ある日突然地球を光が覆う。その瞬間、全ての人類とツバメが石になってしまった。石化した外面の中で、それでも自我を保ち続けていた二人の高校生、千空と大樹。ある時千空は何らかの拍子で石化から目覚め、目覚めのヒントを求め試行錯誤しながら、大樹を目覚めさせることに成功する。科学に精通した千空は石化を破る液体を開発し、ライオンに襲われるというピンチの中で、かつて「霊長類最強」と言われた高校生、獅子王司を目覚めさせることに。司は「既得権益にしがみつく老人は新世界にいらない」と、石像を次々に壊しにかかる。「それは殺人だ」と司と対立することになった千空と大樹は、目覚めさせた大樹の告白相手・杠も伴い、「科学の武器」を手に入れるために箱根へ向かう。
特に頭付近の求心力はものすごい。ものすごく面白い。この求心力がピークを迎えるのが、司によって大木の下敷きになったコハクを救い出すために見せた、滑車を使っての救出劇。その後、千空はコハクの姉、ルリの病気を治すため、万能薬であるサルファ剤の製作にとりかかるのだが、ここからがちょっと「?」展開。
なぜ天空は薬を作れるのか。ドラマ「仁」でもペニシリンを作っていたが、あれば主人公が医者という設定と現代知識があったからこそ。それまでの天空の生い立ちから見ると医学が関わってくる回想が無かったはずなのだが、天空はめちゃくちゃに難しいロードマップを制して、サルファ剤を作り上げる。この辺りが力技感すごい。
本作を見ていると、千空のように「全ての人を助ける」という道と、司のように「老人はいらない、助けるのは若者だけ」という道、自分はどちらを選ぶだろうか、と考えてしまう。そして千空の快進撃を見ていると、「科学の進歩は止められない」と実感する。肉体的に恵まれ、その力だけで生き抜ける司は、科学の進歩を勧めさせまいとする。けれどどうやった所で、人が好奇心を抱く限り、答えのない問いに実験を繰り返して答えに近づこうとする人は必ずいるのだ。