グレッグ・ベアのレビュー一覧
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中編「鏖戦」「凍月」の二作収録。
どちらも共通しているのは独特な世界観で造語が説明無く飛び交うところ。
「鏖戦」
はるか未来、人類が異星人と戦っているようだけど人類は人体改造してるし文化も戦争に特化した物になっているようでまるで異星人同士の戦争のよう。
でも異星人の方が更に訳分からない価値観だからまだ人類の方が感情移入できるな、という感じで。
その表現が古語というか当て字や文体などで行われている所が面白い。あと途中からある事情(だと思ったけど読み違い?)で文体が変わって行くのも面白かったです。
大変難解でしたが、その奥にある幻想的な風景が良かったです。
「凍月」
未来の月に住む科学者がある -
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「火星」「転移」ってなんのことかと思ったら・・・!
主人公キャシーアが大学時代から副大統領(最後は大統領)として火星の危機を乗り越えるまでを懐古するかたちで物語られる作品。
キャシーアが、もともと火星の有力な名門家系の出身で自身も才能があるということはあるが、反国家主権主義者であるリーダーに憧れたり、天才物理学者の卵と恋に落ちたり、政治の世界へ足を踏み込み入れて初めて訪れた地球で失敗したり(正確には巻き込まれただけ)という体験をして、自分で道を選び、迷って、悩みながら成長していく姿が、なんというか女性の生き様としても共感できるし好感も持てる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北アメリカで起きたかなり物質的な(後半は精神的な)人類補完計画。てか元ネタこれ説もみかけた。
序盤にヴァージルを殺しちゃった理由がいまいちつかみかねる。あの時点ではヌーサイトの脅威がどの程度のものか判明していないので、もったいなくないか?と。むしろその未知への危機感からなのかな。
ヌーサイトが敵対存在になっている感覚がとても抑えられていて、この手の話につきものなぞわぞわする恐怖感を楽しむわけでなく「なんか幸福そうだな…」と事の顛末を眺めてしまった。
ラストは救いがあると感じるかそれは騙されてる終わったんだと感じるかは読み手次第なんだろーなと。
タイトルがおっしゃれで好きだなー。 -
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「ブラッド・ミュージック」で名高いグレッグ・ベアのネビュラ賞受賞の本書は、人類が火星移民を始めて100年後の22世紀後半が舞台。いまだ地球への依存が強い火星で沸き起こる独立の声。そんな情勢のなか、主人公キャシーア・マジュムダーは、ひょんなことから、火星統一を目指すドーブル知事への反対デモに参加する。キャシーアからすれば、デモは散々な結果に終わるが、彼女はそこでチャールズという好青年に出会う。デモへの参加、そしてチャールズとの出会いが彼女の人生に大きな影響を及ぼし、その数年後、彼女は火星統一を目指す立場として、この赤の惑星を背負って地球と対峙することになる…
あらすじのとおり、本書は地球に対す -
Posted by ブクログ
「永劫」の続編。
<道>が閉鎖され、地球が荒廃してから40年が経っていた。
地球は<ストーン>の援助のおかげで全滅を免れており、その代わり<ストーン>の技術・物資にそのすべてを依存するようになってきていた。
「永劫」で地球に残ることを選んだギャリーや、彼らを導いたオルミイなどが再登場する。
そしてもうひとつの地球・ガイアに「永劫」のラストシーンで降りたってしまった天才科学者パトリシアのその後も描かれる。
パトリシアの孫娘、リタがもう一人の主人公として、祖母の「戦争のない地球に帰りたい」という願いをかなえることになるのだ。
ただし今回はなんだか<道>についての物語がひどく精神世界に偏