あらすじ
今という時代を映す鏡でありたい──。従来のニュース番組とは一線を画し、日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉。番組スタッフたちの熱き思いとともに、真摯に、そして果敢に、自分の言葉で世に問いかけ続けてきたキャスターが、23年にわたる挑戦の日々を語る。
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Posted by ブクログ
実家に住んでいた頃は、
よく見ていた番組、「クローズアップ現代」。
キャスターの国谷さん、カッコいい女性だなあと思っていました。
本書を読んで、相当な覚悟で挑んでいた番組だったことがよく分かりました。
私事ですが、
ちょうどこちらを読んだ時期、
この先、無謀と思われる大きな仕事が待ち受けています。
ときどき、
「引き受けなければよかったなあ」と不安に思う時があり、そんな最中に、本書を読みました。
勇気づけられました。
「真正面から取り組み覚悟」
「ひたむきに」
「全身で」
「真剣勝負」
このような言葉が、私のプレッシャーを心地よいチャレンジ精神に変化させてくれました。
また、国谷さんの「フェアへのこだわり」が強く感じられました。見習おうと思います。とても強い方です。
真似できないかもしれませんが、真似したいです。
Posted by ブクログ
キャスターという仕事 (岩波新書) 新書 – 2017/1/21
キャスターとは不明瞭なものをはっきりと定義付けすることだ
2017年4月3日記述
クローズアップ現代で23年キャスターを勤めた国谷裕子氏による自身とクローズアップ現代を振り返った書籍である。
ただ単純にわかりやすいだけを目指すのではなく、ものの底流に何があるのか
どんな背景があるのか等の映像では伝えきれない面を言葉で伝えてきたのだという。
確かに本書を読むとクローズアップ現代という番組がそうだった事に気がつく。
普段ニュース7の後でそのまま見ていることも多かった。しかしもっと注意深く視聴しておけばと悔やまれる。
彼女が1993年にはじまったクローズアップ現代のキャスターを行う前にニューストゥデーの国際担当キャスターを外されるという挫折を味わったと
述べる項目はあの国谷裕子さんが!という思いがしたし意外だった。
(誰でもはじめは素人だし最初からバリバリ凄い人は極わずかであろう)
キャスターとしてのはじまり(海外のNYだが)、リベンジとして1000本ノックとして修行したのも衛星放送だった。
そういう意味で著者は幸運であった。
また再び訪れたチャンスをものにする力を持っていたのだ。
(何がダメでどうすれば改善できるか正確に把握し実行することは案外難しい)
中国の天安門事件を録画したテープを持って空港を出る為、機材をヘアドライアーと述べて日本国内に持ち帰る場面はリアリティがある。
またジャーナリズム魂を感じる。
また冒頭で紹介したハルバースタム、途中に紹介するテッドコペル氏のナイトラインのあり方は今でも放送機関のあるべき姿を示していると思われる。
当事者がナイトラインに出演を避ければ、視聴者は何か説明できない都合の悪いことがあるに違いないとまで思わせる存在感のある番組だったと。
今、森友学園への不当に8億円も安く国有地を売却した問題が報道されるがナイトラインのような存在感ある番組が厳しく安倍内閣を追求出来ていない
今の日本は未だにジャーナリズム後進国としか言えないのだろう。
第4章でキャスターとしての役割について述べている。
視聴者と取材者の橋渡し役自分(キャスター)の言葉で語る(個人の主観、私見を語ることではない)
言葉探し(新しい事象に言葉、名前が与えられることで不明瞭なものがはっきりしてくる。
後半には出家詐欺騒動についても振り返っている。
ただ試写の段階で気が付かなったというのは同情する。
取材そのものを全否定するまでは判断出来ないだろう。。。
難しい問題である。