遠藤達哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凄腕スパイ・ロイドは、任務のために理想の家族を作ることを命じられる。仮初めの妻・ヨル、養子に迎えた少女・アーニャと共に奇妙な仮初めの家庭生活を始めるが、それぞれが秘密を抱えていた。スパイ、殺し屋、超能力者、互いに正体を隠したままの共同生活が始まる。
スパイ×ホームコメディという異色の設定が見事に噛み合った作品です。ロイドが任務のために作り上げた仮初めの家族は、見ているとどこか本物以上に温かさを感じさせてくれるのが魅力でした。特にヨルのキャラクターには印象的なシーンが多くあります。普段は殺し屋という裏の顔を持ちながら、周囲からは「いい年なのに未婚」という理由で独身女性として不審者扱いされてしまうのは、少し悲しくもあり、同時にコミカルで笑ってしまいました。笑いと切なさが同居する独特の雰囲気が、この作品の持ち味だと思います。アーニャの心を読む能力による天然ボケのようなやりとりも最高で、シリアスなスパイ要素とのギャップが心地よい緩急を生んでいます。また、各キャラクターが抱える秘密が、互いに家族を守ろうとする気持ちと交差していく展開は胸を打ちます。「偽りの家族」から始まった関係が、いつしか絆へと変わっていく過程は、単なるコメディにとどまらない深みを与えていました。スパイアクションとしても、家族ドラマとしても楽しめる稀有な作品で、世代を問わず愛される理由がよく分かります。