あらすじ
寺田賢吾は沖縄の海で死んだ父の死に疑問を持ち、元海上保安庁警備監・関守充介に相談を持ちかける。が、その後次々と襲う謎の魔手。寺田夫妻へ、関守の恋人・由紀へ。そして、ついに関守自身へと……! なぶり殺される男たち、凌辱され、性の奴隷と化す女たち……! 雄大な構想で描いた著者渾身のハード・ロマン!
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Posted by ブクログ
1981年の西村寿行作品。
1979年の『遠い渚』から始まる渚シリーズの第2作。
前作の主人公海上保安庁警備官・関守充介は引退警備官として再登場。前作ヒロイン根岸由紀もメイン・ヒロインとして再登場。ですが、サブヒロインとしてインドネシア人カスワティ、イギリス人サンドラを配置。
沖縄本島南西約77海里で事件が始まり、舞台はインドネシア、イギリスへと移り現地ヒロインが登場するのは、ボンド映画のよう。
前作が、重厚な海洋サスペンスだったのに比べ、痛快なアクション作品へと路線変更したかのようです。
ラスボスは現職官房長官・平木なのですが、クライマックスでの関守とラスボスの戦いまでの経緯は、海と全く関係なくなります。
平木のクライマックスでの変貌ぶりが凄まじく、関守と平木の対峙は、アクション作品というより動物小説のようになってしまっているのがこの作品を怪作にしていると思います。