あらすじ
小学校でも塾でも、友だちを前に思うように自分を出せずにいる6年生の聡子。塾の帰りにいつも一緒に勉強する霧島くんにひそかな思いを寄せていますが、本当の気持ちは言えないままです。家ではイライラしてつい両親にあたってしまい……。そんな聡子ですが、もっと霧島くんと仲良くなろうとがんばるうちに、次第に周囲の人との関係も変わってきます。単行本発売以来、多くの年若い読者から圧倒的支持を得ている作品の、待望の文庫化です!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごく面白かった。あの年頃にありがちなイライラ、もやもやとした感情、葛藤がうまく表現されていて。主人公をとりまく人間関係の変化の描き方が秀逸。5,6年の女子に勧めたい。
Posted by ブクログ
小学生の時から家にあって、本当に何回も何回も読んだ本。
人に合わせてしまう聡子は、本音や秘密を抱えているけど、実は他の友達もそれぞれの事情とか環境があったりするわけで。
人は全員違うのだから、分かり合えないことが前提でありつつ、理解・受容を強制するんじゃなくて、そのままに受け取る。同化もしなくていいし、異物として扱わなくていい。そんな姿勢を感じました。
内容以上に、あのとき繰り返し読んでいた自分も、何かしら思うことがあったんだろうなと。
Posted by ブクログ
6年生の教科書で紹介されているので。
本当の気持ちを言えない主人公にもどかしさも感じながら、決して特別なことじゃなく、女の子なら誰でも少しは当てはまることがあるんじゃないかと思うことがよく書かれている。
置かれている立場によって感じ方はそれぞれだと思うので、誰にでも読んでほしい作品。
Posted by ブクログ
今回の「ハッピーノート」は児童小説だったけど、大人が読んでも面白いと思える本だった。
草野たきの本は初めてだったけど、文章が読みやすかった。
小学生が主人公だけど、自分の頃よりずっと大人で、今の子ってこんなんなん?ってビックリした。
吉野家、ミスタードーナツに子供同士で行くの⁈とか、マニキュアとかピアス⁈って、いちいちビックリしながら読み進めていた。
自分の小学生の頃を思い出していたけど、子供の社会にも複雑な人間関係ってあったんだよね。
仲良いと思っていた子が急に話してくれなくなったり、先生にパワハラみたいなことをされたり。
そして、必ず女子一同を仕切ろうとする偉そうな女がいたり。
でも、そういう事を経験しながら成長していくのだな。
Posted by ブクログ
主人公「聡子」が、塾、学校、家庭の悩みを抱えながらも、それを乗り越えて成長していく物語。物語としても素晴らしいのですが、物語の締め方を特に気に入りました。
Posted by ブクログ
人生は素晴らしい。自分らしく生きてこそ人生は楽しくなる。当たり前だけど忘れがちなことを教えてもらった。
勇気を出して行動すると何かがひらくこと。
でも日日はそんなに頑張るのも難しい。
頑張るところと頑張らないところ、いろいろあって良い。良いも悪いも自分次第。
自分が思っているよりもちゃんとやっている自分を他人が見てくれているもの。
変わるのは一つの行動から。
尻上がり的に良くなる本でした。
Posted by ブクログ
本音で付き合いたいのに、人に合わせてしまい、Noと言えない。空想で、こうなったらいいな~と済ませられなくなり、相手とうまく行きたいがために、心ならざる関係を持とうとする。ところがその相手もまた秘密を持って、嘘の関係を結ぼうとする。だから、結局うまくいかない。
途中まで読んでいて苦しかった。
後半、No。私はこうしたい!を切り出して、変化していき、救われた。
Posted by ブクログ
5年生の娘がいます。聡子と同じように自分を表現するのが苦手で…なんだか段々分かりづらくなる子供達の内側を覗き見てるみたいな感じでグングン読めました。母娘共に面白く読めると思います。
Posted by ブクログ
小学生の頃から始まる女子同士の難しい関係性をうまく描いています。草野たきさんは丁寧ですね。この人の本を読んでる女子は、なんかそれだけで信用してしまいます。
Posted by ブクログ
この本の主人公は、三条聡子。中学受験をするために塾に通う小学校6年生です。
<いつも、いっしょにトイレに行って、給食も一緒に食べて、遠足も同じ班。でも、本当の気持ちを伝えあったりしない。嫌いでも好きっていったり、いやでも、いいよっていったりする。この子たちと一緒にいるのはあと半年の辛抱だと思ったりもする。グループは、うざい。うざいんだけど、そこにいないと、一人になってしまう。休み時間とか、給食のときとか、移動教室のときとか、困る。>
聡子が送っているのは、こんな学校生活です。
だから、聡子は塾に通います。塾での聡子は一人です。夏期講習のお昼ご飯を一人で食べながら、聡子は塾っていいなあと思います。学校みたいにどこかのグループに入ってなきゃ困るってことがないからです。塾は、勉強だけしてればいいんです。受験に合格すればいいんです。先生も事務の人も、友達と仲良くしましょうなんて言いません。
塾の後、ミスタードーナツで待ち合わせて、いつも一緒に復習する、霧島くんという気になる男の子もできて、聡子は快適な塾ライフを送る……はずだったのですが。
塾でもやっぱり、思う通りにはいかない人間関係が出てきます。
塾に行ったら、楽しいことがいっぱい待ってると思ったのに。例えば私立の中学に合格したとしても、そこにもまた、あんな子やこんな子がいないとは限らなくて、やっぱりそんな子と仲良くしなきゃいけなくなったりするのかももしれなくて、考えたこともなかったけど、楽しい毎日が待ってるわけではない可能性だって高くて。不安が、胸におしよせて。行くところもなければ、逃げるところもなくて。
聡子の足は、止まってしまいます。
夏期講習の間、聡子の楽しみは、霧島くんとの「ハッピーノート」の交換でした。夏期講習の間、毎日、このノートを交換します。交換日記ではありません。日記みたいなことを書いてもいいけど、目的は苦手科目の克服です。お互いに採点しあって、解説しあって、毎日続けたら、きっと苦手科目が克服できる、そんなノートです。
聡子の苦手科目は社会、霧島くんの苦手科目は漢字です。
苦手科目。
勉強だけしてればいいはずの塾にさえ、聡子は居場所がなくなります。聡子の本当の苦手科目は。
人生の苦手科目。自分は何が苦手で、だからどうしなければならないのかがわかるまでが、一番辛い。わからなくて悩んでいるときは前が見えないから。
悩んでるヒマがあったら、どうすればいいのかを考えたい。
この本には、それを考えるためのヒントがあります。
毎日がなんだかちょっと息苦しい、そんなときに、いいかもしれない本です。