【感想・ネタバレ】金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実のレビュー

あらすじ

「貸出先がない」「銀行の数が多すぎる」という銀行の常識は正しいのか。「十分な担保・保証がある企業以外には貸し出しをしない」という「金融排除」を銀行自らが疑いもしないのはなぜか。特に人口減少の激しい地域で、この問題を放置すれば、地方の衰退を招くだけでなく、金融機関の自滅にも繋がりかねない。そこで金融庁は、排除の克服を求め「未来の健全性」を重視した銀行検査に着手。本書では「金融排除」の実態を明らかにしつつ、革新的なビジネスモデルで実績を上げ始めた金融機関の事例も紹介。「銀行消滅」に怯える前に、地方金融が活性化する方策はいくらでもある!

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Posted by ブクログ

巻末近くの信金信組の成り立ちと存在意義についての下りは初めて知った。銀行とは成り立ちが違う。

金融機関、そして中小企業の未来は「金融排除」を解決できるかどうかにかかっていると言って過言ではない。

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2019年02月24日

Posted by ブクログ

これはまさに人間ドラマだ!

あの「捨てられる銀行」の著者橋本卓典氏の最新刊「金融排除」(幻冬舎新書)。
橋本様から謹呈いただき拝読させていただきました。

見る方によっては様々な意見があると思いますが、率直な私の感想は、まるでオムニバス形式の映画を見ているかのような、なんとも言えない感動がそこにはありました。
しかも全て橋本氏の取材に基づいた事実。

地域密着型の支援とはこういうことなんだと、全国各地で同じ思いを持った方々が、手法は異なれど一生懸命に取り組んでいる姿に感動し涙がでました。

人として「困った人を助ける」。
当たり前のようでそれが出来ないのは何故か?
金融関係者のみではなく、地域にいる全ての方々に読んでもらいたい、まさに感動の一冊です。

#金融排除 #橋本卓典 #幻冬舎新書 #捨てられる銀行 #包摂 #金融庁 #金融機関 #信用保証協会 #ギャレス

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2018年03月16日

Posted by ブクログ

金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実
(幻冬舎新書)2018/1/30 著:橋本 卓典

日本型金融排除とは、十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取り組みが十分でないために、企業価値の向上が実現できず、金融機関自身もビジネスチャンスを逃している状況である。

本書は、上記の排除を考える本である。排除を生み出すメカニズムは一体どういうもので、なぜ拡大するのか。歴史的な経緯は。事業者から見た排除の風景はどう映るのか。それらを根本として以下の6章から構成されている。
①「食い違い」から始まる排除
②事業者から見た排除の風景
③金融排除とは何か
④見捨てない金融
⑤「排除」の大河に架ける橋
⑥排除の終焉と協同の時代

地域金融機関にとってのビジネスモデルの方針のひとつとして掲げられているのは「顧客との共通価値の創造」である。

大切なのは共通価値の創造。「共通」が大きなキーワードとなる。「共通」を満たすために必要なことは何よりも「対話」である。それは金融機関と金融庁との対話だけではなく、金融機関と顧客との間の対話が何よりも大切なことを意味している。

日本型金融排除なんてない。
そう言えば、確かに楽なのかもしれない。
しかし、火のない所に煙は立たぬとはよく言ったもので、この日本のどこかであることは事実であり、自分の近いところではないとは信じたいものの、何よりもそうなってはいけないということは常に認識する必要がある。

組織の形態、規模、置かれた環境などにより役割は全く同じではないかもしれないが、共通価値の創造や顧客の笑顔や満足をえるために仕事を行うというのは金融機関の共通の業務であり、やりがいにもつながることは疑う余地もない。

まだまだ出来ることはある。
まだまだやらなければいけないことがある。
仲間との対話も増やし共に笑顔を創り上げていきたい。

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2018年02月23日

Posted by ブクログ

金融排除とは何のこっちゃ?と思い読み始めたが、そういうことか、という感じ。金融機関側の人間から考えると、行ってしまえば当然の考えであって、それを排除という過激な言葉を使っている印象。される側からしたらそうなんだろうけどね。こちらからしたら、一度破産なり経営がずっとずっと下向きの会社をそんなすぐに信用できるか、というとそんなことはないという話で。でも完全に排除するかどうかは別の話で、歩み寄れるかどうか(それでも少しずつだと思う)は財務面以外の信用がある人のみだろうなと。
あくまで本書で行っていることは理想論であって現場に下りてくるには経営レベルでそういう判断をしてくれないと、現場レベルでは極めて困難だろう。その中でも、みちのく銀行の戦略ミーティング、京都の信用保証協会の共同支援スキーム、そして塩沢信組の取引先の人材育成スキームは素晴らしいと思った。こういう金融機関なら、これからの若い人も入りたいと思うだろうし、そもそもこういう取り組みは今後地域の発展のために必要不可欠だろうなと。
他、第二地銀の成り立ち等含め、色々と勉強になりました。

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2019年03月21日

Posted by ブクログ

 この著者が考えるベストプラクティス集のような本だと感じた。
 教えられるところはあったものの、サクサク読めた「捨てられる銀行」と比べると、やや冗長な感があったように思えた。

 AIやフィンテックといった技術導入により、この先金融がどうなっていくのかはわからないし、もしかしたら、金融の場において審査という概念が大きく小さくなってしまうのかもしれない。
 しかし、機械がきっと理解できないような「社長の熱意や仕事への真摯な姿勢」を感じ取ることができるのは人間だけで、そのような社長の性格を見極める泥臭い与信判断が、これから先の「人間が行う与信判断」になっていくように思う。さらに言えば、それができない審査マンは、融資の場にITが導入される中で排除されてしまうのかもしれない。

 また、与信判断や再生支援といっても何も難しいことはない。結局は、相手が信頼できる人間かを確かめたら、あとは自分が汗をかいて応援するだけのことだと感じた。

 もちろん、金融機関には人的リソースの制限があるため、どこまでできるかという問題もある。しかし、繰り返すようだが、金融の世界に攻め込んでくるフィンテック企業と差別化するためには、泥臭い仕事に邁進していくのが大切なのだと感じた。

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2018年02月11日

Posted by ブクログ

捨てられる銀行1の続編的な内容。著者、記者なんだけど、熱量高い書き方する人で、個人的に、熱量高いと勢いで誇張が含まれやすいと思ってるので、警戒しながら読むから、ちょっと疲れる。内容自体は、自分の知らない世界の話で面白い。前の本にも書いてたけど、組織の方針に合わせて人事評価制度を作らないと、へんな最適化が起こってしまうとあって、これは重要。

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2022年09月30日

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