国谷裕子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
スノーデンさんの告発の内容に似た近い話は、少しずついろいろな人達がいろいろなところで発言はしていたことが多かったはずですが、まとめて公になったことは画期的なこと。
日本の首相まで監視されているとか、公人でも個人でも、権威ある人たちのことでも、監視しようと思えば監視されてしまい、プライバシーや人権や尊厳なんか関係がなく、知ろうと思えば知られてしまう日本人。
スノーデンさんが告発をしてくれたから多くの人たちも知ることができた。
刊行にあたって エドワード・スノーデンからのメッセージ
第一章 米国国家安全保障局による大量監視の実態と日本
エドワード・スノーデン 国谷裕子
第二章 9・11以降の監視 -
Posted by ブクログ
国谷裕子が東京藝術大学で「藝大」を学びながら、「教育」と「アート」と「社会」を考える。
あのクローズアップ現代のキャスター降板後、国谷裕子さんは東京藝術大学理事を務めているという。本書は藝大の教員との対談を通じて、芸術とは何か、社会とのつながり等を考える試み。
あのベストセラーに「秘境」と評された芸大について、焦点を合わせ正にクローズアップする。大学のHPの企画が発展した本。
各教員の芸術に足を踏み入れるきっかけ、恩師との出会いなど。さすが取材のに長けている筆者ならでは。
コロナ禍や不況でメセナ活動ほか芸術に対する風当たりは強い。そんな中だからこその芸術、アートの大切さを教えてくれる有 -
Posted by ブクログ
中盤はだるくなって飛ばし読みしちゃったけど、どうして平凡な幸せを手に入れたいだけだったはずの人たちが、殺人に手を染め、他者を拷問するほどに先鋭化してしまうのかが怖くなる本だった。
日本でも、団塊の世代の学生運動で人を焼き殺したり、仲間内で殺し合ったのも似たような心理状態だったのかな?
渋谷暴動事件も浅間山荘事件も理解できない。なぜあんな蛮行を?
当事者たちはイデオロギーがどうのこうのと言い募るかもしれないけれど、ただ単にサイコパスだったか、人間関係を含む異常な環境から抜け出せず人間性を見失ってしまったかという話なんじゃないのかな。
単なるサイコパスはそれほど多くはないはずだから、つまり異 -
Posted by ブクログ
NHK「クローズアップ現代」のキャスターを1993年の初回から2016年まで23年にわたり務め終えてまもない頃の国谷さんの著書。彼女が出てる番組を何度かは見たことがあるけれど、一方で絶賛する人がわりと身近にもいながら番組の進行役としてしか認識していなかった自分。
ところが、この本を読むと彼女が23年もの間、真摯に伝えることをまっとうしようと番組に向き合ってきたことがわかる。この本では「キャスター」といっているけど、彼女自身が本書中で紹介しているように、米国ではこういう立場の人は、メディアの情報を視聴者に渡す最後の走者という意味で「アンカー」という。彼女はその責任を十分に認識しながらアンカーを務 -
Posted by ブクログ
書店でタイトルを見て、思わず手が伸びました。NHKのドキュメンタリー番組で『クローズアップ現代』のキャスターとして長らくご活躍された国谷裕子さんの著書です。この番組は大好きで、よく見ていました。番組は今も続いていますが、国谷さんが作り出したスタイルは、踏襲されているようです。
著者プロフィールを見ると、1993年〜2016年の間『クローズアップ現代』のキャスターを務め、今は東京藝術大学の理事になられているそうです。そんな縁があって、本書ができたんですね。
芸術と社会との接点を模索している現場の姿を見せていただける書籍になっています。芸術にも様々な形があり、初めて知るものもありました。金属を加工 -
Posted by ブクログ
そんなにずっと見ていたわけではないが、私はNHKの「クローズアップ現代」という番組が大好きだった。
時事ネタもあれば、必ずしもそうでないものもある。
基本的には固い内容が多かったようにも思うが、時々スポーツや柔らかいテーマの時もあった。
この番組は23年続いていて、その期間はほぼ私が働き始めてからの期間と重なるのでいろいろな見方もしていた。
一時期は「クローズアップ現代」を文字起こしするという人がおられてそのメールマガジンを購読していたこともある。
この本は、その「クローズアップ現代」のキャスターを務めてこられた国谷裕子さんのキャスターとしての自叙伝のような形になっている。
キャスターとし -
Posted by ブクログ
「憲法の本」というと,硬いんじゃないかというイメージが先行するのだが,本書は,その先入観を気持ちよく砕いてくれて,とてもスイスイと読むことのができた。
社会に息苦しさが蔓延しているとすれば,それは国家が何らかの失敗をしているということであり,その解決の道筋は憲法に示されている可能性が高い。今こそ,憲法に託された先人たちの知恵に学ぶべきだろう。(はじめに)
法律が、過去のさまざまなトラブルの経験から成り立っているように,憲法も悲惨な人間の失敗からできている。だからこそ,もし,いま変な息苦しさが社会に蔓延していると感じるのなら,それは,どっかでまた以前と同じ失敗をしようとしているのかも知れ -
Posted by ブクログ
NHKクローズアップ現代のキャスターであった国谷裕子氏が23年に渡る番組を振り返りつつ、キャスターという職業への矜持を述べる1冊。著者が地に足のついた国谷氏、しかも出版が岩波新書という組み合わせ。内容は期待を裏切りません。
原稿を忠実に正確に伝えるのがアナウンサー、伝える言葉を自ら探し出すのがキャスターという明確な区別から始まり、キャスターとして守り続けた事を番組制作の裏側を紹介しつつ述べています。平日に毎日4日間連続で放映された「クローズアップ現代」の舞台裏は非常に興味深い描写でした。
国谷氏が述べるキャスターの仕事とは1.視聴者と取材者との橋渡し、2.自分の言葉で語ること(自分の主観を表現 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ実家に住んでいた頃は、
よく見ていた番組、「クローズアップ現代」。
キャスターの国谷さん、カッコいい女性だなあと思っていました。
本書を読んで、相当な覚悟で挑んでいた番組だったことがよく分かりました。
私事ですが、
ちょうどこちらを読んだ時期、
この先、無謀と思われる大きな仕事が待ち受けています。
ときどき、
「引き受けなければよかったなあ」と不安に思う時があり、そんな最中に、本書を読みました。
勇気づけられました。
「真正面から取り組み覚悟」
「ひたむきに」
「全身で」
「真剣勝負」
このような言葉が、私のプレッシャーを心地よいチャレンジ精神に変化させてくれました。