西村寿行のレビュー一覧
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西村寿行の名前を聞かなくなって随分たつ。1980年代には.森村誠一、半村良と並び「三村」と呼ばれる人気作家だった。ハードロマン小説や動物小説で有名だが、同時にスケールの大きい災害小説にも腕を振るった。大量発生したねずみの群れが人間社会をパニックに陥れるという本作は、その系列の代表作だろう。イメージとは裏腹に緻密なデータを駆使してカタストロフを描き出す技量は寒気がするほど見事だ。「鼠群」と書いて「そぐん」と読ませるなど独特の言葉遣いが雰囲気を創り上げていく。古書店で見かけたら手にとって損は無い、バイオレンスだけの作家だと思って敬遠するにはあまりにもったいない一冊だ。
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1989年の西村寿行作品で、元刑事と、その幼なじみの財産家の息子の2人組が活躍する『街シリーズ』の最終作。
シリーズは作品毎に2人の名前と、微妙な設定が違い、今作では刑事から元刑事になる鳴神と、ろくなものを発明しない発明家の去来。今作での2人組は、共に杖術の使い手という設定。
「危機管理サービス」とは名ばかりで、メインとなる仕事は家出人の捜索、という2人が、家出した人妻の捜索から、謎の大型犬と出会い、そこから第二次世界大戦時代の超能力開発に端を発する日本とアメリカの情報戦に巻き込まれていくという物語。
80年代末の西村作品なので、全盛期の西村作品と比べて物語の熱量は低め。超能力捜査+人質となった人妻の奪還というクライマックスの描写も実にあっさり。
去来の発明家という設定は、最初から最後まで全く物語に活かされない。だったら、これまでのシリーズ作同様、資産家の三男坊という設定でよかったのに。 -
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ネタバレ70年代のモンパニ
大きさではなく量の勝負。
量で襲ってくるタイプのやつ。
所々で濡れ場
やむを得ないが言葉選びが〜じゃみたいな箇所はありつつも、白骨化した遺体、天敵の減少、ハンター、狩猟の件など要素おもろい。
鼠群(そぐん)とか面白い。
奥さんとの、沖田広美とのエピソードが辛い。やりすぎ感もある。
暴漢とか、あの辺りはコロナを経た今だとリアリティはないけど、普通に想像したらそうなりますよね、という。
ただ、やはりモンパニのあるあるだけど、脅威の襲い方がマンネリ化してくるのも事実ではある。絵が浮かびづらく、娯楽としてどうなんだ?となる感は否めない。
ほぼスプラッター映画のような領域で、昔のスクワームみたいなのを思い出す -
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元・海上保安庁特別警備官・関守充介の活躍を描いた「渚シリーズ」の3作目。1984年作品。
北朝鮮から日本に密航した白人女性をめぐって、KGB、CIA、日本国家の秘密機関が暗躍する物語。
白人女性をアメリカ大使館に護送するためだけに特別警備官に復帰させられた関守充介は、序盤早々物語の中心から退場。逃走する白人女性マリアを救った医師・河北正和が物語の中心になります。マリアの行方を知っていると国家機関から疑われた河北が妻子を殺され、自身は逃亡生活、という西村寿行作品ではいくつかある逃亡医師の物語になります。
このまま河北正和の物語になるかと思いきや、終盤で関守充介が物語の中心に復帰する、というのは、シリーズ物の物語の構造としてはちょっと変わっています。
序盤で上越新幹線が転覆されたり、中盤で米軍横田基地が爆撃され壊滅したり、と、ド派手な展開があるものの、医師・河北が物語の中心となるので、何故か展開が地味な印象でしたね。 -
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1981年の西村寿行作品。
1979年の『遠い渚』から始まる渚シリーズの第2作。
前作の主人公海上保安庁警備官・関守充介は引退警備官として再登場。前作ヒロイン根岸由紀もメイン・ヒロインとして再登場。ですが、サブヒロインとしてインドネシア人カスワティ、イギリス人サンドラを配置。
沖縄本島南西約77海里で事件が始まり、舞台はインドネシア、イギリスへと移り現地ヒロインが登場するのは、ボンド映画のよう。
前作が、重厚な海洋サスペンスだったのに比べ、痛快なアクション作品へと路線変更したかのようです。
ラスボスは現職官房長官・平木なのですが、クライマックスでの関守とラスボスの戦いまでの経緯は、海と全く関係なくなります。
平木のクライマックスでの変貌ぶりが凄まじく、関守と平木の対峙は、アクション作品というより動物小説のようになってしまっているのがこの作品を怪作にしていると思います。 -
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1977年から、「週刊アサヒ芸能」に連載された西村寿行作品。
『君よ噴怒の河を渉れ』『犬笛』『化石の荒野』と共に、西村寿行作品の中でも代表作とされる作品。
生き別れとなった犬と飼い主が、再会を果たそうとする途中で、巨大な陰謀に巻き込まれる、というパターンは、後の作品『旅券のない犬』でも使われます。
自分が先に『旅券のない犬』を読んでたのが悪いのかもしれませんが、犬と飼い主との感動の再会シーンが、あまりにもあっさりしていて驚きました。もっと泣ける再会シーンだと思ってずっと最後まで読んでいたのに。
映画化・テレビドラマ化された作品は、観たことが無いのですが、もっと盛り上げてくれたのでしょうかね。 -
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1977年から1978年にかけて小学館の若い男性向けの雑誌『GORO』に連載された西村寿行作品。
『GORO』に連載された作品ではありますが、特に若者向けの内容ということもない、いつもの西村寿行作品になっています。
毒ガスを使ったテロを発生させ、日本政府から五十億円を強請る犯人グループと、それに対する警察庁公安課の戦いを描く物語。
全8章の内、第1~3章が、毒ガステロと、それによってパニックに陥る人々の様子を描いていますが、これが西村寿行作品の中でもトップクラスの凄絶さ。
第4章からは、犯人グループの一人と公安課の追っかけっこ。特捜部のエースが、犯人を追ってSMクラブに潜入したり、と、過激な描写さえも西村寿行作品をいくつか読んでいれば想定内、という展開に。続きを読みたい、という熱い気持ちは冷めていきます。
最終章の第8章では、犯人グループアジトの乱痴気騒ぎと、特捜部対犯人グループの最終戦が描かれますが、このあたりは想定内を通り越して既視感さえも覚える程。まあ、発表された年を考えると、この作品のほうが早いので、この作品と同じ様なパターンを後の作品で使っている、ということですけどね。
序盤のテンションを保ち続けていれば、と自分にはちょっと残念な作品でしたね。 -
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1985年に『週刊大衆』に連載された西村寿行作品。作家・西村寿行を主人公にした『黒猫の眸のほめき』の続編ですが、西村寿行は作品に登場せず、前作で西村寿行を誘拐した瀬田一家が主役となった作品。まあ、一番活躍するのは、前作では瀬田一家の敵、今作では瀬田一家の味方となった、超能力を使う荼吉尼婆ですけど。
他の西村寿行作品の続編によくあるパターンで、強い美女が登場します。『蘭菊の狐』の続編『襤褸の詩』、『風紋の街』の続編『陽炎の街』と一緒ですね。それらの作品と比べると、エロス度とバイオレンス度が低めな気がしますね。そのせいか、西村寿行作品の中でもパワー低めな感じです。ユーモア度を高めにしたのかもしれませんけど、自分と寿行先生の笑いのツボが違うのか、あまり楽しめなかったです。 -
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祖母の家にあった古い本。
読み終わって、はて、自分の中でどういう位置におけばいいんだ?と思ったけど、誰もレビューしてないのね。
前半は、次々起こる大量殺人の脅威、パニックになる群集に焦点があたり、矜持をかけて挑む警察物といった感じ。丸の内線霞ヶ関駅で青酸ガスによる事件も起きて、もしや約20年後のサリン事件を予期していたとは、鋭い!?と思ったが。。。
だんだんサドマゾの館だとか、そこへの潜入操作だとか、最後には犯人の目的は美女を集めた楽園を作ることだったとか、でまるっきりスポーツ新聞連載のようになり、最後は機関銃を手に刑事達が楽園に突入してエンド。
混乱しつつも、一気に最後まで読めてしまう勢いと筆力、初めて読んだけどこの著者ただ者じゃないね…
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