飯田一史のレビュー一覧
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ありとあらゆる所で徹底的にバカにされ軽んじられてきた(なろう系を始めとする)ウェブ小説なだけに、ここまでそれを全面的に肯定して書かれている本を読むのはとても楽しかった。
根拠の取り揃え、考察と、その説得力において非常に納得の行く内容で有り良書に感じる。2016年の書籍なので現在は更に状況が変わってしまっているのだと思うけれど、とても面白かった。
私は特に、究極的に快楽追求型であり・その"高尚さ"において最底辺を走る「HARDCORE TECHNO」を作る人間なので、畑違いながら最後のQ&Aなどは痛快とすら言えるレベルだった。(周りの同好の士が、好き嫌いではなくそ -
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ネタバレ2017/6/18
発売すぐに買ったけど読むのは今頃。
読者だけど読んじゃいました。
前から熱い人だとは思っていたけどやっぱりめちゃくちゃ熱い人でこっちまで熱くなった。漫画化志望じゃないのに。
好きなもの人に言わなくなったもんな~
熱く語るなんて滅相も無い。
人に心のうちを見せるのが怖くて怖くて避けてるうちに自分でも何が好きだかよくわからなくなってどうすれば熱くなるのかもわからない現状ににっちもさっちもいかない八方塞出口はどっち?って日々なんだけど、こういうことをすれば出られるのかも。
からの最終章。
「耳あたりのいい言葉」はコワイと来た。
スゴイスゴイ!大興奮。バレてる!
耳あたりのいい言葉 -
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購入済み
これは社会人の教科書
少年期に多くの少年がちょっと位は思うであろう
「漫画家になりたい」
多くの少年達と同じく、気がつけば何の関係も無い業種で管理職のオジサンになっている私ですが、新入社員や就職を目指す学生に読んで貰いたいな、と思いました。
この本に書かれてる事は、漫画家さんだけのものじゃない、社会人の心得です。社会人になって20年以上経つと解ると思う、フジタさんとムシャさんが如何に優しいかって事が。
自分の仕事が評価されない時、評価されない理由を教えてくれる人は少ない。フジタさんの様に教えてくれる上司が居たら、それはラッキー。大抵の大人は「アイツ使えないな」でおしまい。
「全然駄目だけど、ここを直してまた持っ -
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小説の売り上げ上位ベスト20の内、今やおよそ3分の1がWeb発の小説。一体今、書籍の世界で何が起きているのか?
本書は膨大なデータと多くの関係者や読者に取材した証言を元に、一般文芸書には無いWeb発の小説の傾向性や特色、その長所や短所、また今後の展望について述べられている。
本が売れなくなった時代、体力を失った出版社は新人の発掘および育成する力を徐々に失った。
その役割を変わって引き受けたのが、数多くの小説投稿サイトだと本書では説明されている。
投稿すればすぐに読者から反応があり、それを元に次の話に生かすことができる。
続きが読みたくなる飽きさせない為の仕掛けが、短い話数に盛り込まれてい -
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ネタバレ本好きとして知っておかねば、、と思って手に取った一冊。正直全然何も知らなかったらから、そんな時代もあったのか、そういう仕組みになってたのか、と驚き。本という知識への第一歩が安価で手に入ることは、広く人々に開かれているという意味でこの上なく良いことだと思うのだが、一方でそれを置く本屋側がここまで経営上苦労するとなると、自分でやろうとも思わないし、難しい。
最後に書かれているように、最近ではスペース販売との兼業や、独立書店の新しい動きはある。10年、20年後に本屋がどのような形で、どれくらい身近に存在しているのか、できるだけ開かれて、多くアクセスしやすい形で残っていることを祈るばかり。 -
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「最近の若者は本を読まない」という主に中高年の固定観念を覆す、データをもとにしたティーンエイジャーたちが何を読んでいるかについて解説した本。ラノベやラブコメといった、これまた思い込みについても批判的考察を加えながら若者たちの好きな本の意外な実態が明らかとなる。
現在の小学生たちは、主に文科省の学力向上政策によって平均月10冊もの本を読んでおり、学校図書は近年非常に充実している。むしろ大人の方が、50%は月1冊も読まない等の読書離れが進んでおり、進学・就職するにしたがって本を読まなくなる傾向にある。
また近年人気なのはデスゲーム、余命もの、異世界転生ものといった割とシンプルかつ結末が予想しや -
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かなりの労作でないか。
今まで自分が思っていた「書店を取り巻く環境」がいかに間違っていたのか気付かされる。
・本屋はふらっと寄る場所から本好きがわざわざ行く場所に変わってしまった。
・意外な位、本屋に通っている人がいる。週1回以上で75%、え?本当。本屋に来ている人へのアンケートだからか、こんなものか。
・町の本屋は最盛期の90年代でもつぶれていた。
・昔から兼業している本屋が多かった。それでないと経営的に無理だった。
・無書店の町村は昔からあった。
・本屋がつぶれた原因は、ネットやスマホのせいではない。
・昔から読書率も不読率は変わっていない。
・不読者、読書をしなくなったから本屋がつぶれた -
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本書のタイトルについて
「つぶれる」という言葉は強い。当の書店から反発が起こり、売りづらくなるのではとの懸念から「消える」「なくなる」のような比較的穏当な言い方に変えられないかと何度も平凡社の編集、営業の方々から提案された。(まえがき より)
企画を引き受けた時点で、会社として相当な覚悟があったはずなのに、横槍を入れてくる社員がいるのすごいよな…
この人たち、何がしたくて出版社に入ったのだろう?
「書店の経営は大変だろうな」とは常々思っていたけど、昔から赤字体質だったとは…
厳しい状況下でもがんばってくれていた「つぶれてしまった」書店の皆さまに改めて感謝
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Posted by ブクログ
ネタバレ雑誌離れは進んでいるものの、90年代よりも今の中高生の方が書記を読んでいる。
TikTok売れは、新規のタイトルが突然売れたわけではなく、すでに定評のあった作品が再度注目を浴びたもので、加えて、中高生全体の読書量を押し上げたとは言えない。
石田光規(2021)『友人の社会史』「地縁・血縁や企業共同体の希薄化に伴い、人間関係の流動性が上昇した結果、日本の若者は80年代ころから何でも打ち明けられる「親友」を持てなくなってきている。」「60年代までの農村社会における切っても切れない関係と異なり、現代においては友人関係は自ら「選択」して築き、維持するものに代わっているため、本音の吐露や激情を交わし