国谷裕子のレビュー一覧
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スノーデンさんの告発の内容に似た近い話は、少しずついろいろな人達がいろいろなところで発言はしていたことが多かったはずですが、まとめて公になったことは画期的なこと。
日本の首相まで監視されているとか、公人でも個人でも、権威ある人たちのことでも、監視しようと思えば監視されてしまい、プライバシーや人権や尊厳なんか関係がなく、知ろうと思えば知られてしまう日本人。
スノーデンさんが告発をしてくれたから多くの人たちも知ることができた。
刊行にあたって エドワード・スノーデンからのメッセージ
第一章 米国国家安全保障局による大量監視の実態と日本
エドワード・スノーデン 国谷裕子
第二章 9・11以降の監視強化の動きとACLUの戦い
スティーブン・シャピロ
第三章 日本の監視の現状
出口かおり
第四章 大量監視とプライバシー保護のための仕組み
ジョセフ・ケナタッチ
第五章 デジタル時代の監視とプライバシー
ジョセフ・ケナタッチ スティーブン・シャピロ 井桁大介 出口かおり
あとがき 浮かび上がった情報格差の深い溝
国谷裕子
付録1 スティーブン氏のメッセージ原文
付録2 ジョセフ・ケナタッチ氏の監視システムに対する保護措置に関するスライド資料 -
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国谷裕子が東京藝術大学で「藝大」を学びながら、「教育」と「アート」と「社会」を考える。
あのクローズアップ現代のキャスター降板後、国谷裕子さんは東京藝術大学理事を務めているという。本書は藝大の教員との対談を通じて、芸術とは何か、社会とのつながり等を考える試み。
あのベストセラーに「秘境」と評された芸大について、焦点を合わせ正にクローズアップする。大学のHPの企画が発展した本。
各教員の芸術に足を踏み入れるきっかけ、恩師との出会いなど。さすが取材のに長けている筆者ならでは。
コロナ禍や不況でメセナ活動ほか芸術に対する風当たりは強い。そんな中だからこその芸術、アートの大切さを教えてくれる有意義な対談でした。 -
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中盤はだるくなって飛ばし読みしちゃったけど、どうして平凡な幸せを手に入れたいだけだったはずの人たちが、殺人に手を染め、他者を拷問するほどに先鋭化してしまうのかが怖くなる本だった。
日本でも、団塊の世代の学生運動で人を焼き殺したり、仲間内で殺し合ったのも似たような心理状態だったのかな?
渋谷暴動事件も浅間山荘事件も理解できない。なぜあんな蛮行を?
当事者たちはイデオロギーがどうのこうのと言い募るかもしれないけれど、ただ単にサイコパスだったか、人間関係を含む異常な環境から抜け出せず人間性を見失ってしまったかという話なんじゃないのかな。
単なるサイコパスはそれほど多くはないはずだから、つまり異常な環境下で不安定な足場に立つ自分を見つけたら、その自分は案外簡単に他者を拷問したり殺したりしてしまうかもしれないと想像できてしまうのが恐ろしい。
少なくともロバート・バーカイクによるジハーディ・ジョンの物語からは、あるグループを排除するというやり方では、問題を解決できないどころか、新たな無数の問題を作り続けるはめになるとわかる。
ジハーディ・ジョンのしたことは、彼が過去に受けた不平等や差別的取扱いをもってしても許される余地のない恐ろしい
蛮行だ。同じ環境でもテロリストになんかならない人のほうが多いはずでしょ。
でも、イギリスの社会がもっと公正な場所だったなら、ジハーディ・ジョンのような短絡的なアホでも、誰も殺すことなく普通のロンドン市民として、今も生活していたかもしれない。
差別や排斥の問題は根深くて難しい。差別を受ける当事者が加害者になると、更に複雑になる。その恐ろしいまでの複雑さが現実だ。
読み飛ばしたとか最初に書いておいてこんなことを書くのもなんだけれど、現代を生きていて、この世の中がどうなっているのか考え続けたい人なら、この本は読む価値があると思う。
私はラストの章で登場したDr Jonathan Leader Maynardの記事か本か論文を読みたい。日本語訳が無さそう…ネットを見れば、多分英語で書かれた何かしらを見つけられるでしょう。がんばろう。 -
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NHK「クローズアップ現代」のキャスターを1993年の初回から2016年まで23年にわたり務め終えてまもない頃の国谷さんの著書。彼女が出てる番組を何度かは見たことがあるけれど、一方で絶賛する人がわりと身近にもいながら番組の進行役としてしか認識していなかった自分。
ところが、この本を読むと彼女が23年もの間、真摯に伝えることをまっとうしようと番組に向き合ってきたことがわかる。この本では「キャスター」といっているけど、彼女自身が本書中で紹介しているように、米国ではこういう立場の人は、メディアの情報を視聴者に渡す最後の走者という意味で「アンカー」という。彼女はその責任を十分に認識しながらアンカーを務めていたんだなあ。
「クローズアップ現代」が23年も続いていたんだということも、数えればわかることながらもっと短い印象だった。そしてこの23年を振り返る本書の終盤を読んで、日本が世界が経済の停滞とか安全保障の均衡とかいろんな意味であんまりよくない方向に向かいつつある感じを強くもった。漠然とした印象では、世界はだんだんよくなっているものと(このコロナ下の2年くらいを除いては)思っていたんだけどそうではないのか。
国谷さんの人物像にしろ、日本経済や世界情勢にしろ、漠然とした印象だけで物事をとらえてるのっていかん、いかん。 -
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書店でタイトルを見て、思わず手が伸びました。NHKのドキュメンタリー番組で『クローズアップ現代』のキャスターとして長らくご活躍された国谷裕子さんの著書です。この番組は大好きで、よく見ていました。番組は今も続いていますが、国谷さんが作り出したスタイルは、踏襲されているようです。
著者プロフィールを見ると、1993年〜2016年の間『クローズアップ現代』のキャスターを務め、今は東京藝術大学の理事になられているそうです。そんな縁があって、本書ができたんですね。
芸術と社会との接点を模索している現場の姿を見せていただける書籍になっています。芸術にも様々な形があり、初めて知るものもありました。金属を加工して生み出される芸術作品は、解説を聞かないとなんのことやらわからないと思いました。こんな世界もあるとの学びになりました。また、社会課題を芸術を通して表現していたりした事例も紹介され、とても興味深いものがあります。その道を極め続ける人たちの声を届けてくれます。 -
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そんなにずっと見ていたわけではないが、私はNHKの「クローズアップ現代」という番組が大好きだった。
時事ネタもあれば、必ずしもそうでないものもある。
基本的には固い内容が多かったようにも思うが、時々スポーツや柔らかいテーマの時もあった。
この番組は23年続いていて、その期間はほぼ私が働き始めてからの期間と重なるのでいろいろな見方もしていた。
一時期は「クローズアップ現代」を文字起こしするという人がおられてそのメールマガジンを購読していたこともある。
この本は、その「クローズアップ現代」のキャスターを務めてこられた国谷裕子さんのキャスターとしての自叙伝のような形になっている。
キャスターとしての自覚を持つに至るまで、そしてキャスターの自負を持って取り組んできた時代、そして番組から降板するに至った時までの記録でもある。
一番印象に残っているのは、「クローズアップ現代」の番組の作り方である。
いろいろな部署が取材等で持ち寄ったものを素材に関係者が全員集まって試写が行われる。
見ているとこれがこの番組の肝だったようだ。
その試写は前日に行われるものと当日に行われるもの。
これが戦いの場であり、いいものを作り上げようとする生産の場でもある。
これがあったから、30分に満たない時間で濃厚な内容を楽しむことができたのだ。
本当に感謝したい。
また、インタビューにおいてフェアであることを信条としてきたとある。
ここのところ日本には明らかな「同調圧力」なるものが存在している。
その中でもNHKとして聞かなければならないこと、触れなければならないことに触れた米国大使とのインタビューは圧巻である。
報道する側としておかしなことは権力側に対して聞かなければならない。
何と言われようと。
最後にSDGsの話が少し出てくる。
今自分の周りではようやく用語として登場するようになってきたSDGs。
その「誰一人取り残さない」という考え方をこの番組は2015年に取り上げている。
何という早さだろうか、いやこちらが遅いだけなのだろうか。
現在も「クローズアップ現代+」という番組は続いているが、NHKのアナウンサーが担当しているのと国谷さんが担当しているのではやはり掘り下げ方に違いがあるように思う。
とはいえ、その番組の精神は受け継がれているはずでもう一度見てみようかという気にさせてくれた、そのくらい影響力のある一冊である。 -
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「憲法の本」というと,硬いんじゃないかというイメージが先行するのだが,本書は,その先入観を気持ちよく砕いてくれて,とてもスイスイと読むことのができた。
社会に息苦しさが蔓延しているとすれば,それは国家が何らかの失敗をしているということであり,その解決の道筋は憲法に示されている可能性が高い。今こそ,憲法に託された先人たちの知恵に学ぶべきだろう。(はじめに)
法律が、過去のさまざまなトラブルの経験から成り立っているように,憲法も悲惨な人間の失敗からできている。だからこそ,もし,いま変な息苦しさが社会に蔓延していると感じるのなら,それは,どっかでまた以前と同じ失敗をしようとしているのかも知れないのだと,木村はいう。
本当にそうだと思う。
本文では,立憲主義の基本的な考え方を説明すると共に,夫婦別姓や辺野古基地問題などの具体例を挙げながら,法律とはどのように扱うべきなのか…ということを分かりやすく説明してくれている。読めば読むほど,法律や憲法が身近に感じてくるから不思議な体験ができる本だ。
巻末には,クローズアップ現代の国谷裕子氏との対談も収録されていて,さすがに国谷さん,木村さんの専門知識をわかりやすい形で引き出してくれている。これは,本人(木村氏)もそういっている。
著者は,あとがきで本書の題名を『憲法という希望』としたことについて,次のように述べている。
だれかを責め立てるようなものではなく,憲法の魅力を伝えられるようなもの,社会をより良くしていくための積極的な提案を示せるものにしようということになった。(P174)
安倍政権が憲法をないがしろにしてきたことへの警鐘・批判はあったが,「憲法ってなかなかいいじゃん」と思える内容だったし,もっと憲法について書かれた本を読んでみたいと思った。巻末には,読書指南もついていて至れり尽くせりだ。
そういう意味でも,本書は,これから憲法について考えてみたいと言う人にとっては,いい入門書になっていると思う。
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国民の不断の努力によって,これを保持しなければならない。
憲法を守ると言うことは,そういうことなんだなあ。
そうそう,最高裁の「白黒の判断を留保するという姿勢」についての見方も,斬新だった。「最高裁が重要な憲法判断については、法的判断を下さないという態度をとるのは,もっと国民間で議論を深めていってねということではないか」ということらしい。確かに,もしも「白」と言われてしまったら,急に考えることをやめてしまいそうだ。「自衛隊は合憲!」と言われてしまったことを考えると,その後の展開はとても怖い。 -
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NHKクローズアップ現代のキャスターであった国谷裕子氏が23年に渡る番組を振り返りつつ、キャスターという職業への矜持を述べる1冊。著者が地に足のついた国谷氏、しかも出版が岩波新書という組み合わせ。内容は期待を裏切りません。
原稿を忠実に正確に伝えるのがアナウンサー、伝える言葉を自ら探し出すのがキャスターという明確な区別から始まり、キャスターとして守り続けた事を番組制作の裏側を紹介しつつ述べています。平日に毎日4日間連続で放映された「クローズアップ現代」の舞台裏は非常に興味深い描写でした。
国谷氏が述べるキャスターの仕事とは1.視聴者と取材者との橋渡し、2.自分の言葉で語ること(自分の主観を表現するのではない)、3.新しい価値観を持った事象に的確な言葉を探すこと、4.インタビューの4つです。それぞれへのこだわりが明確に理路整然と述べられています。
「人気の高い人物に対して批判的に切り込んだインタビューをすると想像以上の反発があるが、それでも訊くべき事は聞かなければならい」、「安易に視聴者の感情に寄り添うばかりに問題の複雑さを切り捨て、”分かり易さ”ばかりを追い求めていないか」等々、示唆に富む文章が満載です。
民放が芸能人ゲストを集めてクイズ形式みたいなニュース解説番組を放映し続ける昨今、改めて報道番組とはどうあるべきかというテーマについて正面から切り込んでいるのが非常に好感を持てました。