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まもなく、平成の世が終わります。本書は、平成の時代にジャーナリストとして独り立ちし、監視社会、格差社会、企業社会、強権支配など、この間社会を覆い、その都度混迷を深めていった日本の“病巣”をノンフィクションの手法で常に鋭く批判してきた著者による、総括的「平成論」です。格差拡大、排除と差別、反知性・反人倫など暗い話題の多かった時代。せめて次代を「夜明け前」にするために、今あえて「平成」の暴虐を暴く!
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Posted by ブクログ
この本に登場する為政者、評論家、経営者のなんと傲慢なことか。他人の痛みに対する想像力の欠如に唖然とし、怒りが沸々と沸き上がる。貧しい家庭に生まれるということがどういうことなのか全く理解もできず、自分の力だけで社会階層を登ったかのごとくに、下層と見なす人々を見下す無知と近視眼が蔓延っているのが平成と...続きを読むいう時代か。それと同時にメディアに携わるジャーナリスト達(その名に値しないが)の堕落と軟弱さは目を覆わんばかりだ。私利私欲にとらわれて「公」という発想を持たない人たちに、今一度「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という憲法25条の理念を思い出させたい。
平成史を振り返る本。最近、平成の歴史本が多数出版されているが、これもそのうちの一つ。平成時代に起きた事件、社会、政治について、ジャーナリストの視点で考察する。著者によると、平成は社会の保守化、アメリカへの依存が進んだ時代という認識で、アメリカの属州化というサブタイトルが付けられている。また貧困や差別...続きを読むが進んでおり、危機的な状況にあるという。著者は、弱者の視点で平成を振返っていて、確かにそのように感じる場合もあるが、それでも実感としては昭和時代よりははるかに福祉も充実し、平和な時代だったと思う。事件も起きるし政治でも様々な問題もあるけれど、戦争のような国の存亡に関わるような問題は無かった。社会環境は、明らかに優しく住みやすい国になっていると思う。 ジャーナリストは、日々事件や事故、政治や社会の話題を追っているので、些細な事も拡大解釈しがちだ。著者もその傾向があるように見受けられる。。職業柄、問題提起することが使命なので仕方ない部分もあるけれど、個人的な感情に任せた記述も多く、また平成史を俯瞰する視点ではどうかと思う記述も多かった。読み物としては面白いけれど、著者の意見に全て賛同する気持ちにはなれなかった。 因みに、個人的には平成というのは、国民の政府への依存、経済重視の傾向が強まった時代のように思う。毎日、テレビ番組はカネの話ばかり。カネの多寡が全て。質素倹約が美徳とされた時代が懐かしい。今話題になっている年金が心配なら、もう一度そういう精神を見直すべきではないかと思う。
多くの社会批判の著作のある斎藤貴男さんが書き下ろした平成史。折に触れて自分の著書が引用されていて、内容的には目新しいものはありませんが平成という時代のオーバービューとしては良くまとまっているのでは・・ それにしても平成という時代は左派にとっては押しまくられた時代だったのでは。最後の砦が天皇の「お言葉...続きを読む」? 結局対抗できる論理が出てこなかったというか、まあ、何を出しても議論にはならなかったんだろうけど。 著者の出す日本の未来像が「小日本」では説得力に欠けるように思います。令和の時代に発想を大きく転換するような新しい構想が出てくるといいですね。
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平成とは何だったのか 「アメリカの属州」化の完遂
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斎藤貴男
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