飯田一史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
町の本屋は消えつつあるという歴史と事実を探る、改善の一つの手がかりになるであろう良書である。
本著が述べている通り、小さな本屋が生き残るためには、出版業界の流通の仕組みの制度が硬直していることが原因の一つと捉えている。確かに、本屋は古書店の比べて自由に価格を決めることはできない。だからこそ、どの本屋においても価格は一定であるということを知る必要があり、それらに多くの要因によって全体的なコストが上がり小さな書店ほど負担が大きくなっているのだという。
私は思う、それらは「町の本屋」だけで起こる現象ではなく、大型書店でも閉店や店舗を集約しているところも見受けられる。時代という曖昧な言葉で一括りするほ -
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書店でふと気になったものなんだけど、実は著者、”若者の読書離れ”の新書をものしたその方でした。同署では、実は読書への親和性は過去から現在にかけ、少なくとも落ちていないというものだったけど、本書も、一般に信じられている本屋減少の原因を、改めて問い直すものとなっている。ネット隆盛の時代だからとか、それこそ読書離れが進んでいるからとか、いかにもな理由が語られるけど、実はそれらはあまり関係がない、と。それ以前から、そもそもの商売形態として、書店は成り立っていない。他業種ではあり得ない薄利を、雑誌の隆盛やら、他業種との兼業やらでなんとかやり繰りしてきた歴史が明かされる。で、そのあたりでカバーしきれなくな
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・「子どもの本離れ」は80~90年代の現象であり、小中学生の書籍読書量は過去最高レベル
・高校生の平均読書冊数は70年代から横ばい
・高校生・大学生の不読率(約50%)や読書量は日本人(大人)の平均とほぼ同水準
・ネットやスマホの普及による変化は少ない
・読書量は環境よりも遺伝的要素に左右される
意外といえば意外、納得といえば納得。学校読書調査などの分析から浮かび上がるのは、「昔も今も読む人は読むし、読まない人は読まない」というある意味身も蓋もない現実。後半では今の中高生が好む本の特徴や、なぜそれが好まれるかを具体的な書名や著者をあげて分析している。 -
Posted by ブクログ
「若者の本離れ」が進んでいるという人口に膾炙したイメージに対し、マクロデータをもとに、小中学生の平均読書冊数は近年V字回復しているといった若者の読書の実態を明らかにし、さらに、「学校読書調査」などで挙げられた中高生が好む本を著者が実際に網羅的に読み込むことで、近年の中高生がどんな本を読んでいるのかを分析。
そして、中高生が本に求める「3大ニーズ」として、①正負両方の感情を揺さぶる、②思春期の自意識、反抗心、本音に訴える、③読む前から得られる感情がわかり、読みやすいを挙げ、それに応える人気の本の「4つの型」として、①自意識+どんでん返し+真情爆発、②子どもが大人に勝つ、③デスゲーム、サバイバル、 -
Posted by ブクログ
紙媒体の書籍は初期コストがかかり、作家育成やプロモーション能力をもたない版元に頼らざるをえない点でウェブ小説に劣後しているという論陣。紙媒体でインタビューをしてきた作者はよほど不愉快な思いをしたのか、メディア展開、二次創作がはかれるウェブコンテンツに日本サブカルの未来を見出したのか。iモード小説サイトであるベリーズカフェは2005年だが、小説家になろうサイト、ボカロ小説など既存の紙媒体に収まらないコンテンツ形式は2010年に日本でも発生している。電子書籍(ほとんど漫画)の売上も堅調だが、ウェブ漫画は韓国に追い抜かれているという各種メディアの概観が描かれるが、アニメ以外のサブカルメディアは停滞状
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Posted by ブクログ
新人漫画家に語りかける構成で読みやすい。
無口禁止!というのはいいなぁ。とにかく職場は明るく。コミュニケーション大事ってこと。
これは対編集者も同じことで、藤田和日郎の仕事場から多くのプロ漫画家が輩出される理由がわかる。
気になったのは以下。
・情念を込めて線を引きな
・感動するネームを描け 人の心が変わるもの
・主人公を立たせてそのあとで世界観をつくるのが少年漫画の基本
・なんで?を突き詰めるとキャラクターが立ってくる
・ストーリーは欠けてるものが満たす
・外に答えを探すな、内を見つめろ
あと、映画『オーロラの彼方に』は想像以上のハッピーエンドらしい。