古泉智浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ私自身、流産や不妊治療の経験があり、養子縁組に興味があったので古泉智治さんの「うちの子になりなよ 里子を養子縁組しました」を先に読んで、前編があったのねと、順序が逆になりましたが、こちらも読みました。
どちらを先に読んでもOKです。
こちらは、NICUにいた0歳の赤ちゃんを引き取ってから、1歳過ぎまで育てた、里親としての記録です。
私は子どもがもう小学生なので、0歳児の子育てを懐かしく思い出しながら読みました。著者さんの、赤ちゃんへのまなざしが冷静なのに温かく、淡々とした読みやすい文章なのに心がこもっていて素敵です。
血のつながった子どもじゃなくても、赤ちゃんの生命力は人間の心を打つものなのだ、と思います。
長いヒモなどが好き、お皿を全部ひっくり返す、泣いてなかなか寝てくれない、など、たいていの赤ちゃんの行動を冷静に「〇〇が好きなようだ。・・・・なのはなぜだろう」などとと書いている著者さん。プロの物書きさんなので、分析が面白い。
1歳2か月までの子育て記録のあとに、「里親入門」というページがあって、里親を希望するまでに至る、著者のご夫婦の不妊治療の記録や、会うことのかなわない実の娘さんとその母親とのいきさつなどが書かれており、切なくて涙が出ました。
里親として引き取った赤ちゃんについて、個人情報の関係から詳しく書くことができず、制約が多い中で、実の親が手放すしかない境遇の子どもを引き取って育てることの価値、里親制度のすばらしさが伝わるように、うまくまとめられていて、里親や養子縁組を考えている人、不妊治療に限界を感じている人などが読むのにとても良いエッセイだと思いました!
ちょっと印象的だったのが、最後の方の、著者の独白の中に、若いころに極端なフェミニズム文化に触れてしまったことがトラウマ?みたいになって、現実とのギャップに苦しんだ(ちょっと違うかも)みたいな話。私も最近フェミニズム文学ばかり読んでしまって、極端になりすぎるの良くないよなぁとは思っていたのですが、男性が、もちろんセクハラは良くないし女性の人格を尊重するのも大事だけど、フェミニズムを学びすぎて女性を恐れるようになるのは違うよね、と思いました。
性欲も必要やん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画家さんが、特別養子縁組をして男の子を(戸籍上)実子にした、そのときのエピソードを漫画で綴ったものなので、カテゴリは「マンガ」でもよかったのですが、内容的にエッセイかなと思って、エッセイに分類しました。
とても素敵な内容でした。この巻では、里子を特別養子縁組する過程を扱っているのですが、その前にそもそも里子を預かる段階を書いたものがあるらしいので、そっちも読まなきゃ。
著者は男性で、里子の「うーちゃん」と遊んだり、寝かしつけたり、トイレトレーンイングをしたりと、普通に子育てをやっていて、その淡々とした感じがとても愛おしい。国から預かった(と考えていいのか?)大切な子どもに、絶対に暴力をふるってはいけないので、言うことを聞いてくれないとき、なかなか寝ないとき、どうやって言うことを聞いてもらうか、けっこう頭を悩ませたりもするが、感情的にならずに色々工夫しているところがすごい。
やっぱり親子って、距離が近すぎるのではないかな。自分もさんざん失敗したけど、子どもを自分の所有物のように考えて何としても言うことを聞かせなきゃと思い込んでるから、すごく感情的になってしまう。
著者は、「うーちゃん」をちゃんと一人の人間、個性のある、自分とは違う、基本的に言うことを聞かない生き物としてちゃんと観察しているから、言うことを聞かないとき、うまくいかないときも、「じゃ、こうやったらいいかも?」と違う方法を色々考えて試して、うまくいったら「これで良かったのか」っていう具合に小さな達成感を感じている。すごく良い。たぶん、うーちゃんもこんなお父さんに育てられて幸せなんじゃないかな。
「守秘義務がある」といいながらも、実の母親がどういう状態なのか、なんとなくは書いてあり、とても興味深い。ときどき妻のコメントも入る。
著者と妻が、それぞれ「あとがき」を短く書いているのだが、どちらも、シンプルに「うーちゃんがかわいい」「うちの子世界一」みたいな感じで素敵だった。
妻のあとがきは特に泣けた。さんざん不妊治療に苦労した末、養子を考えた時、「特別養子縁組は、子どもができない夫婦に子どもを斡旋するための制度ではない、子どものための制度だ」と説明を受けて頭をがーんと叩かれたような気がした。それから180度考えが変わって…ということを書いていて、本当にそうだよな。でも多くの人は、最初は「子どもができないから・・・」って考えるのではないかな、と思った。(私も考えていた)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレVコミで連載中の育児漫画の単行本が12月13日に発売となります。その前にも何度も読んでいるのですが見本ができたので読んでみました。すると、けっこう面白かったです。全体のバランスをあまり意識せずに毎回毎回描いていましたが、思いのほかいい感じになっていました。
特別養子縁組の手続きの様子など漫画としてドラマ性が高いわけではなく、普段それほど意識しているわけでもなく、本当は別に描きたいことではなかったのですが、決して小さい出来事ではなく今後も含めて人生に大きく関わる出来事であるためやっぱり描いておいてよかったなあと思いました。また、漫画連載分と描き下ろし2話、先輩里親のAさんとの対談、あとがきを含めて一貫した流れを作っていました。読み応えもけっこうあるのではないでしょうか。
子どもの魅力を精一杯伝えようとは思っており、自分のこれまでの漫画と比べれば相当うまくいっているとは思うのですが、実物はこの何倍も素晴らしいと思うと力の至らなさを痛感します。
Vコミでは今も連載が継続中ですが、単行本が売れてくれるとVコミにも利益が渡って連載を継続さていただけるので、ぜひお買い上げいただけると非常に助かります! -
ネタバレ 購入済み
まんが道かルックバックか
ちょっとパッとしない男子高校生2人のうち1人は不登校で、長谷川君が家に来るような関係になっています。
ちょっとした思いつきからこんなマンガはどう?と言う長谷川君、割と世間一般にはかなり広く人気の作品もつまらないと断言する癖があるようです。
その彼が描いてきたネームはコマ割りも稚拙ですが、アイディアは良かったようです。新人賞に応募すると入選し、その後はとんとん拍子に連載にまで至ります。
ただ、移り気で何をしても長続きしない長谷川君はやがてマンガに飽きがきてしまいます。男女交際等も意外にそつなくこなしますが、最初の仕事は長続きしなかったようです。
担当編集者の杜撰な対応もあってか、せっかくの連載も打ち切られて本も出ないままですが、沢尻君はそれでも描き続けます。
積年の感情が爆発した末の暴走は残念で、沢尻君が悲劇的な結末を迎えるのはあとがきで作者が触れているルックバックと同様でしょうか。
個人的には脚本家を目指していた旧友とかも連想します。大抵はうまくいかないもの、とも思ったりもしますが……沢尻君はそれでも引き続きあがくのでしょうか。
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購入済み
強く推薦
佐藤漫画製作所が発行する電子コミック誌で、多彩な作家陣による22作品を収録したオルタナティブな一冊。
巻頭の塀内夏子「EVIL~光と影のタペストリー~」の続編「EVILⅡ~メビウスの扉~」は、緻密なサスペンス展開で読者を引き込み、80ページの大ボリュームで物語の核心に迫る。
佐藤秀峰「描クえもん」は漫画業界の裏側をユーモアと風刺で描き、業界ファンに刺さる。
吉田貴司「やれたかも委員会」は、日常の微妙な恋愛感情を独特の視点で切り取り、共感を呼ぶ。
内田春菊「LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~」は、独特のユーモアで人間関係の複雑さを表現。
長尾謙一郎「クリームソーダシティ」は懐かしさと奇抜さが融合した世界観で魅了する。
やまもとありさ「あいこのまーちゃん」は軽快なコメディで笑いを誘い、鷲岡胡世子「珈琲が冷めない距離」は温かな日常を丁寧に描く。
オヌマヨシテル「青い谷」は静かな感動を与え、尾々根正+大鳥居明楽「靴Cream」は独特のテーマで新鮮な読後感を提供。
多様なジャンルと作家の個性が交錯し、電子書籍の鮮明なビジュアルが作品を際立たせる。ただし、作品数が多いため好みが分かれる可能性も。創刊3周年を迎えた本誌は、独自の視点を持つ漫画ファンに強く推薦したい