あらすじ
昭和17年3月、アラスカにおける日系人の強制収容が始まった。徹底した日本人狩りで氏家沖之介は検束され、妻・マリーは陵辱された! マリーは氏家の救出を依頼するため、〃ユーコン狼(ウルフ)〃こと、戒能兵馬を捜しに死の荒野へと旅立った。執拗な追跡隊、そして巨大な灰色熊(グリズリー)が襲う。極限状況下の男女の葛藤と、伝説の〃ユーコン狼〃の活躍を描いた長編大脱走ロマンの傑作!
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Posted by ブクログ
西村寿行『狼のユーコン河』光文社文庫。
久し振りに読む西村寿行。大概の作品は読んでいるのだが、たまに未読作に出会うことがある。最近では古本屋でも余り見掛けなくなった西村寿行作品であるが、本作は百円本コーナーで見付けた。
アラスカを舞台にしたサバイバル大脱走冒険小説。西村寿行だけにエロスとバイオレンスの描写はあるが、なかなか読み応えのある骨太の冒険小説であった。
戦時下の昭和17年のアラスカで、米軍による日系人の強制収容が始まる。米軍のアンガス・ギャビン少尉の策略により検束された氏家沖之介は妻のマリーを奪われ、収容所で悲惨な拷問を受ける。マリーはユーコンの狼と呼ばれる戒能兵馬に氏家の救出を依頼するため、死の荒野へと向かうが…