斎藤貴男のレビュー一覧
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タイトルは衝撃的だけど実際に事件が起きたわけではない。むしろ事件として扱われることのない問題だけに根が深いのかもしれない。
本作は子宮頸がんワクチン(正しくはヒトパピローナウイルスワクチン)を接種後の副作用と思われる具体的な症例、短期でワクチンが導入されたその背景、そこに絡む利権、医師たちの見解の相違、各国でのワクチン導入状況など、さまざまな情報を丁寧な取材で至極冷静に追ったルポルタージュ。
最後まで読んでもなおワクチンを打つべきなのか打たないべきなのか答えを出すのは非常に難しい。
開発されてまだ間もないワクチンだけに実際にワクチン摂取によってどの程度子宮頸がんになるリスクが減らせるのか正 -
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[ 内容 ]
「できん者はできんままでけっこう」、ゆとり教育の下敷きとなった答申を出した教育課程審議会元会長の三浦朱門氏のこの言葉通りに進められている教育改革。
そのなかで、戦後、守られてきた教育の機会均等が奪われ、子どもたちは家庭の経済状況によって「勉強ができるようになる」ための努力さえ、認められなくなろうとしている。経済を専門とするジャーナリストが、「学力」を切り口に日本の階層化、不平等の現実を鋭く追及し、子どもと教育の未来を守る方法を語る。
ルポ「『報国』の暴風が吹き荒れる」も収録。
[ 目次 ]
第1章 教育改革がめざすもの(ゆとり教育VS学力重視の裏側で 経済界の要求と教育改革の流 -
Posted by ブクログ
斎藤貴男と林信吾が、いわゆる格差社会について対談するという内容。
私の不勉強を恥じるしかないのだが、論が政治的な話題に及ぶと、理解できない部分も多かった。
マルクス主義やら新自由主義やら保守主義やら、この本だけでなく他にも様々な本でよく見かける単語だが、それが何であるのかほとんど理解できていない状態。
社会について深く知ろうともせず、内外の動きはテレビニュースや新聞の見出しだけでざっと概観するのみ・・・という生活を続けてきてしまったのだから仕方のないことかもしれないが。
『下流社会』のように、具体的に「ある階層に属する者は○○を好む」などと単純な因果関係を示してもらわないと理解しにくいと感じて -
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平成史を振り返る本。最近、平成の歴史本が多数出版されているが、これもそのうちの一つ。平成時代に起きた事件、社会、政治について、ジャーナリストの視点で考察する。著者によると、平成は社会の保守化、アメリカへの依存が進んだ時代という認識で、アメリカの属州化というサブタイトルが付けられている。また貧困や差別が進んでおり、危機的な状況にあるという。著者は、弱者の視点で平成を振返っていて、確かにそのように感じる場合もあるが、それでも実感としては昭和時代よりははるかに福祉も充実し、平和な時代だったと思う。事件も起きるし政治でも様々な問題もあるけれど、戦争のような国の存亡に関わるような問題は無かった。社会環境
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ワクチン接種後に副作用と思われる症状に苦しむ少女たちのことを思うと胸が痛くなる。
原因や因果関係がはっきりしないとはいえ、副作用で苦しむ少女は決して少なくない人数であるし、副作用が出る可能性がこれだけあるのであれば、ワクチン接種は行うべきではないと思う。
P.247
そんな悠長なことをしていたら、何十年後かの日本は子宮頸がん大国だという反論が聞こえてきます。でも、子宮頸がんになる女性を減らすためだからといって、何もしなければ健康でいられた少女を生贄に捧げるような行為ーしかも公権力によるーは、絶対におかしい。私たちはもっと謙虚であるべきだと思います。
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Posted by ブクログ
多くの社会批判の著作のある斎藤貴男さんが書き下ろした平成史。折に触れて自分の著書が引用されていて、内容的には目新しいものはありませんが平成という時代のオーバービューとしては良くまとまっているのでは・・
それにしても平成という時代は左派にとっては押しまくられた時代だったのでは。最後の砦が天皇の「お言葉」? 結局対抗できる論理が出てこなかったというか、まあ、何を出しても議論にはならなかったんだろうけど。
著者の出す日本の未来像が「小日本」では説得力に欠けるように思います。令和の時代に発想を大きく転換するような新しい構想が出てくるといいですね。 -
Posted by ブクログ
子宮頸がんワクチン(正確にはHPVワクチン)騒動のルポルタージュ。
被害者の声をきけたのはよかったけれど、書き方が前のめりだったり整理が不十分だったりするから素直には読めない。
知っておきたいことではあるけれど。
私はこの件についてよく知らない。
あっという間に承認されたと思ったら急に一斉にたたかれて「積極的に推奨しません」というよくわからない言葉で否定された、
という「なんかよくわかんないけど妙な感じにゴタゴタしてる」という印象だけがあった。
その「よくわかんない」部分を知りたくて読んだけどますますよくわからない。
ワクチン自体の問題(効果と副反応)と、運用の問題(不正や方向性)は分けて -
Posted by ブクログ
日本で、年間の自殺者数が3万人を超えて久しい。どれくらいの
人数かと言うと、毎年の東京マラソンのランナーと同程度だ。
道路をびっしりと埋めたランナーと同じ数だけの人々が自死を
選んでいる。
弱いから死を選ぶのではない。限界までふんばり、最後の最後で
死を選ぶしかないよう追い込まれるのだ。
先般、いじめが原因となった中学生の自殺が大きなニュースと
なったが、これは子供の世界だけの問題ではない。大人の世界、
職場でも「なんでここまで」と感じる壮絶ないじめがある。
この職場でのいじめ、過重労働、多重債務等々。死しか選べなく
なった人々の実例が多く収録されている。
憲法25条 すべての国民は、 -
Posted by ブクログ
「日本社会が目指しているのはアメリカ社会の一部になるということ」というのは納得。そのアメリカ社会の基本原理は新自由主義であり、それは社会ダーウィニズムと同義だというのもうなづける。対談形式のこの本が一貫してテーマとしているのが、不公正な競争原理に支配された格差社会であり、それはイギリスのようなストレートな階級社会よりも問題があるということ。そして現在の格差社会が進むと日本も再び階層分化が進み、イギリス的な階級社会になるだろうと指摘する。
「ジャーナリストは権力に逆らうことをもってアイデンティティがある」という斎藤氏のジャーナリストとしての著作を今度は読んでみたい。「わかりやすさ」が第一の価