デボラ・インストールのレビュー一覧
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シリーズ3作目です。
これまでの2作が面白かったので、新刊も手に取りましたが、少し今までの2作品とは異なり「重い」印象を受けました。
もちろん、これまでも”ロボットを育てる”ということについて周囲からの理解が得られなかったり、”子育て”を通してベンとタングが対立することはありましたが、総じて「経験を通して成長する」物語でありました。
たしかに、本作でも「経験を通して成長する」というあり方そのものは継承されていますが、その経験が「死」や「別れ」といった、タングやポニー(ベンの娘)には理解しづらいものでした。そのためか、子ども→大人への要求というか反応に(子どもたちの年齢から考えれば年相応であるものの)「理不尽」なものも少なくないように感じましたし、ベンが気の毒に感じる部分もありました。
特に、今まで以上にタングの「幼さ」が如実に表れていましたし、彼の反応に、読んでいてイライラしてしまう場面もありました。いままでは「ほほえましい」という感想ばかりを抱かせるキャラクターでしたから、そういった面についても「成長」といえば成長なのかもしれませんが…。
失ったものを「何かで代替する」ことは難しいですが、別の出会いによって、喪失感を紛らわせることはできるのだろうと思います。
これからもシリーズが続きそうな終わり方をしていましたから、第4作目も楽しみに待ちたい、とは思います。 -
Posted by ブクログ
ロボットとアンドロイドの違いは御存知でしょうか?
ロボットといえば、私はガン●ムやマジ●ガーZなどの戦闘ロボットが浮かびます。
ロボットとは、自動で特定の作業を行うことの出来る機械らしいです。
アンドロイドとは、人型をしているモノをヒューマノイドと言い、その中でも特に人間に似たモノをアンドロイドというらしい。
今作は、家庭用のアンドロイドが普及する世界の中、ロボットである「タング」が主人公のベンとともに成長していく物語です。
とりあえずタングが可愛い、仕草や言葉使いは勿論、駄々をこねるロボットなんて見たことありますか?
タングが欲しくなる心温まる作品でした。 -
Posted by ブクログ
「庭にロボットがいる」
親からの遺産で生活に不自由していないが、うだつが上がらない主人公のベン。そんな彼の妻エイミーは、やり手の弁護士。もはや、マンネリとなっていた2人の夫婦生活は常に緊張感が漂う。何事にも覇気のないベンにエイミーはイライラをら募らせていた。
そんなある日、庭に見知らぬロボットが迷い込む。
名前はタングというらしい。この古めかしいレトロなロボットに興味を惹かれたベンは、妻の厳しい目線を気にしながらも、タングの世話をしていくのだが、、
という感じのあらすじ。
しかし、このタング。痛みや不快感を感じる触覚や、
広くてお気に入りの車に乗れないと駄々をこねるなど、完全に人間。言葉もだんだんと流暢になっていくと、もうこれ、人間でよくね?と思ってしまっていたが、いや、ロボットだからこその可愛さなんだよなぁと思いなおす。
全体的にほのぼのーと進んでいくストーリーで牧歌的に楽しんでいるが、時折、ダークな雰囲気が漂うのがイギリスっぽいなぁーと感じた。
この作品で特に面白かったのが、ベンとタングは世界を旅する事場面。その描写がいちいち楽しい。特に日本を非常に好意的に描いてくれているのはとても嬉しかった。(タングが日本のテレビ番組に電話して、「おじさん、日本語しゃべってた。意味わかんない」は、アルフっぽくて面白かった)
作中を通して満足感がある内容だったが、一つだけ。。。。
エイミー、、、あなた、人の心とかないんか!?
なぜ、あんなに意地悪できるの?
なぜ、ロボットを毛嫌いするの?
ベンがベタ惚れな理由が理解できんよ。
最後には、色々とあったとしても、ちょっと意地悪だし、ワガママすぎひんか?
それとも、自分の心が狭すぎるからなのか?
残念ながら、自分はちょっと、エイミーは好きになれないなぁ。。。
続編で性格変わってたとしても、どうしてもこの作品の言動がフラッシュバックしてしまいそうだ。。。 -
Posted by ブクログ
タイトルだけを見て、「あっ、とうとうタングが念願を叶えて病院で働くことになったのね」と思った。
ある程度までは正しいのだが、医療職としてではなく、カフェの店員。
タングは中学生に「飛び級」し、アルバイトをするようになったのだ。
では、なぜ「ホスピタル」なのかというと、それはやたらに登場人物が病院送りになってしまうからで…。
元ダメ男、今悩める父親のベン。
このシリーズでは、この人が語り手を務める。
「今思えば、あの時~していればよかった」というようなパターンの語りが多い。
久しぶりに読むから気が付いたのか、この巻だけが多いのかわからないが(確かめる気力はない)、ちょっと気になる。
タングが小学校の学習に退屈し始め、小学校の校長から中学に行くことを暗に求められる。
タングを人間と同等に扱うことにこだわるベンと、人間ではないことを受け入れてそれなりに対応すべきだという周囲の人との溝が次第に明らかになってくる。
タングはタングで、まるで人間のティーンエイジャーのような言動を取り始める。
おまけに、姉のブライオニーは夫と、彼らの娘、アナベルは、恋人であるフロリアンと関係がぎくしゃくしている。
人間とロボット、アンドロイドとの境目、そして、三者はどういう関係を作っていけるのかについては、まだ波乱がありそうな雰囲気。
次の巻でどうにかなるのか? -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
主人公のベンは、獣医師の見習いとして働いている。
弁護士として活躍する妻エイミーと、娘のボニーを育てている。
そして、迷い込んできたロボットのタングも。
前作では、そこにもう一体、ジャスミンというロボットも転がり込んでくる。
三人と二台(ベンに言わせれば二人)の毎日が描かれる。
さて、この巻では四歳になったボニーがプレスクールに通い始めたことで、また新たな展開を見せる。
ボニーは集団生活になじめない。
人が大好き、好奇心いっぱいのタングは、学校が羨ましくてしかたがない。
そこで、ベンとエイミーはタングを「生徒」として学校に通わせるよう交渉し、受け入れられる。
ボニーとタングが巻き起こす騒動。
ボニーは四歳とは思えない知識欲で、動物のことを学んでいく。
一方、タングは学校で人気者となり、体の構造上の不利をものともせず、運動会でも大活躍する。
この二人がそれぞれ自分のペースで動こうとするため、学校へ送り出すだけでも大変な騒ぎだ。
この辺りは子育てをしている人はきっと共感するくだり。
この辺りは、「はいはい、そうだよね」で済むこと。
ちょっと面白いのは、やはりジャスミンをめぐることだろうか。
人とAIは恋愛関係が結べるのか、ということだ。
控えめで読書好きのジャスミンは、オンライン読書会のメンバーとなり、果敢にもオフ会にも出席する。
そこでロボットを蔑視するひどい主催者に傷つけられることになってしまう。
ベンはジャスミンを終始気遣い、ケアする。
ジャスミンはベンに好意を抱き、やがて愛を告白するに至る。
もちろん妻帯者であるベンには、受け入れることはできないのだが、ベン自身の心も混乱してしまう。
自分は、心を持っているジャスミンを、どこかで「単なるロボット」として、人間と同等のものとは思っていなかったのではないか、と。
今現在、人間とAIの恋愛は疑似恋愛とされ、人間が一方的にはまり込んでいく可能性はあるけれど、AIは愛を理解することはないとされている。
けれど、タングやジャスミンのように「愛を知るAI」が搭載されたロボット(実体をもつ存在)が出てきたとき、人間はどうふるまうのだろう。
そんなことをふと思ったりした。 -
Posted by ブクログ
(過去にインスタで書いた感想です。)
長い夜のお供に持ってきた文庫本( ̄。 ̄;)
酒井駒子の表紙といい、昔ながらのロボットが出てくることといい、惹かれるものがあるのだけど、なかなか読めずにいた(^-^;)
読もう読もうと本を持ち歩いているうちに、ボロボロになって、何かのシミもできて、まさに物語に出てくるロボット“タング”のようになってしまった(;^_^A
まぁ、これはこれでいっか(≧∀≦)
(ここからは別サイトで挙げた映画『TANG』の感想です。)
数年前にデブラ・インストールの原作を読んでからのタングのファンです♪ヽ(´▽`)/
いつか映画化されるだろうとは思っていたけれど、まさか舞台が日本になるとは思わなかった(^_^ゞ
でも二宮和也が演じるなら、なかなかいい味だしてくれるだろうという期待に応えてくれたかなと思います。原作ではもっと路頭に迷うような、うまくいかない旅が続いていたように記憶しますが、冗長にならずにこの演出でよかったかな。
作品は大人の目線で観るといろいろ目につくところもあるかもですが、この作品は子どもと一緒に観て楽しい映画なのではないかと思います。
僕が小学校の低学年の頃にいとこからもらった学研か何かの科学学習漫画でロボットを扱った本に出てきていた、どことなくタングに似たロボットと男の子の物語を読んで、こうしたロボットが存在していると思い込んで、自分にもロボットの友だちがいることを想像したものです。きっとこの映画を観た子どもたちも、タングを実在するものと思って、心を熱くするだろうなと思います。
そしてその子どもたちが大人になる頃には、タングのようなロボットが実在しているということも、決して夢ではないと思えることは、ある意味とても幸せな気持ちにさせられますヽ(*´▽)ノ
それにしてもタングの可愛いこと。
あの前のめりな歩き方がキュートで、健と心を通わせることになるシーンは胸キュンものでした。
原作はどれも大好きな酒井駒子さんのイラストによる表紙で、今作以降さらに『ロボット・イン・ザ・ハウス』『ロボット・イン・ザ・スクール』『ロボット・イン・ザ・ファミリー』『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』と続いていきますが、是非どれも読んでみて、タングとこの家族の行く末を見守りたいと思いますp(^-^)q
作品を観ていて『夏への扉~キミのいる未来へ』の映像がオーバーラップしたのですが、それもそのはず、監督が同じ三木孝浩さんでした(* ̄∇ ̄)ノ -
Posted by ブクログ
前評判通りの可愛らしい冒険物語。
【全体的にネタバレしなきゃ語れない】
読んでいる途中で、なんだか既視感を覚えるなあと思ったら、タングの振る舞いがまるっきり幼児のそれなんだよね。もしかしてと作者の経歴を見てみたところ、実際に作者は「お母さん」のようですね。うん、いかにもお母さんが書きそうと納得してしまった。
中盤までは主人公のベンのだらしなさ、妻のエイミーの冷淡さ、タングとの意思疎通のできなさにちょっとイライラしたけれど、後半で謎が解明されてスッキリ。
次巻を読むほどハマれないかなと思っていたけれども、後半で一気に印象が変わった。何より、ベンとエイミーが変わったんだと思う。タングのおかげだね。
もしかしたら続きを読むかもしれないシリーズ。