橋本卓典のレビュー一覧
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地方銀行と中小企業の運命
A;購読動機
地方銀行の現状と今後の動き方に対する情報収集のため。
B;書籍の良いところ
・コロナ融資が具体的にどのようなものか? それがどの程度の社数、規模によるものか?
・地方銀行(信用金庫含)が、どのように組織内部を効率化し、外/貸付先に対する助言時間を捻出しているか?
このあたりについて、事例を引用しながら定量的に説明してくれていること。
また、理解が難しい専門用語も少ないため、読みやすいこと。
C;改めて理解できたこと
地方に大企業はないに等しい。ゆえに、地方銀行の顧客・貸付先は中小企業であること。
地方銀行の収益は、貸付先の業容拡大→資金需要の増加→ -
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「捨てられる銀行」を書いた人の最新著作ということで迷わず購読。今度は金融機関の立場ではなく(地銀ではなく公庫だったけど)、中小企業の立場として。何だか不思議な感覚。
昔気質の名バンカーの事例に加えて、社会課題を自分事と捉えて本気で取り組んでいる人たちの事例を見て、同じような事例が加速するといいな、そうすると日本は一気に良い方向に傾くんじゃないかと心から思いました。
ファミリービジネスの持続可能性を高めるために日銀の支店長を辞めたなんて事例凄すぎて。。しかし日本政府は中小企業の事業承継問題を後回しにし過ぎだと前々から強く思っていたので、これが起爆剤にもっとなっていくと良いんだけど。
中小企業の立 -
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地銀と中小企業の運命 (文春新書 1400)
著:橋本 卓典
人口減少に金融機関が生き残る道は、そもそも2つしかない。極力人手をかけず廉価なサービスを提供していく「資本集約型のデジタルバンク」と、地域と企業の課題を解決していく「労働集約型銀行」である。
規模に限界があり、人口減少地域を地盤とせざるをえない地域金融機関には「労働集約型」の道しか残されていない。顧客と密着した関係性を築き、事業性への深い理解に基づき、顧客の課題に対して、付加価値を伴う解決策を見つけ出す「リレバン」というあり方である。ただ必要なのは、単なるスローガンや精神論の「リレバン」ではなく、付加価値と生産性の向上を経営と結び付 -
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捨てられる銀行4 消えた銀行員 地域金融変革運動体
著:橋本卓典
不良債権処理があったにせよ、或いは金融行政がそれを迫ったにせよ、結果的にリスクを取ることこそ本分である銀行が企業のリスクから逃げ続けてきた。そうした銀行を企業が次第に見限り、自力(自己資本の蓄積)でリスクに立ち向かわざるを得なくなった。これが日本経済の長期停滞の原因である。この20年間でリスクをとる銀行、銀行員は消えたのである。
本書の構成は以下の6章から成っている。
①「計測できない世界」から「ネットワーク集合知」へ
②地域金融変革運動体
③「新常態」の金融
④感染する知性
⑤ネットワーク集合知
⑥つながりすぎた社会
「 -
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時代錯誤な営業ノルマを強要してきたから。
やりがいも未来も感じない。
給料が下がっても地域に貢献したいと自分の志を捨ててまで銀行員であり続けようとは思わない。
若手の未来を奪った結果招いた大量離職は経営能力の低さ。
私は、元銀行員です。辞めた理由は、上記に書いてあることとこの本に書いてある通りです。
預金をできるだけ集め、担保を取って事業性も理解できず、貸し出しをできるだけ増やすという旧態依然の銀行モデルのまま脱却できない銀行では本当にダメだと思います。
預金と貸出は地域や事業者の課題解決のための手段と思い金融機関の人間は働いてほしいと思います。しかし、現実は難しいですよね。金融機関も利益あ -
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ネタバレ私も金融機関にいたし今も「金融機関にどう説明するか」が仕事上で大きな割合を占める。
金融機関の貸し出しが増える道筋のルートP(拡大期にあてはまる。自行の論理優先、担保・保証付き)とルートR(縮小期にあてはまる。顧客の論理優先)はまさにその通り。
この本のボリュームと内容の濃さは金融解説本の域を逸脱しビジネス書として見ても十分なレベル。見えないものを指標とする、共感をもとにした顧客との関係構築、など金融機関でない業態にも当てはまる。
今や企業としての金融機関、人材としての金融機関職員は状況の把握、分析、対応策のアドバイスというところで周回遅れの場所にいるのではないか。一方の当事者 -
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捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む
2019/2/13 著:橋本 卓典
「捨てられる銀行」は、見えない未来に向き合わない。人工知能(AI)やフィンテックは、もはや人の簡易な仕事の大部分を代替できるまでに進化を遂げようとしているし、10~20代の「Z世代」の価値観がまもなく世の中を席捲し、銀行の店舗、カウンター、人員の意味を根底から変えようとしていることを理解しようとしない。
「捨てられる銀行」は、過去続けてきた数値とノルマと地位と報酬による人間の管理、会計とコストだけで組織や人心までもコントロールできるという古代の信仰を捨てない。いあわば、目で見える、「計測できる世界 -
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話題になった、そして金融機関の人間としては読まないわけにはいかなかった「捨てられる銀行」の続編ということで、見つけて即購入。
そしたら何とも偶然、最近興味のあった株式投資、運用についての話。実際に始める前にこれを読めて良かった。
そしてこれも読めば読むほど、銀行ってこれからどうするの?っていう感想。金融庁に振り回されて可哀想な面もあるけども、商品のことを知らずにノルマのために売るなんて持っての他……。これから無くなっていくところは、淘汰されるべくしてされるのでしょう。
世の中、そうは簡単に儲けられる話は転がっていないということを肝に銘じなければならないなぁ。勉強あるのみだ。 -
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先日紹介した「花咲舞が黙ってない(池井戸潤)」からのこの一冊。
金融庁長官が推し進めている金融改革について新聞記者の綿密な取材によって書き起こされたもの。もともとは金融専門ではない貴社だからこそ、金融に明るくない一般人にもわかりやすく書かれている。
主題は「地方金融」の在り方。(簡単に言うと「地銀」の現状が良いことも悪いことも含めて書かれている。)地元に根差した本質的な「融資」をしている地銀があることはこれからの日本においては重要な気がする。
と、この読書の流れから、どうしてもドラマ「半沢直樹」が観たくなってしまい週末にかけて一気見してしまった。なんとも「スカッ」とする一方で、毎回「自分 -
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先日紹介した「捨てられる銀行」の続編。
前回は「地域金融」についてでしたが、続編はぐっと身近になって個人の「資産管理」の現状についてです。日本の個人に対する資産管理を憂いて「非産運用」というサブタイトルが。。。笑
日本人のサラリーマンは「年末調整」「源泉徴収」などの制度により「確定申告」をする人が少ないことから「税」に対する意識が低いと言われています。
確かに自分がどのくらいの税金を納めているのか?どうなると税金があがって、どうすれば節税できるのか?ということを意外と知りませんよね。「そんなことない!」とおっしゃる方は相当意識されています。
でも、「老後の蓄えは重要だ!」なんてことだけ -
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これはまさに人間ドラマだ!
あの「捨てられる銀行」の著者橋本卓典氏の最新刊「金融排除」(幻冬舎新書)。
橋本様から謹呈いただき拝読させていただきました。
見る方によっては様々な意見があると思いますが、率直な私の感想は、まるでオムニバス形式の映画を見ているかのような、なんとも言えない感動がそこにはありました。
しかも全て橋本氏の取材に基づいた事実。
地域密着型の支援とはこういうことなんだと、全国各地で同じ思いを持った方々が、手法は異なれど一生懸命に取り組んでいる姿に感動し涙がでました。
人として「困った人を助ける」。
当たり前のようでそれが出来ないのは何故か?
金融関係者のみではなく、地 -
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金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実
(幻冬舎新書)2018/1/30 著:橋本 卓典
日本型金融排除とは、十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取り組みが十分でないために、企業価値の向上が実現できず、金融機関自身もビジネスチャンスを逃している状況である。
本書は、上記の排除を考える本である。排除を生み出すメカニズムは一体どういうもので、なぜ拡大するのか。歴史的な経緯は。事業者から見た排除の風景はどう映るのか。それらを根本として以下の6章から構成されている。
①「食い違い」から始まる排除
②事業者から見た排除の風景
③金融排除とは何か
④見捨てない -
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ネタバレ本書は主に地銀について書かれた書籍です。したがって全国の地銀・第二地銀・信用金庫・信用組合にお勤めの方、及び関係者にはぜひ読んで欲しい名著です。
余りにも本書の評価が良かったのか「捨てられる銀行2」という書籍も出版されています。私も元第二地銀マン。前職のことは気になっているので、「捨てられる銀行2」も読破したいと本著を読んだ後思いました。
では、早速本著の一部を紹介します。
2015年7月7日、早くから金融庁のエースとして待望されてきた森信親が長官の座に就いた。
その森が行った画期的な行為は金融行政の究極の目標の設定だった。これまでは、自己資本比率や不良債権比率で計る「銀行の健全性」に -
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ネタバレバブル期に証券会社に入り、その後、証券不祥事、金融ビッグバン、不良債権処理、ゼロ金利政策と渦中にいた私は、とても興味深く読ませて頂きました。
金融庁が自ら金融行政の失敗を認めた、という点。森長官率いる金融庁に期待をしています。
現在の銀行窓口で行われていることは、一昔前の証券会社の店頭と同じ。当時の証券会社では、投資信託の回転売買は監査部のチェックが入り、相応の理由を書面で残す、またはお客様から確認書を頂くなどの「検査対策」をしていました。
「銀行では、まだそんなレベルなのか!」
と思ったのが正直な感想です。
人々が、洋服や食料品を選ぶように、自分の考えを持って自分の好む金融商