飯田一史のレビュー一覧
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自分自身、タイトル通りのイメージを持っていた(「今どきの学生はSNSやゲームが豊富だから、読書に時間を費やしてなさそうだな~」みたいな)。
本書ではそういった漠然とした偏見を、学校読書調査のデータを紐解きながら正していってくれた。
「60年代から平均読書冊数や不読率はほぼ変わらんよ」とか「00年以降の小中学生は朝読とかの取り組みでむしろ改善されてるよ」とか「雑誌は確かに読まれなくなってるけど、書籍はそんなことないよ」とか…。
あと、「本読む人、読まない人は遺伝子レベルで決まってて、読まない遺伝子の人は本に囲まれて育っても読まない」というのも意外性があった。他書籍だが「ビジュアル・シンカーの脳 -
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書籍に関わる仕事の人はもれなく全員読んだ方が良い本。
最近の若者は本を読まない…本を読まない子供が増えてる…スマホやSNSの普及で読書人口が減った…等々、たくさん言われているし自分も実際そう思っていたが、本書はデータを基に「子供の読書率はあがり、大人の2人に1人は本を読まない」と結論付けていて衝撃だった。そもそも、本を読める読まないに関しては遺伝の影響によるところが大きいとのこと。※ただし、雑誌の不読率は上がっている。
また、実際中高生に読まれている本から、中高生が好むニーズや型にも言及されていて納得感がすごい。ちなみに調べたのか元々ご存知だったのかはわからないが、オタク文化への理解が深く、 -
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ネタバレ2024年時点で、32歳なので、Z世代はひとまわり離れた世代。どういった書籍を読んでいるかの知見が広がりました。
この作者の偉いところは、「中高生が好む本を実際に網羅的に呼んで分析する」という方法を選択したところだと思います。
即座に自信で言ってる通り、主観にはなってしまうかもしれないけど、単なるデータをお出しされたよりは、読み物として面白いし、どんな本か実感を持って受け取れます。
だから、読まれる本の「四つの型」「三大ニーズ」というのを、示すことができたのでしょうし。
①自意識+どんでん返し+真情爆発
②子どもが大人に勝つ
③デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム
④「余命もの(死亡確定ロマン -
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本書のタイトルを見てドキッとした人は多いのではなかろうか。
本書では統計などのデータをもとに分析し、若者が読書離れしているわけではないことを説得力を持って示している。
恥ずかしながら自分も段々とみんな本を読まなくなっているのではないかと思っていただけに、認識を改める機会が持ててとても良かった。
私は自分自身が中高生時代に読んでいたのが9割以上ファンタジー児童書だったため、本書で紹介されている数々の本のほとんどを、耳にしたことはあれど読んだことはなかった。一部は大人になってから読んだ。
大人になり、若者と接すること自体が極端に減ってしまいはしたが、若者を理解する上で、彼らがどのような本を読み -
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ネタバレ以前、「トレビアの泉」というTV番組がありましたが、そこにあった「へぇ~」ボタンをバシバシ叩きたくなる内容です。
「若者」と言っても、主に10代を軸に書かれていますが、①小中学生の読書率・平均読書冊数は2000年以降V字回復(児童書は一人当り販売額はほぼ倍増)、②日本人の半分が本を読み(平均月1~2冊、一日30分程度)、長期間この傾向は変わっていない、③但し、「雑誌」は減少傾向に歯止めがかからず伸びしろがある、ということにつき、グラフを交えてデータで検証しています。特に、「子どもの読書量に関して、本棚や蔵書などの環境要因からの影響は確認できず、遺伝的影響だけが『影響あり』と統計的に見なされ -
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「本を読まない人がいることを問題視するのではなく、当然視するべきだと。
その前提で働きかければ本を読むようになる余地がある人たちへのアプローチこそ重要」
なと思いました。
読まれる本の3大ニーズと4つの型、カテゴリージャンル別に見た中高生が読む本、10代の読書はこれからどうなるのかということが分析されていて面白かったです。
韓国の詩など、店頭に並べられているのを見て、個人的にどこからブームになっているのかなってちょっと個人的に疑問に思っていたので、納得。
巻末に
今の学年になってから読んだ本
2022年の学校読書調査
も紹介。
傾向分析が面白かったです。 -
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ネット記事で紹介されていたのが気になっていた。
子どもの読書冊数と不読率のことは知っていた。
それ以外の分析が興味深い。
ラノベが子供たちから離れていたのは知らなかった。
当たり前に人気だと思っていたので、これは改めないと。
中高生の読書に対する三大ニーズと四つの型の分析が面白い。
結構、大人にも当てはまるのではないだろうか。
エモいポエムへの需要も知らなかった。
韓国の翻訳エッセイものも、名前だけ聞いたことはあったが中高生への需要があったとは。
こういうニッチなところを取り上げる本が、もっとたくさんあればいい。
ないからニッチなのだけど。 -
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藤田和日郎、新人アシスタント育成術を語る!
という歌い文句が帯にあります。
ビジネス書のような煽りですが、育成術というより漫画に対してこういう風に感じて書いています!という決意表明みたいなものかな。そこまで大上段に振りかぶっていないようにフォローしてますが。
とはいえ、新人や後輩に仕事を教える時にこういう言い方したいなぁ、と思うことも多々あり。ブレないことだよね、教える際に。それが一番難しいんだよなぁ。
こちらとしてはブレていないのだけど、受け取る方が矛盾を感じてしまう言い方になってしまっているんだよなぁ。
担当の武者さんに言われたこと、それを噛み砕いて伝える藤田和日郎さんがいるというのは -
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『うしおととら』などを代表作として持つ漫画家、藤田和日郎氏が漫画家としての大切なことを語ります。漫画家にとってまず大事なのはコミュニケーションをしっかり取ること、好奇心を持つこと、編集者に言われた助言を自分の頭で噛み砕き考えて血肉に変えること、自分の「好き」を追求すること、そのためには精緻に言語化すること。そういった内容を読み手に優しく語りかけ、諭すような語り口調で綴られています。これは漫画家に限らず職業一般に通じると思います。特に本書の最後のほうに書かれている「オリジナリティ = 好き」はとても大事。著者の新人に対する愛情を感じました。良書です。
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