筒井清忠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
明治史を人物別に追っていくもの。
一人約15頁なので、当然、情報量としては十分ではなく、この本だけで理解しようとすると無理がある。(初心者にはお奨めできない)
ただ、面白いのは、最近の研究に基づき情報を整理しているので、新たな発見も期待できること。そして参照した文献が挙げられていること。(興味があれば、それらの文献で深堀り可能)
人物篇と共にテーマ篇と併せて読む方と更に頭の整理になる。
・幕末における井上の学問的実践は、政治の動態に即応しようとする点で柔軟であり、政治の判断にあくまで朱子学的正当性を追求する点で剛直であった。
西洋情報に触発されて自在に議論を展開する横井に対して、井上は様々な -
Posted by ブクログ
『昭和史講義』を各論に展開したもの。短編の小論であるため表面的になっているところが多いが、それでもそれぞれのテーマの入口としての機能を果たしている。また、それぞれの著者による切り口の違いも感じ取ることができる。細かい話になってしまうのはそれはそれでよく、興味深いのだが、ただ残念なのは、それぞれの話の足下にいた日本国民の息遣いがほぼまったく書かれていないことである。
評論のための評論、歴史遊び、このような評価になってしまう面がある。そのとき人々の生活はどうなったのか、どのような影響を受けていたのか、そのときの気持ちは、このようなところからも切り込んでほしかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
まえがき 昭和陸軍の派閥抗争
第1章 東条英機~昭和の悲劇の体現者
第2章 梅津美治郎~「後始末」に尽力した陸軍大将
第3章 阿南惟幾~「徳義即戦力」を貫いた武将
第4章 鈴木貞一~背広を着た軍人
第5章 武藤章~「政治的軍人」の実像
第6章 石原莞爾~悲劇の鬼才か、鬼才による悲劇か
第7章 牟田口廉也~信念と狂信の間
第8章 今村均~「ラバウルの名将」から見る日本陸軍の悲劇
第9章 山本五十六~その避難構想と挫折
第10章 米内光政~終末点のない戦争指導
第11章 永野修身~海軍「主流派」の選択
第12章 高木惣吉~昭和期海軍の語り部
第13章 石川信吾~ -
Posted by ブクログ
日本の大衆は、日比谷焼き討ち事件から始まった。日露戦争の講和条約ポーツマス条約に反対する国民大会。
徳富蘇峰の国民新聞だけが、講和条約に賛成した。
日比谷焼き討ち事件は、討幕派から226事件までの中間的な思想事件。
排日移民法排撃運動ではアメリカ大使館の前で切腹。
初の普通選挙では2大政党時代が訪れた。政策より大衆人気が勝利する。
ロンドン海軍軍縮条約では国際協調主義の世論が、わずか3年後の国際連盟脱退では、松岡全権を大歓迎した。新聞の誘導が原因。
515事件は、国民の減刑運動によって海軍による刑は軽いものとなった。
満州国はフランスでは、不戦条約などに違反していないという論もあっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
第1講 木戸孝允~「条理」を貫いた革命政治家
第2講 西郷隆盛~謎に包まれた超人気者
第3講 大久保利通~維新の元勲、明治政府の建設者
第4講 福沢諭吉~「文明」と「自由」
第5講 板垣退助~自らの足りなさを知る指導者
第6講 伊藤博文~日本型立憲主義の造形者
第7講 井上毅~明治維新を落ち着かせようとした官僚
第8講 大隈重信~政治対立の演出者
第9講 金玉均~近代朝鮮における「志士」たちの時代
第10講 陸奥宗光~「蹇蹇録」で読む日清戦争と朝鮮
第11講 李鴻章~東洋のビスマルク?
第12講 山県有朋~出ては将軍、入ては首相
第13講 谷干城~国民本位、 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1講 加藤高明~二大政党政治の扉
第2講 若槻礼次郎~世論を説得しようとした政治家の悲劇
第3講 田中義一~政党内閣期の軍人宰相
第4講 幣原喜重郎~戦前期日本の国際協調外交の象徴
第5講 浜口雄幸~調整型指導者と立憲民政党
第6講 犬養毅~野党指導者の奇遇
第7講 岡田啓介~「国を思う狸」の功罪
第8講 広田弘毅~「協和外交」の破綻から日中戦争まで
第9講 宇垣一成~「大正デモクラシー」が生んだ軍人
第10講 近衛文麿~アメリカという「幻」に賭けた政治家
第11講 米内光政~天皇の絶対的な信頼を得た海軍軍人
第12講 松岡洋右~ポピュリストの誤算
第13講