    2019年01月13日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    積極的にテレビを見なくなって10年、もっぱら朝は「ラジオ」。
    朝からワイドショーやニュースを見てしまうと、ついつい映像に取り込まれて手が止まってしまうのが嫌だから。

    でも、ラジオなら耳から入ってくるし、言葉から情景を想像することができるので、自分で考える余地がある。でも、テレビは映像という圧倒的インパクトにより、想像力が欠落してしまう。

    これは「本」も同じ!映画やドラマは好きだけど、どうしても映像の力に頼ってしまう。でも、活字は自分の想像力(時には間違ってしまうこともあるけど)を養うこともできるから楽しい!

    NHK「クローズアップ現代」のキャスターを23年務めた著者も映像の力に頼るジャー

    0
    2018年04月04日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    日本で唯一アンカーと呼べる存在だと思います。番組がなくなった時には、またひとつNHKの良心が消失し、大衆に阿る度合が増し、受信料を払いたくなくなった、と思った記憶があります。
    著者の真摯な姿勢が著作にもあらわれてます。特に失った信頼の9章は良かった。
    また本筋ではないですが、最終回の柳田邦男氏の「危機的な日本の中で生きる若者たちに八か条」(原文)は感動しました。コピーを子供たちに渡そうと思いました。

    0
    2018年01月06日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    国谷キャスターの半生記。クローズアップ現代以前から以降まで。よく見る番組だったので面白く読んだ。

    1990年の国谷さんは,地上波を一年で降ろされて,挫折の後の衛星放送時代。やはり死ぬほど働いてた模様…。
    “睡眠時間が三時間という日もざらで、五時間寝たら今日は本当によく寝たと思える日々”p.42

    クロ現の仕事が長くなり「女性が活躍できる社会を」って風潮になって,自分の体験を苦々しく思い返すそうだ。
    “無我夢中で仕事をし、キャスターとして認められたかった私は、体の具合が悪く、熱があっても、吐き気を催しても決して休まなかった。バケツを席の下に置きながら放送したことも”p.43

    聞くべきことをき

    0
    2017年11月23日
  • 憲法という希望

    Posted by ブクログ

    ちょうど別方面からも「木村草太さん」を薦められ、初めて彼の本を読んだ。
    読みやすく、わかりやすく、おもしろい。
    最後に「本当のプロ(教授と言われる人達を指す)は、一般の人が理解できる言葉に直してこそプロだ」というようなことを書いてあって、その通りだと思った。
    片方から批判するのではなく、憲法を使っていかに理論を組み立てられるか。
    辺野古も、ぜひ木村理論で押してほしい。

    0
    2017年10月06日
  • ジハーディ・ジョンの生涯

    Posted by ブクログ

    「安倍よ、お前が勝つ見込みのない戦争に参加するという無謀な
    決断をしたために、この刃はケンジのみならず、いかなる場所に
    おいても、引き続き日本国民を殺すだろう。つまり日本の悪夢が
    始まるのだ」

    2015年に日本人ジャーナリスト後藤健二氏を殺害したことを告げ、
    インターネット上で公開されたイスラム国の動画の中で、黒装束
    の処刑人は日本へ宣戦布告をした。

    ジハーディ・ジョンと呼ばれた処刑人はこの動画を最後に公の場
    から姿を消し、2015年11月12日にアメリカ軍のドローン攻撃によっ
    て殺害された。

    アメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリーから日本人2人の
    殺害ま

    0
    2017年08月23日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    良書。
    23年間クローズアップ現代を担当されただけあって、素晴らしい内容。
    誰が相手でも動じず、客観的に的確に判断し、女性らしさもあり、素晴らしいキャスターの印象。
    だが、帰国子女のコンプレックス、経験不足から苦労されたことを知った。
    めぐり合わせ、チャンス、本人の努力・やる気が大事なのかと思った。

    0
    2017年07月15日
  • ジハーディ・ジョンの生涯

    Posted by ブクログ

    ジハーディ・ジョンの生涯というより,誰でもがジハーディになりえたかもしれない脅威.不寛容,対応のまずさ,追い詰めることからのますますの過激化.世界を震撼させるテロの前に,悪循環の悪夢ばかりが思い浮かぶ.何とかならないものだろうか.非常に考えさせられる本である.

    0
    2017年05月13日
  • 憲法という希望

    Posted by ブクログ

    p.23-p.26
    憲法とは「過去に国家がしでかしてきた失敗のリスト」
    「国家権力の三大失敗は、『無謀な戦争』『人権侵害』『権力の独裁』」
    「こうした三大失敗を踏まえて、無謀な戦争をしないように軍事力をコントロールしよう、人権侵害を防ぐために大事な権利をあらかじめ示しておこう、独裁にならないように権力を分立したら民主的にコントロールしよう、というルールを憲法に書き込んだのが、立憲主義の憲法」
    「ですから、立憲的な意味の憲法では、軍事統制、人権保障、権力分立が三つの柱」

    国家批判は抽象論ではなく、具体的に。
    夫婦別姓の問題は「男女差別」ではなく「法律婚と事実婚の差別」として戦う。
    辺野古基地移

    0
    2017年05月09日
  • 憲法という希望

    Posted by ブクログ

    111頁『憲法について考えると、権利者への恐ろしさがわいてきます。例えば、辺野古基地問題を突き詰めていくと、「安全保障に関することは、すべて内閣が勝手に決めていいのだ」との思想に向き合わなければならなくなります。』といったように、日頃のニュースでもやもやっと感じることがあったとき、憲法について理解があれば、自分の考え方を整理できると思いました。

    0
    2017年05月02日
  • ジハーディ・ジョンの生涯

    Posted by ブクログ

    どのようにして普通のイギリス人がイスラム国の処刑人になっていくのか.ジハーディー・ジョンことモハメド・エムワジに英国保安当局の嫌がらせ受けていると相談を持ちかけられたことのある著者が豊富な情報を元に説明する.

    0
    2017年04月14日
  • 憲法という希望

    Posted by ブクログ

    著者の講演をもとにした本で、前半は夫婦別姓と辺野古基地移転という具体的な問題を取り上げて「憲法を使いこなす」方法が語られています。

    憲法の解釈においては、他の場合よりも概念法学の弊に陥ることを避けなければならないと思いますが、生きた憲法の運用の実例を教えてもらえるという意味で、本書の議論は啓発的だと思います。

    後半は、NHKの『クローズアップ現代』の司会を務める国谷裕子との対談で、前半の内容についてより広い問題意識から考えなおすきっかけを与えてくれるように感じられました。

    0
    2017年01月29日
  • ジハーディ・ジョンの生涯

    Posted by ブクログ

    敵国の人間を斬首するというショッキングな映像を見せられてからイスラム国の戦士はどのような経緯を経てこんな残酷なことができるのだろうと思っていた。
    結局彼は,テロを防ぎ、国を守るためのイギリス当局の執拗な干渉に自由を奪われ、結婚も邪魔され、新天地への移住もできなかった。そうした処遇も手伝ってイギリスを憎みイスラム過激思想にのめり込んだのだろう。
    そんなイスラムの戦士の中でも他の戦闘員にない寡黙さを持ち、失うものが何もないようだったという記述に、人間としての尊厳を奪われ、失意のどん底から立ち直らないままいびつな性格、人間性を固定していったのではないだろうか。、
     だが、しかしそれでもあの残酷なシー

    0
    2016年09月29日
  • スノーデン 監視大国 日本を語る

    Posted by ブクログ

    まぁネットに繋がっている以上、自分の情報が誰かに見られていると思った方がいいよね。ただしそれは悪用されない前提に限るけど。
    個人的にはテロの予防として全体監視はすべきと思うけど、テロ班の不審な通信などの本当に必要な情報はどこまで取れているか、その辺どうなんだろうと思ったのが本音。

    0
    2025年06月14日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    私には難しく読むのに時間を要した。公平、公正、フェアな報道番組を作ろうとしていた人がいるんだなと思った。逆風が吹いても、しなやかに風に吹かれ、攻撃的にならずに聞くべきことは誰にも聞く。これからも、こんなテレビ番組なら観たいと思う。

    0
    2024年01月11日
  • クローズアップ藝大

    Posted by ブクログ

    タイトルが秀逸。「はじめに」で紹介されている二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』のように突飛な人が登場するわけではなく(あちらはあちらですごく面白かったけれど)、芸術に真摯に向き合っている人たちと国やさんの真面目なコラボレーション作品。江口玲さんの「世界に唯一人しかいない自分がどう表現するか」と、高木綾子さんの「『この人の演奏を聞きたい』と言われたい」という章タイトルにぐっと来た。

    0
    2022年07月10日
  • クローズアップ藝大

    Posted by ブクログ

    今の東京藝大を代表する12人の教員たちの芸術や藝大について考えていることを国谷裕子がインタビューで、少しづつ掘り下げていく。理事として、教員のことは知らなければならないとは思うが、インタビューするにはそのために、しっかりと下調べも必要だろう。大変だとは思うが、12人それぞれのスタイルから人となりまで、ある程度しっかりと伝えられており、東京藝大がこれからも、日本の芸術のきちんとした発信地であることがよくわかる。

    0
    2022年04月04日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    期待していた内容とは違った。
    キャスターという仕事や、「クローズアップ現代」という番組に、それこそクローズアップ現代的な切り込み方をしてくれるのかと期待していたのだが、そのような内容もないわけではないけれども、ほとんど国谷さんの個人的な回顧・感想で埋め尽くされていて、自画自賛かなと思ってしまった。
    特に第9章の「失った信頼」は分析が弱かったし、あとがきの中でも、SNSに懐疑的な記述がみられたが、SNSの普及の一要因に一般の人々の既存メディアへの不信があると言われているにもかかわらず、そのことに関する言及はなかった。国谷さんも所詮オールドメディアの人なのかとちょっとがっかりしてしまった。

    0
    2021年07月29日
  • キャスターという仕事

    Posted by ブクログ

    切り口が面白いクローズアップ現代のキャスター
    番組を面白くしているのは編成もさることながら、徹底した掘り下げと、ネガティブなキャスターの視点だと言う。
    それが視聴者のwant を引き出しているのだとある。
    番組作りの過程やキャスター個人の成長を読んでいると、生き生きして仕事しておりとても羨ましい。
    成功する人は真剣だ。手を抜いてる所がないか?自問して仕事に向かっていると感じた。
    しかし筆者のネガティブが強調され過ぎて、明るい所が見当たらなかった。23年もするのだから立派だが、なんか暗い

    0
    2019年07月09日