【感想・ネタバレ】キャスターという仕事のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年09月03日

政権にぶっこみ過ぎたことでクローズアップ現代のキャスター降板となったと巷では言われている国谷さんが、テレビの仕事に携わり始めてから、クローズアップ現代のキャスターとして番組が終わるまでを振り返った本。
結局、現政権にだけ批判的だったというわけではなく、聞くべきことを聞くという彼女のスタンスを貫いたっ...続きを読むていうことだけだよな。忖度せずに。
「聞く」と「聴く」のスタンスは、キャスターだけでなく、我々も人の話をきく際には意識するべき点だと思った。

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Posted by ブクログ 2021年12月28日

世の第一線で放送された番組の制作者のひとり、キャスターとして見て捉えた世界を知れる本。

また、国谷裕子さんの職業半生を自伝的に知れたこともとても印象的だった。たまに番組を見ていた当時はまったくそう思わなかったが、国谷さんが帰国子女であり日本語にコンプレックスを抱えてキャリアをスタートさせていたとい...続きを読むうのはとても意外で、人に歴史ありだなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年12月12日

NHK「クローズアップ現代」のキャスターを1993年の初回から2016年まで23年にわたり務め終えてまもない頃の国谷さんの著書。彼女が出てる番組を何度かは見たことがあるけれど、一方で絶賛する人がわりと身近にもいながら番組の進行役としてしか認識していなかった自分。
ところが、この本を読むと彼女が23年...続きを読むもの間、真摯に伝えることをまっとうしようと番組に向き合ってきたことがわかる。この本では「キャスター」といっているけど、彼女自身が本書中で紹介しているように、米国ではこういう立場の人は、メディアの情報を視聴者に渡す最後の走者という意味で「アンカー」という。彼女はその責任を十分に認識しながらアンカーを務めていたんだなあ。
「クローズアップ現代」が23年も続いていたんだということも、数えればわかることながらもっと短い印象だった。そしてこの23年を振り返る本書の終盤を読んで、日本が世界が経済の停滞とか安全保障の均衡とかいろんな意味であんまりよくない方向に向かいつつある感じを強くもった。漠然とした印象では、世界はだんだんよくなっているものと(このコロナ下の2年くらいを除いては)思っていたんだけどそうではないのか。
国谷さんの人物像にしろ、日本経済や世界情勢にしろ、漠然とした印象だけで物事をとらえてるのっていかん、いかん。

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Posted by ブクログ 2021年08月23日

毎日幅広いテーマに自分の言葉で切り込むクローズアップ現代が好きだった。気になるテーマの深層も、知らなかった国内外の問題も、日常生活では見過ごしてしまいそうなニュースを伝え、知識の窓を広げてくれた。
その番組の製作過程や、よく知らなかった国谷氏自身の経歴など、番組ファンとして十分に楽しめた。
ニュース...続きを読むもネットのおすすめ順、フィルターバブルの中で満足しかけていた自分への警告になった。
一方で、国谷氏が言葉をどれだけ大切にしていたか、文章の端々に表れており、深く共感した。

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Posted by ブクログ 2019年09月10日

そんなにずっと見ていたわけではないが、私はNHKの「クローズアップ現代」という番組が大好きだった。
時事ネタもあれば、必ずしもそうでないものもある。
基本的には固い内容が多かったようにも思うが、時々スポーツや柔らかいテーマの時もあった。

この番組は23年続いていて、その期間はほぼ私が働き始めてから...続きを読むの期間と重なるのでいろいろな見方もしていた。
一時期は「クローズアップ現代」を文字起こしするという人がおられてそのメールマガジンを購読していたこともある。

この本は、その「クローズアップ現代」のキャスターを務めてこられた国谷裕子さんのキャスターとしての自叙伝のような形になっている。
キャスターとしての自覚を持つに至るまで、そしてキャスターの自負を持って取り組んできた時代、そして番組から降板するに至った時までの記録でもある。

一番印象に残っているのは、「クローズアップ現代」の番組の作り方である。
いろいろな部署が取材等で持ち寄ったものを素材に関係者が全員集まって試写が行われる。
見ているとこれがこの番組の肝だったようだ。
その試写は前日に行われるものと当日に行われるもの。

これが戦いの場であり、いいものを作り上げようとする生産の場でもある。
これがあったから、30分に満たない時間で濃厚な内容を楽しむことができたのだ。
本当に感謝したい。

また、インタビューにおいてフェアであることを信条としてきたとある。
ここのところ日本には明らかな「同調圧力」なるものが存在している。
その中でもNHKとして聞かなければならないこと、触れなければならないことに触れた米国大使とのインタビューは圧巻である。
報道する側としておかしなことは権力側に対して聞かなければならない。
何と言われようと。

最後にSDGsの話が少し出てくる。
今自分の周りではようやく用語として登場するようになってきたSDGs。
その「誰一人取り残さない」という考え方をこの番組は2015年に取り上げている。
何という早さだろうか、いやこちらが遅いだけなのだろうか。

現在も「クローズアップ現代+」という番組は続いているが、NHKのアナウンサーが担当しているのと国谷さんが担当しているのではやはり掘り下げ方に違いがあるように思う。
とはいえ、その番組の精神は受け継がれているはずでもう一度見てみようかという気にさせてくれた、そのくらい影響力のある一冊である。

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Posted by ブクログ 2019年06月05日

国谷さんのクローズアップ現代、すごく好きだった。視聴者目線を徹底してたんだね。
もがいてキャスターになっていった過程も、初めて知った。
インタビューという言葉の力で、真実を浮かび上がらせようとしたっていうテッド・コペルの番組、見たいな。

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Posted by ブクログ 2019年05月04日

2年ほど積ん読にしていたものを、仕事に対する迷いが出てきたこの時期に読ませていただきました。国谷さんがいかに真摯に、キャスターという仕事に取り組まれてきたかを知り、いまこの本を読めて良かったと思います。
常に多角的な視点、対立する2つの意見の間にある「無限のグラデーション」に光を当てようとされていた...続きを読むことが印象に残りました。

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Posted by ブクログ 2019年01月12日

NHKクローズアップ現代のキャスターであった国谷裕子氏が23年に渡る番組を振り返りつつ、キャスターという職業への矜持を述べる1冊。著者が地に足のついた国谷氏、しかも出版が岩波新書という組み合わせ。内容は期待を裏切りません。
原稿を忠実に正確に伝えるのがアナウンサー、伝える言葉を自ら探し出すのがキャス...続きを読むターという明確な区別から始まり、キャスターとして守り続けた事を番組制作の裏側を紹介しつつ述べています。平日に毎日4日間連続で放映された「クローズアップ現代」の舞台裏は非常に興味深い描写でした。
国谷氏が述べるキャスターの仕事とは1.視聴者と取材者との橋渡し、2.自分の言葉で語ること(自分の主観を表現するのではない)、3.新しい価値観を持った事象に的確な言葉を探すこと、4.インタビューの4つです。それぞれへのこだわりが明確に理路整然と述べられています。
「人気の高い人物に対して批判的に切り込んだインタビューをすると想像以上の反発があるが、それでも訊くべき事は聞かなければならい」、「安易に視聴者の感情に寄り添うばかりに問題の複雑さを切り捨て、”分かり易さ”ばかりを追い求めていないか」等々、示唆に富む文章が満載です。
民放が芸能人ゲストを集めてクイズ形式みたいなニュース解説番組を放映し続ける昨今、改めて報道番組とはどうあるべきかというテーマについて正面から切り込んでいるのが非常に好感を持てました。

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

"23年間NHKクローズアップ現代のキャスターを務めた国谷さん。これまでの仕事を振り返って語る自伝的であり、キャスターとはどのような仕事かを語りつくした一冊。
インタビューをする場合、相手の人がどのようなことを成し遂げてきたのかを学んでおかなければならない。その方法なども気になるところだが...続きを読む、取材や資料の読み込み方などは特に触れられていない。
プロフェッショナリズムに徹した彼女の生きざまが語られている。
今後はどのようなご活躍をされるのだろう。これからも応援しています。"

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Posted by ブクログ 2018年11月10日

N○ケー、稀有な人材を手放したのう。クレバーな国谷さんの目線で、社会情勢が色々な方向から深く見えてきた気がする。もう一度番組を見直したいし、興味を惹かれた題材もあり。今後の彼女の動向も気になります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月07日

実家に住んでいた頃は、
よく見ていた番組、「クローズアップ現代」。

キャスターの国谷さん、カッコいい女性だなあと思っていました。


本書を読んで、相当な覚悟で挑んでいた番組だったことがよく分かりました。

私事ですが、
ちょうどこちらを読んだ時期、
この先、無謀と思われる大きな仕事が待ち受けてい...続きを読むます。

ときどき、
「引き受けなければよかったなあ」と不安に思う時があり、そんな最中に、本書を読みました。

勇気づけられました。

「真正面から取り組み覚悟」

「ひたむきに」

「全身で」

「真剣勝負」

このような言葉が、私のプレッシャーを心地よいチャレンジ精神に変化させてくれました。

また、国谷さんの「フェアへのこだわり」が強く感じられました。見習おうと思います。とても強い方です。

真似できないかもしれませんが、真似したいです。

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Posted by ブクログ 2018年01月19日

真摯さ、真面目に取り組む姿勢は、どんなときでも良い印象を受ける。『もしドラ』で「真摯さ」が大事だと書いてあったのを思い出した。クロ現やクロ現+が終了時間ギリギリになったり、途中で切れてしまったりしたのを観たことがある。原則ゲストを呼んでの生放送であって、流れによって司会者がゲストから言葉を引き出して...続きを読むいくためそういうことが置きうるのだなと、現場のギリギリ感がよく分かった。

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Posted by ブクログ 2017年10月03日

・テレビ報道の危うさ
1 事実の豊かさを、削ぎ落としてしまう
2 視聴者の感情の共有化、一体化をうながしてしまう
3 視聴者の情緒や人々の風向きに、テレビの側が寄り添ってしまう
・わかりにくいことをわかりやすくするのではなく、わかりやすいと思われていることの背景に潜むわかりに...続きを読むくさを描くことの先に知は芽生える

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

情報を編集して、伝える。インタビューでメッセージを引き出す・創り出す。
その丁寧な仕事の重要さが伝わってくる。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

国内国際、政治、経済、地域、生活、教育、災害、事件、等々、世の中のありとあらゆる課題を正面から取り上げ、深めていく。頭が下がります。「ハルバースタムの警告」、なるほど。テレビに限らず「分かりやすさ」を求められる今日ですが、世の中、そんな単純じゃないですよね。複雑極まりない。単純化ではなく、手間をかけ...続きを読むて深めていくことが、今、全てに求められている気がします。国谷さんの言葉、力強いですね。一語一語にエネルギーを感じます。マスコミ界にはもちろん、我々一般人としても肝に銘ずべきことが沢山見つかりました。

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

国谷裕子(1957年~)氏は、大阪府生まれ、聖心インターナショナルスクール、米ブラウン大学卒。父の勤務に伴い、幼稚園から中学校まで、ニューヨーク、サンフランシスコ、香港、日本を行き来しながら過ごした。P&Gジャパンに就職するも1年で退職し、その後、知人の紹介でNHKに仕事を得、「NHKニュー...続きを読むス」英語放送の通訳者、ニューヨーク総局のリサーチャー、「ワールドニュース」駐米キャスター、「NHKニュースTODAY」の国際コーナー担当等を経て、1993年4月から2016年3月まで23年間、「クローズアップ現代」のレギュラーキャスターを務めた。現在は、東京藝大理事、国連食糧農業機関(FAO)日本担当親善大使、等として幅広く活躍。菊池寛賞(国谷裕子と「クローズアップ現代」制作スタッフ/2002年)、日本記者クラブ賞(2011年)等を受賞。
私は、国谷さんの少し下の世代だが、若い頃から「クローズアップ現代」は好きで、その看板である、知的で凛々しい国谷さんのファンでもあったが、昨年末の「クローズアップ現代・放送30周年 年末拡大スペシャル」に、ゲストとして出演した国谷さんを久し振りに見て、本書のことを思い出し(本書のことを知ってはいたが、読んではいなかった)、早速入手し読んでみた。
本書は、基本的には、国谷さんがNHKに仕事を得てから、「クローズアップ現代」のキャスターを降板するまでの、キャスターとして成長していく過程、「クローズアップ現代」制作の舞台裏、印象に残る放映やインタビューの相手、更には、キャスターとはどうあるべきか等を、率直に綴ったものである。
その中で特に印象に残ったのは、テレビ報道の持つリスクと、それを踏まえてキャスターはどうあるべきかという部分である。
テレビ報道は、その映像の力により、当該事象を端的にわかり易く伝える強力なツールになり得るし、加えて、メッセージがシンプルな方が視聴率を稼げるともいう。しかし、世の中の事象の多くは、実際にはそんなシンプルなものではなく、安易にわかり易くすることは、当該事象の深さ、複雑さ、多面性をそぎ落としてしまうことになる。そして、更に危ういことは、視聴者がそのようなシンプルなメッセージに慣れてしまうことにより、わかり易いものにしか興味を持てなくなることである。そのようなテレビのデメリットを補うために、キャスターは、テレビに映し出された映像がいかなる意味を持ち、その背景に何があるのかを、言葉にして視聴者に伝える必要があり、それはときには、難しい問題を難しい問題として、視聴者に受け取ってもらうということでもあるのである。
翻って、昨今は(本書の出版から5年ほどしか経っていないのだが)、テレビすら見ることなく、インターネットやSNSで自分の知りたい情報・わかる情報にしかアクセスしない人が増えており(そもそも、閲覧履歴からそのような情報ばかりを提示するようにプログラムされている)、それが、社会の分断を煽る原因のひとつとなっていることは周知の通りである。
そう考えると、国谷さんが提示する、「テレビ報道とは、キャスターとは、どうあるべきか?」という問いは、我々の民主主義の将来につながる重要な問いでもあるのだ。
また、終章では、「ここ二、三年、自分が理解していたニュースや報道番組での公平公正のあり方に対して今までとは異なる風が吹いてきていることを感じた。その風を受けてNHK内の空気にも変化が起きてきたように思う。」と書き、特定秘密保護法案や安全保障関連法案について(十分に)取り上げられなかったことを指摘しているのだが、それが何らかの巨大な意思によるもので、また、国谷さんの降板とも関係があるのだとすれば、由々しきことである。
ともあれ、本書は、テレビ報道とキャスターに焦点を当てて書かれているが、「クローズアップ現代」が扱ってきた様々なテーマについての国谷さんの思いも聞いてみたいと思う。
(2024年1月了)

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Posted by ブクログ 2023年09月25日

クローズアップ現代のキャスターとして政治、経済、社会などを鋭い語り口で切り込まれた国谷氏の新書。何事にもフェアで真摯な態度で臨まれていた姿が懐かしい。TVのエンタメ化の裏で報道番組の公平公正のあり方が変わっている、との一文に深く納得した。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月14日

キャスターという仕事 (岩波新書) 新書 – 2017/1/21

キャスターとは不明瞭なものをはっきりと定義付けすることだ
2017年4月3日記述

クローズアップ現代で23年キャスターを勤めた国谷裕子氏による自身とクローズアップ現代を振り返った書籍である。

ただ単純にわかりやすいだけを目指すの...続きを読むではなく、ものの底流に何があるのか
どんな背景があるのか等の映像では伝えきれない面を言葉で伝えてきたのだという。
確かに本書を読むとクローズアップ現代という番組がそうだった事に気がつく。
普段ニュース7の後でそのまま見ていることも多かった。しかしもっと注意深く視聴しておけばと悔やまれる。

彼女が1993年にはじまったクローズアップ現代のキャスターを行う前にニューストゥデーの国際担当キャスターを外されるという挫折を味わったと
述べる項目はあの国谷裕子さんが!という思いがしたし意外だった。
(誰でもはじめは素人だし最初からバリバリ凄い人は極わずかであろう)
キャスターとしてのはじまり(海外のNYだが)、リベンジとして1000本ノックとして修行したのも衛星放送だった。
そういう意味で著者は幸運であった。
また再び訪れたチャンスをものにする力を持っていたのだ。
(何がダメでどうすれば改善できるか正確に把握し実行することは案外難しい)

中国の天安門事件を録画したテープを持って空港を出る為、機材をヘアドライアーと述べて日本国内に持ち帰る場面はリアリティがある。
またジャーナリズム魂を感じる。
また冒頭で紹介したハルバースタム、途中に紹介するテッドコペル氏のナイトラインのあり方は今でも放送機関のあるべき姿を示していると思われる。
当事者がナイトラインに出演を避ければ、視聴者は何か説明できない都合の悪いことがあるに違いないとまで思わせる存在感のある番組だったと。
今、森友学園への不当に8億円も安く国有地を売却した問題が報道されるがナイトラインのような存在感ある番組が厳しく安倍内閣を追求出来ていない
今の日本は未だにジャーナリズム後進国としか言えないのだろう。

第4章でキャスターとしての役割について述べている。
視聴者と取材者の橋渡し役自分(キャスター)の言葉で語る(個人の主観、私見を語ることではない)
言葉探し(新しい事象に言葉、名前が与えられることで不明瞭なものがはっきりしてくる。

後半には出家詐欺騒動についても振り返っている。
ただ試写の段階で気が付かなったというのは同情する。
取材そのものを全否定するまでは判断出来ないだろう。。。
難しい問題である。

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Posted by ブクログ 2020年04月10日

クローズアップ現代のキャスターを長年務めている国谷裕子の自伝的内容。

自分はクロ現見てないのであまり詳しいことはわからないが、硬派な番組の裏側を知ることができた。

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Posted by ブクログ 2019年07月13日

 NHKの「クローズアップ現代」で20年以上もキャスターとしての仕事をしてきた著者。本書には,話の流れ上自伝的な内容も出てきますが,「社会の見方考え方」を学ぶことのできる内容が満載です(私には…ですが)。
 国営放送という日本の中心的なマスコミの世界で,生中継の番組を続けてきたと言うだけで,もう,す...続きを読むごい人だと思います。その国谷さんが,様々なスタッフと一緒に番組を作るなかで,そして様々なゲストとインタビューするなかでどんなことを考え,何を大切にし,どんな失敗をし,そこから何を学んできたのか…一つ一つが重い言葉となって伝わってきます。

 日本が右傾化してきたと言われています。これは「左」が減ってきただけではないでしょう。いろんなことを自己責任として受け入れ,社会には興味がなくなってきた若者たちがたくさんいるのです。そんな中で,社会の問題を抉り出すドキュメンタリー番組も減ってきたように思います。チャンネルを回せば,娯楽番組ばかり…。
 こんなときこそ,政治の動きにモノ申すことのできるマスコミが成長して欲しいです。だれかが発表した事実だけを伝えているのでは,あまりにも情けない…。

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Posted by ブクログ 2018年04月04日

積極的にテレビを見なくなって10年、もっぱら朝は「ラジオ」。
朝からワイドショーやニュースを見てしまうと、ついつい映像に取り込まれて手が止まってしまうのが嫌だから。

でも、ラジオなら耳から入ってくるし、言葉から情景を想像することができるので、自分で考える余地がある。でも、テレビは映像という圧倒的イ...続きを読むンパクトにより、想像力が欠落してしまう。

これは「本」も同じ!映画やドラマは好きだけど、どうしても映像の力に頼ってしまう。でも、活字は自分の想像力(時には間違ってしまうこともあるけど)を養うこともできるから楽しい!

NHK「クローズアップ現代」のキャスターを23年務めた著者も映像の力に頼るジャーナリズムは時として事実を捻じ曲げたり、誤認させたりすると警鐘を鳴らしています。社会問題は、一人または一側面だけで捉えようとすると事実を間違って捉えてしまいます。(または偏った考え)なので、いろんな側面から捉えて、自分なりの考えを持つことが大事ですね!

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Posted by ブクログ 2018年01月06日

日本で唯一アンカーと呼べる存在だと思います。番組がなくなった時には、またひとつNHKの良心が消失し、大衆に阿る度合が増し、受信料を払いたくなくなった、と思った記憶があります。
著者の真摯な姿勢が著作にもあらわれてます。特に失った信頼の9章は良かった。
また本筋ではないですが、最終回の柳田邦男氏の「危...続きを読む機的な日本の中で生きる若者たちに八か条」(原文)は感動しました。コピーを子供たちに渡そうと思いました。

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Posted by ブクログ 2017年11月23日

国谷キャスターの半生記。クローズアップ現代以前から以降まで。よく見る番組だったので面白く読んだ。

1990年の国谷さんは,地上波を一年で降ろされて,挫折の後の衛星放送時代。やはり死ぬほど働いてた模様…。
“睡眠時間が三時間という日もざらで、五時間寝たら今日は本当によく寝たと思える日々”p.42

...続きを読むクロ現の仕事が長くなり「女性が活躍できる社会を」って風潮になって,自分の体験を苦々しく思い返すそうだ。
“無我夢中で仕事をし、キャスターとして認められたかった私は、体の具合が悪く、熱があっても、吐き気を催しても決して休まなかった。バケツを席の下に置きながら放送したことも”p.43

聞くべきことをきちんと聞くというインタビューの基本について。これは適切な例でないと感じた。
(田舎のアップルパイコンテストで優勝した)“おばあちゃんに、「添加物を使っていないか?」とあえて尋ねる、まさにジャーナリズムとしてのインタビュー機能が失われてもよいのだろうか。”p.174

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Posted by ブクログ 2017年07月15日

良書。
23年間クローズアップ現代を担当されただけあって、素晴らしい内容。
誰が相手でも動じず、客観的に的確に判断し、女性らしさもあり、素晴らしいキャスターの印象。
だが、帰国子女のコンプレックス、経験不足から苦労されたことを知った。
めぐり合わせ、チャンス、本人の努力・やる気が大事なのかと思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月11日

私には難しく読むのに時間を要した。公平、公正、フェアな報道番組を作ろうとしていた人がいるんだなと思った。逆風が吹いても、しなやかに風に吹かれ、攻撃的にならずに聞くべきことは誰にも聞く。これからも、こんなテレビ番組なら観たいと思う。

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Posted by ブクログ 2021年07月29日

期待していた内容とは違った。
キャスターという仕事や、「クローズアップ現代」という番組に、それこそクローズアップ現代的な切り込み方をしてくれるのかと期待していたのだが、そのような内容もないわけではないけれども、ほとんど国谷さんの個人的な回顧・感想で埋め尽くされていて、自画自賛かなと思ってしまった。
...続きを読む特に第9章の「失った信頼」は分析が弱かったし、あとがきの中でも、SNSに懐疑的な記述がみられたが、SNSの普及の一要因に一般の人々の既存メディアへの不信があると言われているにもかかわらず、そのことに関する言及はなかった。国谷さんも所詮オールドメディアの人なのかとちょっとがっかりしてしまった。

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Posted by ブクログ 2019年07月09日

切り口が面白いクローズアップ現代のキャスター
番組を面白くしているのは編成もさることながら、徹底した掘り下げと、ネガティブなキャスターの視点だと言う。
それが視聴者のwant を引き出しているのだとある。
番組作りの過程やキャスター個人の成長を読んでいると、生き生きして仕事しておりとても羨ましい。
...続きを読む成功する人は真剣だ。手を抜いてる所がないか?自問して仕事に向かっていると感じた。
しかし筆者のネガティブが強調され過ぎて、明るい所が見当たらなかった。23年もするのだから立派だが、なんか暗い

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Posted by ブクログ 2019年01月29日

まだ生活の中にTVがあった頃、クローズアップ現代はよく観ていた番組だった。しかしここまで考えられて作られているようには見えなかったし、いつも尻切れトンボで締まりのない番組との印象しかなかった。残念ながら少なくとも自分には彼女のコダワリは十分に伝わっていなかった。
テレビの持つ特性として、物事を過度に...続きを読む単純化し、視聴者の共感を促す事が挙げられていたが、これは制作側がよほど抑制的に番組作りをしなければ強力な扇動装置になりうることを意味する。今どきテレビを見ている層は複雑な思考を嫌う情報弱者に限られつつあるから、余計に扇動に乗せやすい側面もあろう。テレビの影響力が減っていくのは良いことだ思う。

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Posted by ブクログ 2018年12月13日

ニュースキャスターとしての国谷さんの姿勢はすごいと思った。プロ意識というものが人を成長させ、仕事に対しても深く向き合っていけるようになるのだなと分かった。

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Posted by ブクログ 2018年04月23日

テレビが世間に与える影響力はインターネットが普及してもなお大きい。本書の中で語られる国内外の情勢を報道する者の姿勢は、報道関係者だけでなく、他の業界にも適用できると感じた。

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