飯田一史のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
読者も読んで!
特に印象に残ったのは、会話・ネームの大切さを「言語化の訓練」と説いている項目。言語化は、自己の好き嫌いを深く掘り下げて心を動かすものの正体を知る。また他者との違いを知り客観性の視点を持つ手立てでもある。ひいては作者の思いが詰まったキャラクターの魅力となり、読者を惹きつけて止まない作品の根幹になる。
他の漫画指南書ではここまで熱く語られないだけに興味深い内容である。 -
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日本の出版社がこの本を出すのをよく許したなぁと思えるほど業界の闇に切り込んだ内容だと思う。
正直完璧にに理解できたとは言い難いが今も昔も町の本屋が順風満帆だった時代はほぼなかったんだろう。事実として私の地元ではだいぶ前に町の本屋は姿を消した。大型店があるからそんなに困ったことはないけど、それも当たり前ではなく相当な経営努力のうえで成り立っていて薄氷の上に立つような状況なのだと思う。
考えてみれば昨今様々なものが値上げされているけど、その中に本は含まれていない気がする。でも運搬費や資材費諸々は値上がりしているわけで、その分何が削られているのか……これ以上は言わないでおきましょう。
何にせよ -
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「最近の若者はスマホばかりで、本を全く読まない」というお小言をよく耳にします。
しかし実はそんなことはないのです。特に「最近の若者は」という部分について。
本屋ではティーン向けのコーナーはしっかりとありますし、相変わらず夏休みの読書
感想文の課題をあてこんだ名作フェアは続いています。
データ上では、若者も大人も「読む人は読む」「読まない人は読まない」のです。
しかもマーケティング調査がしっかりしている現在では、どんな内容が若者にウケる
か明らかです。
出版社側も、そこに狙いを定めて次々と新作を供給しています。そこでは狙い通りの
売上は上げられているようです。若者が本を全く読まないとい -
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読んで良かった。子供の頃サンデーを買ったらからくりサーカスが連載していて読んでみたのだけど、なんだかよくわからなかった、どうゆう目的のある物語なのかわからなかったし、最初から読んでないからわからないのかなと思ってけど、途中から読んでも面白い漫画もあったから、あんまり面白くないなあと思っていた。からくりサーカスが面白いと思えなかったから作者のうしおととらも読んだことない。有名なのは知ってるけどからくりサーカスの人の漫画が面白いとは想像つかなくて…でもこの本はとても良かった。編集者との付き合い方が載っててなるほどなあと思ったし、難しくもあったけどためになる本だった。
子供の頃楽器を習った時に先生が -
Posted by ブクログ
すごく勉強になるが、私が活用する局面はなさそう。知らない世界を紹介してくれる本なので楽しい。
表題に関係する、小中学生の読書量は減るどころか増えている(朝読の成果)という指摘には個人的には新鮮味は感じなかった。
ただし、そうやって最近の世代で読書量が増えているのに、年齢が上がるに従って旧世代と大差なくなるというのは面白い。
結局のところ読書になじめるのは一定数でそれは遺伝的に決まっている、という仮説の当否はともかく、朝読で若者たちに読書習慣を身につけさせた社会実験の結果なので重たいと思う。
…というような話は面白いけどヘッドラインを読めば済む話なので、本の評価がそんなに上がる要素ではない( -
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大好きな漫画家で藤田和日郎さんという方がいるのですが、その方が書く、創作論です。
どのようにしたら面白い漫画が描けるか、というのがかなり丁寧に書かれています。
新人アシスタントに教える、というていで書かれているので、藤田さんの漫画のように少年漫画の王道が、どうやれば描けるのか、話の作り方やキャラの立て方まで論理的に書かれてるのですが、漫画を書かない私にとって学べたのが、個性とは、言語化できる好きなことである、というところです。そのために徹底的になんで好きかを掘り返せ、外に答えを求めるな、人に説明しろ、意見をもらえ、とあります。自分の人生の指標にもなるなと思いました。
この作家が好きな方にはすご -
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Posted by ブクログ
これはなかなかに興味深かった。最初の方、児童書の歴史についてはちょっとかったるかったけど、後半、具体的な作品のいちいちについての論考は、どんどん読まされる求引力があった。ジャンプ、コロコロ、ちゃおについては、なるほどって感じ。以下の各書は、子どもに勧めてみたいと思えたもの。それにしても、確かに言われてみれば、幼少時は児童書コーナーなんて、全然魅力的な場所じゃなかったですわな。
ルルとララ(あんびる)、ほねほねザウルス(アンモナイツ)、グレッグのダメ日記(キニー)、王女さまのお手紙つき(ハリソン)、リリアーネ(シュテーブナー)、まんがでよくわかるひみつ文庫、学校では教えてくれない大切なこと(旺 -
Posted by ブクログ
書名を聞いて「え?そうなの?」と思う人が
多いと思います。
出版不況、少子化、読書離れ、などと色々言
われている中で、本が売れている状況という
のは想像できないと思います。
ところが実際には14歳以下の人口一人あたり
の書籍購買額が、20年前より倍増していると
いうのです。
言われてみますと、書店には幼児向けや小学
生向けコーナーが多く作られています。
書店が大型化したこともありますが、昔の書
店には見られなかったものです。
なぜ活況なのか。どんな本が売れているのか。
当然昔から読み継がれている作品もあります。
しかし児童書こそ、社会の今を反映している
ことがよく分かる一冊です。 -
Posted by ブクログ
子供に関する小説や漫画を戦後から振り帰ったり、編集者の戦略を紹介したり、と、楽しくあっという間に読めてしまう本ですが、P353と、かなり分厚い本ではあります。
私自身としては、今の子供たちが、
どんな本を読んでいるのかな?ってのを
知りたいだけの軽い気持ちだったのですが
今までに売れた、漫画、小説、雑誌の紹介から
時代背景、出版社の思惑をすることができます。
その中でも、特に、
P156 ドラゴンボールやスラムダンク終了後
マガジンに逆転され、20万部ほど差がつけられた後の努力による、ワンピースや遊戯王、ルーキーズ、ハンター×2、ナルトなどの新連載に繋げたり、「コロコロ」的なメディア -
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