夾竹桃のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
いきなり尾張港(恐らく今の名古屋港)に巨大な蒸気船がいたり、クレーン、コンテナがあったりする場面から始まる。静子の改革は、農業から始まって畜産、水産、商業、サービスまで至り、本格的に工業に突入する。前巻に電信が出てきたが、今度は発電、鉛蓄電池、電灯などなど、おいおいという感じだ。いろんな機械がこれから出てくるのだろう。
武田勝頼と織田信忠との一騎打ちとか、謙信が関与しない上杉景勝と景虎の戦いなど、どうも納得できない部分もあるのだが、まあ新しい日本史を構築していくのは難しいわな。本田忠勝の静子への恋心は失われておらず、その辺の様子はなかなか面白い。戦国バサラのガンダムまがいの忠勝との相違に笑って -
Posted by ブクログ
いやはや、現代人がやっていることを次々と静子はやっていく。知多半島に愛知用水を作る。熱気球を作る。休むことを知らない。いや、ヴィットマンとバルティの死に際してはさすがに休養をとった。信長も気遣いを見せる。そうそう、変な山伏も活躍しているよなあ。静子のカレー粉に魅せられて、それを分けてもらう代わりに静子のために人無き山林を駆け巡る。そして、いよいよ第二次東国征伐が始まる。武田を攻めるにあたって、長可は長距離砲は用いるし、手榴弾を打ち出すグレネードランチャー砲も用いて、軽々と武田を打ち破っていく。なんと足満が電話を作り出し、戦況が静子のもとに次々と報告されるのだ。眼前にジオラマを置きながら。驚き桃
-
Posted by ブクログ
大きなことと言えば、本願寺で信長が背後で糸を引いた反乱があって武装放棄し織田と和睦したこと。もう一つは、長年連れ添ったハイイロオオカミのヴィットマンとバルティーとの別れ。これは無茶苦茶悲しい。彼らは誇りを持って最後のときを迎えるのに山へ帰っていく。涙涙。
あとは、MG(マネージメントゲーム)研修とかインフラ・物流のこととかいろいろと細かに書かれていて、作者の趣味性を感じるねえ。面白いけど。秀吉の赤松との戦いにおいて、狙撃兵を出すなんて、これまた凄いねえ。指揮するのは真田昌幸。小指揮官や斥候が狙い撃ちされ、されたほうではたまったものではない。 -
Posted by ブクログ
信長は武田勝頼と北条への軍の大将を長男・信忠にし、負け戦の経験を積ませよと静子に無茶な命令を出す。信忠が信長の跡継ぎであるためだが、天下統一が見えてきた余裕でもあるだろう。史実とは違う展開が次々と出てくるので、作者のお手並み拝見というところだ。信長配下の武将たちは何かと静子を頼って来るし、南北伊勢を任された信長の次男・信雄と三男・信孝の仲が悪いのにも差配しなければならない。この二人は信長死後の日本に暗雲をもたらしそうだよなあ。史実でも、信雄は、伊賀討伐で無能さを見せているしね。静子は芸事保護の仕事を任されて、宗易(利休)や若き日の長谷川等伯とも関係ができたり、カメラを作り上げて法隆寺を乾板写真
-
Posted by ブクログ
信長は柴田勝家を大将にして加賀一向宗の撃破に向かわせる。越後との国境に明智を向かわせるが、明智は独断での攻めを見せる。ちょっと浮いている明智の様子を描いているのだがどうなるのかなあ。秀吉は長浜の整備に余念がないが、静子は長浜の治水に手を貸したり、ガラス工芸や縮緬の特産品への取入れを提案したりしている。長浜のガラス工芸なんて最近のことだけどね。近衛前久に反発する公家たちの企みをくじいたり、朝廷から文化財保護の特命を受けたりと、いろいろ静子も忙しい。ワインやビールを作らせたり、チョコレートを作ったりと、新しい試みも目白押し。カカオを育てるのも大変だし、カカオをチョコレートにするまでの工程も気の遠く
-
Posted by ブクログ
相変わらず読み応えあるよなあ。史実と違ってきているのだが、いかにもリアルな細やかな描写がなされていて、信長の全国統一に向かってじりじりと歴史の歩みは進んでいく。浅井・朝倉攻めでは、静子は秀吉と光秀とのかかわりが大きくなっている。本能寺の変のことが気になるのだが、いたって光秀は冷静で真面目で有能な武将として描かれているし、静子とも通じ合うところがあるので、このまま本能寺の変もなく行っちゃうのかなと思うがどうなんだろう。ただ、毛利攻めのときに苦労して統治を進めた領地を取り上げられて、自分で領地を分捕れと信長から告げられたことが謀反の引き金になっていると思うので、これからその辺りはどうなるのだろうか
-
Posted by ブクログ
とうとう静子たちは武田軍を壊滅させてしまう!何百メートルの先も命中させてしまい一分間に6~10発撃てる新型銃、強化ガラスんの糸を縫い込んだ鎧、先にダイナマイトをつけた矢、そしてお馴染みのコンパウンドボウ隊などを縦横無尽に駆使し、三方ヶ原の地形の調査を活かした軍配備で、圧倒的な勝利を得る。武勇を中心にした戦いをここで終わらせてしまったのだ。歴史は大きく変わる。いや、もう既に変わっていたのだ。静子に仕えることになった真田幸昌が言うように、これからは静子は政治の表舞台に放り込まれることだろう。今までは苦労譚といいながら、静子は楽しんで生きていたが、そうでなくなる?いやあ、このままでいて欲しいけどね。
-
Posted by ブクログ
武田との決戦の三方ヶ原の戦いの前夜の物語。静かだが緊張感がある、じゃないんだよね。静子は落ち着いている。武田に勝利することには確信があるのだ。今回は、信長の妹の市とその娘の茶々と初がよく出てきて、静子とソリをしたりしてほんわかさせてくれる。静子は相変わらず、マグロの血抜きや延髄切をやったり、ピザや乾燥マンゴーを作ったりと新しい食材の開発に余念がないし、スターリンエンジンを利用した高炉を作り、鋼鉄の製作まで視野に入れている。部品ごとに分けて新型銃を密かに大量に準備したり三方ヶ原の戦いの作戦を立てたりもしている。いろんな人物が入り乱れての物語は、単純に読むだけで面白いよ。これから歴史がどう変わるか
-
Posted by ブクログ
ますます静っちの凄さが分かってくる。武田を三方ヶ原で倒すことで、織田の力を全国に知らしめることによって、織田信長の全国統一を進める。そのために、第一次織田包囲網で織田軍がわざと負けていた!比叡山焼き討ちも(実際は坂本の辺りを焼き討ち・殲滅しただけ)、武田を誘い出すためだったとは!その案を出したのが静子!しかも三方ヶ原の戦いのために事前に地形を測量しているし、螺旋の溝を銃筒に付けた新型銃を開発する。凄いよなあ。
京都ではやり出した麻疹をいち早く抑え込んでしまうし、20年、30年のスパンでワクチンの開発を睨んでいる。織田信長に天下を取らせて、理想の国家を作ろうとしているのだ。歴史は大きく変わるなあ -
Posted by ブクログ
宇佐山城の戦いで、静子軍は表に立って戦う。圧倒的な差の敵軍の淺井・朝倉・比叡山連合軍に、ゲリラ戦や弓部隊を使った戦いで攪乱するが、やがて力で押し切られようとされる。しかし、そこからの戦いが感動的というか、涙なくしては読めない。兵たちの静子に寄せる感謝と期待の気持ちが熱い。本願寺が参戦したり、三好三人衆が四国から戻ってきたり、比叡山、淺井・朝倉勢など、信長包囲網が敷かれ、信長最大の危機であったが、和睦をすることができ(敵は馬鹿だねえ、チャンスを逃したよ)、信長軍は一息をつく。それにしてもねえ、森長可の暴れぶりというか、狂気は凄いねえ。気に食わなければ相手を嬲り殺しにする。信長には寵愛されたようだ
-
Posted by ブクログ
今回は、伊勢侵攻と淺井・朝倉家との争いで姉川の戦いが一応のメインかな。歴史では、信長の右腕の森可成や信長の弟が淺井・朝倉家との争いの中で戦死するが、なんとかそれを阻止しようと静子は策を巡らす。姉川の戦いでは、静子が鍛えたコンパウンドボウを用いた弓騎兵が足満の指揮のもと活躍して、朝倉軍に大損害を与える。朝倉の勢力を削いでおいて、森可成たちを救おうというわけだ。
農業、酪農、工業の方では、次々と新しいことを始めている。当時なかった野菜や果物を南蛮から取り寄せて育てようとするし、レンズを使った双眼鏡やフィールドスコープを開発して、合戦に画期的なアイテムを持ち込む。スクリュー船にも手をつけようとするし -
Posted by ブクログ
織田信長が上洛する。裏で静子は、御館様の希望を叶えるためにいろいろ奔走するのだが、基本は自分のやりたいように農業や養殖、衣食住のこと、様々な技術的なこと、洗濯機や旋盤、麻織機などの機械を作ったり、バイオプラスチックを作ったりしているので、随分と楽しそうである。しかし、ちゃんと信長の天下布武のためにいろいろ画策もしている。京治安維持警ら隊を作ったり、本願寺との対立の裏の首謀者、公家の近衛前久を食事で誑し込んで、信長の味方にしてしまったり。濃姫は結構えぐい女性で油断がならないのだが、結局は誑し込んでいるんだよね。磁器の蚤市や清酒製造で柴田勝家や佐々成政も味方にしてしまう。そうそう足利義輝が現れたの
-
Posted by ブクログ
まあ、歴史SFファンタジーかなあ。相変わらず、農業、畜産、窯業、インフラなどの知識が凄い。今回は、栄養学まで援用して、家老の息子を鍛えたりする。登り窯を作って磁器を制作もするし、コンクリートも作る。実際の歴史に先駆けて、綿花の大量栽培も計画する。静子は、転移する前に「戦国時代と現代科学技術の考察」というノートを作っていて、天下統一をするのに、さらに統一後に何をしていくかを、構想だけでなく、詳細な技術・手順まで書いているのだ。普通の女子高校生じゃないよね。信長は、美濃を攻略して着々と天下布武の手を打っていくが、静子の技術が無茶苦茶役に立っていて、このままじゃ歴史は変わってしまうんじゃないかな。本
-
Posted by ブクログ
異色の小説。私には無茶苦茶面白かった。人によっては、なにこれ、どこが面白いのと言うかもね。戦国時代の織田信長のの前にいきなりタイムスリップした綾小路静子なのだが、私に言わせるとこいつがとんでもない奴なんだよ。疲弊しきった村を信長から任されて、見事に立ち直らせるどころか、次々と驚嘆すべきことを成し遂げていく。あのね、現代の知識を持っているから、それを活かして生き延びるというレベルじゃないんだよなあ。農作物の栽培の知識や道具を創り上げる技術が半端でない。祖父からたまたま貰って持っていた戦国時代にはなかったハイブリットの種や新種の作物を撒いて活かすのだけれど、そんな種をくれるなんて一体どうよという感
-
購入済み
農耕も興味深い
他の人も書いていましたが「信長」の正式名称?が長い
主人公の女子高生はペラペラっと言っちゃってますケド
「織田上総介三郎平朝臣信長」(写間違えてないと思います)
“ふりがな”がふってあってよかった
難しい言葉はわかりやすくなってます
小説付き