草野たきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中学生の明良は母と大学生の兄の3人暮らし。明良が生まれたその日に、父親が事故で亡くなってしまった。
その父の願いや周囲の期待を背負い、父と同じバスケットボール部に入り、父と同じ医者を目指していた明良。しかし、バスケの魅力を体で感じ夢中になっていくうちに、新たな夢が生まれていた。
それでも優しい兄や、女でひとつで自分達を育ててくれた母、親戚のためにその夢は自分の中にひっそりとしまって過ごしていた明良。ところが信頼していた兄に関する「あること」をきっかけに、今までの生活はほころびを見せ、ついに気持ちを爆発させる明良。家族はバラバラになり、バスケに対する情熱も失ってしまう…。
明良は、家族は、バスケ部は一体どうなるのか?
いかにもYA向きの作品。中学生が読んだら、少なからず「そうそう」って共感できるところがあるのでは。 -
Posted by ブクログ
小学6年生の聡子、リサ、霧島君。
学校では、リーダーにくっついて友だちの意見に合わせないといけないと気を揉んで過ごす聡子は、どこか日常でのつまらなさを感じていた。
嘘はスラスラ出てくるのに、言いたいことが言えない。
この感情の揺れる書き方がよく出てきていた。
母親の仕事復帰の場面、父親の何も言わなくても陰でこっそり見守っている場面。
家族に本音でぶつかるにもぶつかれないもどかしさを感じている聡子だが、
自分の思いを大切にし出した時から、
彼女の人生も心の緩さも生まれて、心から楽しいと思える日が来るのだ。
物語の終わりは、友だちの秘密を知ってもなお、そばにいたいという選択をする彼女の潔さが素敵だと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の気持ちを言葉にすることが苦手なしおり。昔、助けてもらった風太くんと話すきっかけがほしい気持ちと、風太くんの姉のまゆかさんへのあこがれから、お小遣いをためて、カチューシャを買うことを決心します。
仲のいい友だちにも遠慮して、気持ちをうまく伝えられないしおりが、カチューシャという目標を持って、少しずつ気持ちを表現できるように変わっていく様子が、丁寧に描かれていました。
ただ、私の勤務する学校では、シュシュもカチューシャも、ケガやトラブルを防止するため、禁止されています。お手伝いをしてお小遣いをあげるというのも、賛否両論あることを考慮すると、学校で児童に薦めるのはためらってしまいます。 -
Posted by ブクログ
先生から頼まれて、自分に会いたいという不登校の子のお見舞いに行ったら「復讐したい」と言われるお話
人は無自覚に誰かを傷つけているんだよなぁ というのがよくわかる
自分の居場所を確保する行為は、誰かをはじき出すという事にも繋がるわけで……
その反面、知らず知らずのうちに誰かの助けになっている事もあるよねぇ
いや、ホントに人間関係って面倒くさいよねぇ
友情を確かめるような行為って往々にしてある
この人だから許してくれると思うようなこと
でも、逆にこの人なら止めてくれるってこともあるよね
タイトルの「猫の名前」はぬいぐるみの猫なんだけど
片方にとっては信頼の証なんだけど、もう一方は重要性に無自覚というか知らないというかの一方通行なところが切ない
ってか、主人公の佳苗は忘れてること多すぎないか? -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本の主人公は、三条聡子。中学受験をするために塾に通う小学校6年生です。
<いつも、いっしょにトイレに行って、給食も一緒に食べて、遠足も同じ班。でも、本当の気持ちを伝えあったりしない。嫌いでも好きっていったり、いやでも、いいよっていったりする。この子たちと一緒にいるのはあと半年の辛抱だと思ったりもする。グループは、うざい。うざいんだけど、そこにいないと、一人になってしまう。休み時間とか、給食のときとか、移動教室のときとか、困る。>
聡子が送っているのは、こんな学校生活です。
だから、聡子は塾に通います。塾での聡子は一人です。夏期講習のお昼ご飯を一人で食べながら、聡子は塾っていいなあと思います。学校みたいにどこかのグループに入ってなきゃ困るってことがないからです。塾は、勉強だけしてればいいんです。受験に合格すればいいんです。先生も事務の人も、友達と仲良くしましょうなんて言いません。
塾の後、ミスタードーナツで待ち合わせて、いつも一緒に復習する、霧島くんという気になる男の子もできて、聡子は快適な塾ライフを送る……はずだったのですが。
塾でもやっぱり、思う通りにはいかない人間関係が出てきます。
塾に行ったら、楽しいことがいっぱい待ってると思ったのに。例えば私立の中学に合格したとしても、そこにもまた、あんな子やこんな子がいないとは限らなくて、やっぱりそんな子と仲良くしなきゃいけなくなったりするのかももしれなくて、考えたこともなかったけど、楽しい毎日が待ってるわけではない可能性だって高くて。不安が、胸におしよせて。行くところもなければ、逃げるところもなくて。
聡子の足は、止まってしまいます。
夏期講習の間、聡子の楽しみは、霧島くんとの「ハッピーノート」の交換でした。夏期講習の間、毎日、このノートを交換します。交換日記ではありません。日記みたいなことを書いてもいいけど、目的は苦手科目の克服です。お互いに採点しあって、解説しあって、毎日続けたら、きっと苦手科目が克服できる、そんなノートです。
聡子の苦手科目は社会、霧島くんの苦手科目は漢字です。
苦手科目。
勉強だけしてればいいはずの塾にさえ、聡子は居場所がなくなります。聡子の本当の苦手科目は。
人生の苦手科目。自分は何が苦手で、だからどうしなければならないのかがわかるまでが、一番辛い。わからなくて悩んでいるときは前が見えないから。
悩んでるヒマがあったら、どうすればいいのかを考えたい。
この本には、それを考えるためのヒントがあります。
毎日がなんだかちょっと息苦しい、そんなときに、いいかもしれない本です。