山田胡瓜のレビュー一覧
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若き日の須藤君
現代の医療や介護の諸問題にも通じるような連作になっています。冒頭のケース、「コウノドリ」ではリスクしかないと言われていて、BJも中絶していた無脳症の胎児で……これは本当にこれで良いのか、ちょっとなんとも言えなさそうです。
介護システムを使い続けている作家や、違法改造されそうなヒューマノイドのエピソード等、いずれも悪くはないです。 -
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ストーリーマンガで続編
ちょっと間を飛ばしてこれだけいきなり読んでいるんで分かりにくい部分はありました。
紛争自体はなくならなさそうです。利用したがる人と資本がいる限り、こういう生々しい世界は残り続けそうです。
この作品の世界情勢等々はもう少し踏み込んだ方が良さそうですが、巻末の押井守氏との対談は良かったです。 -
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チューリングテストも連想します
前巻でしたが、発達障害っぽいヒューマノイドの子ども(ピアニストとしての腕がある)に対する「治療」や、この巻に出てくる幻肢痛に似た症状の出るヒューマノイド等々、人間の抱える問題も鮮やかに照らし出す部分があるのは確かです。
登山家が遭難し、実は意識が戻るまでかなりの時間が経過していて……といったエピソード、ノーラン監督の映画とかにも出てきそうです。
これのTVアニメ、いま放送中だったようなので、配信サービスで見てみたくはなります。
でもちょっと、もう一つ踏み込み不足も感じる部分も。さらりとした連作なのが良いのかも知れませんが。 -
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21世紀の鉄腕アトムやBJや
テーマ自体はSFでも古典的なものでしょうが、シンプルな線で読みやすく描かれています。
1話完結型でこの週刊誌の連載ですので、やはり手塚御大の作品を彷彿とさせるというか。
本来は要素還元主義だけでは到達できない作品世界かとも思いますが、個々のエピソードは悪くはないです。 -
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前作は読まなくても平気。挿話的でどこからでも始める。科学技術にまつわる論理を考えさせられるタイプの近未来SFなのに、人ひとりがなんの理由である決断をするのかという話でいい意味で人間臭い。
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Posted by ブクログ
──人間でない彼女の言葉に真実味はあるのか。
僕は彼女の巧妙なアルゴリズムに洗脳されてしまったのか。
知りたかったけど…最後まで口にすることはなかった。
ヒューマノイド専門医須藤の研修医時代編「blueage」も第4巻。
完全に人間と同等・同権であるヒューマノイドと人間以上の知能を持つ超AIがいる世界で、人間以上に人間の心の治療に精通している医療AIもいる。
さてこのAIが行う心の治療は更生なのか洗脳なのか。
というお話など。
シンギュラリティ後のAI社会では、機能制限されたAIと共存するより、AIに管理された社会でぬくぬくと暮らしていくほうが楽そうでいいな~とか思ってしまいますが。そ -
Posted by ブクログ
「僕らは今、問われているんです。医師としての…人間としての哲学を」
というAIの遺伝電子第3シリーズ、BlueAgeの2巻目です。
強いAIが普及し、人間と同じ権利を持つヒューマノイドが生活する世界での、ヒューマノイド専門医を主人公とするSFですが、その解像度が物凄く高い。
陳腐な言い方をすればリアルです。
知性のなんたるかを考察もしない有象無象のロボット感動モノとは一線を画す漫画です。
人工知能ってどういうもの?と考えたことがある全ての人に読んでほしい。
短編集として最高の出来だった第1シリーズ、世界の成り立ちに迫ったサスペンスSFの第2シリーズ、からまたガラッと変わって医療モノとして -
Posted by ブクログ
巻末収録の押井守監督との対談の中から…
山田「(略)物語は昔から、現実を肯定したり、理解したりするツールとしての役割を持っていたと思うんですが、その役割の人気がなくなっている感じがするですね。現実との距離じゃなくて、心地良い嘘であれば良し、みたいな。単なる快楽の方に行っちゃってるような気がしています。」
押井「うん。消費財になっちゃったっていう。現実も、既に二次的現実の方が日常に占める割合が圧倒的に増えてきているんだ。基本的に伝達された現実で、自分の直接知り得る範囲は逆にどんどん狭くなっていってる。そういう意味では現実の値打ちが下がったっていうのは、たぶんその通り。(略)」
物凄い読み応えが -
Posted by ブクログ
会社の中でトイレを居心地のいいものにしたい、と働いている青年(ヒューマノイド)の存在。会社のトイレは清掃担当の部署が一括しているが、前の店の清掃担当の方々は色々工夫をしてくれていたし、清掃後のトイレは本当に綺麗で心地よかった。今の店の清掃担当者は掃除へたくそ。特に従業員用のトイレが綺麗になったと思った事が一度もない。私は昔から「トイレを探し続けて入ってみると異常に汚くて困惑する」夢を見るくらい、トイレに対する不潔感が苦手だ。用を足さなければいけないので我慢できるから潔癖症ではないが、不潔なトイレを見ると「清掃している人が自分の仕事をどうでもいいものと思っているんだな」と思って哀しくなるんだよな