【感想・ネタバレ】「若者の読書離れ」というウソのレビュー

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Posted by ブクログ

「若者は読書離れしている」という、一般に思われていることの否定が主な内容かと思いきや、それだけにとどまらず、ではどんな本が読まれているかという点も知ることができてなかなか面白い。朝読によって読書時間は増えているという認識は合っていたけれど、『ハリポタ』とかラノベのおかげで読書時間が長くなっているのでは?という想像は、すでに古くなっていた(って『ハリポタ』は何年前よって話か)。三大ニーズと四つの型による若者に人気の書籍の分類はその世代を知る上で役に立つ。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

すごく勉強になるが、私が活用する局面はなさそう。知らない世界を紹介してくれる本なので楽しい。

表題に関係する、小中学生の読書量は減るどころか増えている(朝読の成果)という指摘には個人的には新鮮味は感じなかった。
ただし、そうやって最近の世代で読書量が増えているのに、年齢が上がるに従って旧世代と大差なくなるというのは面白い。
結局のところ読書になじめるのは一定数でそれは遺伝的に決まっている、という仮説の当否はともかく、朝読で若者たちに読書習慣を身につけさせた社会実験の結果なので重たいと思う。

…というような話は面白いけどヘッドラインを読めば済む話なので、本の評価がそんなに上がる要素ではない(私にとっては)。

この本のすごいところは、小中高生たちが好む本を読んで、そのパターンを抽出したところ。
21世紀になってから子どもたちの間で広く読まれてきた本を、私の代わりに読んで説明してくれるのがありがたい。
最近のヒット作の多くがその系統なんだけど、あんまり自分で読む気にならないのですよね(あえて具体名は出さないが本屋大賞の系統とか)。
一方で、太宰『人間失格』とか東野圭吾とかが、アダルトな(?)作品の中で特に子どもにも好かれる理由を推測しているのが、大人読者との接点になっている。

子どもたちに人気で映画の原作になろうが山田悠介とか読む気にならないよなあ、と思っていたのだが、今となっては彼も徐々に読まれなくなってきているとのこと。その理由は、ちょっと切なかった。

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2023年11月23日

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卒論のために今読んでる本が当たりすぎた。
これは卒論とか関係なくみんなに読んでほしい。
活字離れっていうけど結局本ってそんなに読まれてないの?読書人口ってそんなに減ってる?KADOKAWAとか出版社は大丈夫なの?そもそも書店の売り上げって少ない?だったらTikTokのけんごの影響力は?などなど
今まで疑問に思うところがあるこの議題、ついにメスが入ります!Z世代とか新書だとか関係なく読んで!

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2023年10月03日

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「2010年以降小学生は月に10冊以上本を読んでいる」から始まり大変読み応えのある統計のまとめと考察だった。ぼくらシリーズが今も読まれていて懐かしく思ったり、コナン劇場版ノベライズの人気や、東野圭吾こんなに読むんだ、と驚いたり。

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2023年07月08日

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若者の読書について、データによる実情も自分の感覚としても納得できるところが多く、フセンめちゃくちゃ貼って読んでました。

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2023年07月02日

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学校読書調査などデータを元に中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのかを述べる。
中高生の読む本を3つのニーズ4つの型に分類し、具体的に作品を読み解くなどわかりやすく興味深い内容。本好きによる視点ではない捉え方に納得させられた。

ここで取り上げられている中高生に人気の本や、中高生の好む傾向の本を並べた中高生のための本屋があればいいのになと思う。
そこに中高生が自分では出会えにくいタイプの本も並列することにより、本への興味が広がる…と考えるのは押し付けがましい幻想だろうか。

しかし児童文庫に関しては述べられているが、児童書ジャンルのYAについては一切出てこないのが悲しい。中高生の声としても現れてなかったのだろうか。
3つのニーズ、4つの型に当てはまるYA作品は多くあるので、それとの出会いをどう作り上げるかだろうか。堅苦しいイメージの問題なのかなあ。

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2023年06月26日

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いまの中高生がなにを読んでいるのか
客観的なデータをもとに解説してくれている。
個人的には小学校中学年〜中学生の男子に絶大な人気を誇る、小説版「星のカービィ」についての考察が面白かった。いままでそんなところに突っ込んで考えてくれた人、いなかったんじゃないかな。

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2023年06月25日

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この20年間で小中学生の平均読書冊数はV字回復したが、「若者は本を読まない」と当たり前のように語られている。各種データから中高生のニーズや人気の本の型を提示し、若者の読書についての思い込みを打ち破る。

なかなか面白かった。
読書離れは進んでないし、大人のほうが読んでいない。
その中で我が家は読んでいるほうかも。

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2024年05月05日

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若者の読書離れが叫ばれるようになって久しいが、統計データを引用しながらその実態の如何に迫る本。

以下覚書
・若者の読書離れは言うほど進んでいない
・小学生は中高生よりも読書をしている
・社会人に限れば、二人に一人が読書している
・雑誌に限って言えば、若者の読書離れが進んでいる
・行政による読書推進活動により、邦国における読書率は隣国に比べて見劣りしているわけではない
・若者が読みたい本と親世代が若者(子ども)に読んでもらいたい本には相違がある
・読書推進活動をすれば、読書率が上がるわけではない。読書の習慣は半分遺伝で決まる

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2023年11月04日

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この20年間で、議員の尽力や文科省の方針転換や法整備などの効果により、小中学生の平均読書冊数はV字回復した。高校生は変化はないが、大人が読んで欲しい本は読まい傾向があるようである。
大学生や大人の不読率は伸びているが、遺伝的な問題もあるので仕方ない。
本の回りにいる大人たちは、もっと気を楽にして、現状を続けていけば良いのではないかと思った。

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2023年10月24日

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ネタバレ

 以前、「トレビアの泉」というTV番組がありましたが、そこにあった「へぇ~」ボタンをバシバシ叩きたくなる内容です。

「若者」と言っても、主に10代を軸に書かれていますが、①小中学生の読書率・平均読書冊数は2000年以降V字回復(児童書は一人当り販売額はほぼ倍増)、②日本人の半分が本を読み(平均月1~2冊、一日30分程度)、長期間この傾向は変わっていない、③但し、「雑誌」は減少傾向に歯止めがかからず伸びしろがある、ということにつき、グラフを交えてデータで検証しています。特に、「子どもの読書量に関して、本棚や蔵書などの環境要因からの影響は確認できず、遺伝的影響だけが『影響あり』と統計的に見なされた」というのには少なからず驚きました。

「若者」には太宰治の『人間失格』が依然人気のようですが、売れるには「お作法」があり、①正負両方に感情を揺さぶる、②思春期の自意識・反抗心・本音に訴える、③読む前から得られる感情がわかり読みやすい、が三大ニーズと書かれています。これを踏まえた「型」もあり、子どもが大人に勝つ(『名探偵コナン』)、脱出もの(『王様ゲーム』)、余命もの(『余命10年』)などなどが分類・列挙。

 書店で「いま売れています!」のポップにつられて購入したものの、どうもしっくり来なかったのは、ネット小説や「若者」向けのものだったのだと「へぇ~」ボタンを押しながら納得しました。

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2023年10月11日

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「本を読まない人がいることを問題視するのではなく、当然視するべきだと。
その前提で働きかければ本を読むようになる余地がある人たちへのアプローチこそ重要」
なと思いました。
読まれる本の3大ニーズと4つの型、カテゴリージャンル別に見た中高生が読む本、10代の読書はこれからどうなるのかということが分析されていて面白かったです。
韓国の詩など、店頭に並べられているのを見て、個人的にどこからブームになっているのかなってちょっと個人的に疑問に思っていたので、納得。
巻末に
今の学年になってから読んだ本
2022年の学校読書調査
も紹介。
傾向分析が面白かったです。

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2023年09月22日

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ネット記事で紹介されていたのが気になっていた。

子どもの読書冊数と不読率のことは知っていた。
それ以外の分析が興味深い。

ラノベが子供たちから離れていたのは知らなかった。
当たり前に人気だと思っていたので、これは改めないと。

中高生の読書に対する三大ニーズと四つの型の分析が面白い。
結構、大人にも当てはまるのではないだろうか。

エモいポエムへの需要も知らなかった。
韓国の翻訳エッセイものも、名前だけ聞いたことはあったが中高生への需要があったとは。

こういうニッチなところを取り上げる本が、もっとたくさんあればいい。
ないからニッチなのだけど。

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2023年09月21日

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中高生の読書について、データをもとに考察していて面白かった。書店員や司書など本を薦める側が読んでためになる内容。

「三大ニーズと四つの型」を知ったうえで、今の流れを感じとり、「子どもが読みたい本を提供してあげる」が大事だと思った。

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2023年09月11日

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読書を教養として消費する風潮は一定程度は否定できないにせよ、エンタメとしての消費という枠組みは、昨今のコンテンツ隆盛の時代において「なされなければならない」という金科玉条はどれほどの正当性を持つのかは個人的な疑問である。

筆者の主張としては、生の声よりもデータとして捉えた読書実態に論点を見出すことを選び、若者の読書における共通のテーマを抽出しているが、若者が多く手に取る書籍がその共通点を保持しているという構成はある程度結論ありきのようにも見えてしまう。

一方で、そもそもの読書実態についてはデータとしてよくまとまっていて、読書量の変遷や人気書籍の中身、出版業界の四半世紀の流れなど、改めてデータを軸に捉えると見逃していた部分も多くあり、それに対して毒支所教育のあり方がどう試行錯誤されてるか(いくべきか)といった施策の難しさと、広遠な課題としての面白さのようなものも感じた。

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2023年08月13日

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若者の読書離れが数字的に見て、事実でないことを述べている。また、10代の若者に受け入れられる本には特徴があることを指摘していて、こちらの方が面白かった。

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2023年08月03日

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読書教育をする身として、大変興味深い内容だった。

この本の内容を大まかに言うと、実は読書離れが進んでいるわけではないこと、子供たちの求める本には傾向があること、この2点について、さまざまなデータや書籍を引用しながら明らかにしている。

本を読まない層も多いが、概ね子どもたちは本が好きな子が多いと感じていたので、全国的な傾向が知れてとてもよかったと思う。

また、読書教育の一環で、読まない生徒を読書好きにするにはどうするか?ということがあったのだけど、この本のおかげで肩の荷が降りたようだった。
読書を好きになるかは、生まれつきの部分が多いということ。つまり、スポーツが好きになったり、ゲームが好きになったりという趣味傾向の意味で、その人の元々持っている遺伝的要素が強く出るということなんだろう。
文字を読むよりも絵や動画の方が学ぶことの多い子どももおり、それぞれの情報への接し方の好みは、生まれつきの部分が多い。だからといって、読書教育をしても意味がないと言うわけではなく、読者を好む傾向のある子たちに本を届ける活動として、現在の読書活動を続けていこうと思った。

また、子どもたちが好む傾向のある本についても、なんとなく共通点があると思っていたので、この本で具体的に理解できてよかったと思う。
個人的にはノンフィクションの本を生徒に読んでほしいと思っているので、自分ごとに捉えられるようなものを探したい。

私自身は読書好きな方なので、自分が好きな本を生徒に勧めてもピンとこなかったり、難しすぎたり、年齢層が違いすぎたりと言ったことがあった。
課題図書を選ぶときにも、かなり参考になると思う。

本に携わるさまざまな人にこの本を読んでほしい。

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

書籍紹介サイトの内容から興味持ち、購入。

言葉として若者の読書離れ、は叫ばれているが、あらためてデータを見ると小中学で上がり、高校からはそんなに変わらないというのが如実に見て取れる。 数字が上がらない理由についての著者の考察も、個人的に納得感あった。

また今どきの学生が読んでいる本も、結構興味深い。3つの型、4つのパターンというのも、分類される上で納得感があった。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

久しぶりの新書

ずっと「若者は本を読まない」そう思っていたけれど、意外と読んでいるじゃん!というのが素直な感想です

私自身がかなり本を読むほうなので、あまり読まないと聞くと寂しくなってしまうのですが…
確かに朝読書の時間とかあるから読む時間は増えていますよね

私自身、本であれば何でもいい!というスタンスなのでマンガだろうがケータイ小説だろうが読んでいるならいいと思ってしまいますが、それじゃダメな人もいるのかな?

でもこの本を読んで、女子高生に自信をもってお勧めできる小説ができました笑

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

最近の若者は本離れしている説を数値データから解析。
いつの時代も本を読む読まない大人の数はこの値に収束している、という一章が興味深かった。
読書する、しないは環境より遺伝によると言えるだろう、の辺りはもう少し詳しく知りたいところ。
月に7冊以上本を読む大人は3%だそうですよ。

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2024年02月25日

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中高生の読書に対する3大ニーズと4つの型

1正負両方に感情を揺さぶる 

2 思春期の自意識、反抗心、本音に訴える

3 読む前から得られる感情がわかり、読みやすい

である。これを効率的に満たすための「四つの型」が存在する。

①自意識+どんでん返し+真情爆発

②子どもが大人に勝つ

③デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム

①「余命もの(死亡確定ロマンス)」と「死者との再会・交流」

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2024年01月30日

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気になった部分しか読んでいないので偏った感想になります。
若者の読書離れや、スマホの普及、本の印刷数が減っているという情報で勝手に若者は本を読まなくなっていると思っていました。昔と今ではあまり変わっていないという結論でしたが、依然として低い水準だと感じたので、本の魅力に多くの人が気づいてほしいです
若者がどのようなジャンルの本を読んでいるのかはあまり気になりませんでしたが、面白いと思いました。

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2023年11月28日

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「若者の本離れ」が進んでいるという人口に膾炙したイメージに対し、マクロデータをもとに、小中学生の平均読書冊数は近年V字回復しているといった若者の読書の実態を明らかにし、さらに、「学校読書調査」などで挙げられた中高生が好む本を著者が実際に網羅的に読み込むことで、近年の中高生がどんな本を読んでいるのかを分析。
そして、中高生が本に求める「3大ニーズ」として、①正負両方の感情を揺さぶる、②思春期の自意識、反抗心、本音に訴える、③読む前から得られる感情がわかり、読みやすいを挙げ、それに応える人気の本の「4つの型」として、①自意識+どんでん返し+真情爆発、②子どもが大人に勝つ、③デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム、④「余命もの(死亡確定ロマンス)」と「死者との再会・交流」を指摘している。
近年、子どもの読書推進政策の影響により小中学生の読書率・読書冊数が上昇していることや、いつの時代も(おそらく遺伝の影響で)大人は2人に1人程度しか読書していないことなど、データから若者などの読書状況の実態を知ることができたのは勉強になった。
また、自分は月10冊程度とかなり読書するほうだと思うが、本書で紹介されている最近の中高生が好む本はほとんど読んだことはなく、正直、あまり今後読みたいというものも少なかったが、こういう本が最近の中高生には好まれているのねというのがわかったのは、興味深かった。
「10代が読みたい本」を軸に考え直すという提言など、若者に対する読書推進施策をよりよいものにする上でも参考になるところ大である。

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2023年11月16日

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読書に関して、「若者」=「読書離れ」の図式が、久しく言われているが本当なのか?という点からデータからその図式に反論を述べている新書。本好きからは、見えにくい点で面白く読める。特に「ラノベ」という一世を風靡したジャンルは、若者を切り捨てその上の世代にシフトしていった点は、「成程」と思った。

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2023年08月30日

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若者が今読んでいる本がよくわかる
自分のケータイ小説やラノベなどが優勢だった時代とは様変わりしていて興味深い

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2023年08月27日

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タイトル通り、若者(小学校~高校生)が本を読まなくなったというのは、いつの間にかそういう意見が世の中に罷り通っていただけで、実際はそうではないという話。

私は漠然と「今の子は本は読まない」と思っていたのだが、やっぱり信頼出来る統計でないと、正確な認識はできないのだな。今後は、誰かの意見を鵜呑みにすることはやめたい。

さて、中高生がどんな本を読んでいるのか興味深く読ませてもらった。
ラノベの人気が昔より落ち、ある法則に従った本が読まれているという考察が面白く、中高生向けの本を書きたい人にとって重宝する情報となっている。そんなこと知っていると思うが。

「できない自分を慰める」系の本も受容があるそうだ。
そうか、今の日本の子たちは自己肯定感が低めなのか。そんな風にしてしまったのは、私たち大人の責任でもあるのかもしれない。

前々から思っていたが、「本を読まないこと」は嘆くようなことではない。読書はあくまで趣味であって押し付けるものではないのだから。誰が何の本を読んでもいいじゃないかと思った。

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2023年08月11日

Posted by ブクログ

色々参考になったな。児童文庫の人気レーベルや、若者が読む本には型がある話。なるほどなあと思った。大人になって読書をする人はベースが作られてないと新規で増やすのは難しいようだし。若者で読む枠に入る人は増えてる部分を大切にして、大人になっても読む方へ育てられたら1番なのかなと思った。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

平均的な中高生の本の世界と本好きの大人の本の世界は全然違うから、本好きの大人が読んで欲しい「良書」を押し付けるのは双方不幸という結びにどきっとした。たしかに本書を読んでろくなもの読んでないなと思っちゃったけど、そもそも大人だって読書全然してないしろくなもの読んでないんだし。
本好きでかつそれなりに骨太な書籍を好む人間の方が平均から外れてるんだねえ。昔から異端なのはこちら。
(上には上がいるので私なんか全然と思っちゃうけど、月10冊以上読んでる人は人口に対してたぶん1%いかないくらいの異端っぽいです。)

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2023年06月27日

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