あらすじ
女子3人、それぞれが抱える心の痛み。泣きたいくらいつらいのに、どうして泣けないんだろう? ――親友との関係に思い悩む、中学2年生の香緒(かお)。研究に熱中することで、なにかを忘れようとする、香緒のいとこで大学院生の知里(ちり)。一緒に住んでいた二人のもとに、知里の過去を知る、るう子が転がりこんでくる。奇妙な共同生活を送る中で、明らかになる三者三様の苦悩の正体とは? 第40回講談社児童文学新人賞受賞作品。
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Posted by ブクログ
再読。るう子ちゃんみたいな友だち(ここまでではないけど)いるかも。相談されたから話聞いてても、騒ぎたくて騒いでる感じ(もちろん、それだけではなくて本当に恋にのめり込んでいる部分もあるのだけれど)。そんな子でも時々会いたくなったり、一緒にいる時に楽しかったり。友だちっていつもいいとかじゃなくて、いい時と悪い時のグラデーションだよね。この子は合わないから遊ばない、で終わらせるのがもったいないと思わせてくれる本。自分の心の中にちくちくする部分があっても、それでもその子と会いたいという気持ちを肯定してくれる。ただ、中学生とはいえ、2人で告白しにいくのは意味わからん。1人で行け。
Posted by ブクログ
友達とのケンカ別れ。
よくあるテーマのはずなのに
脇役ルウ子の芝居がかった恋模様が
かなり面白くさせてくれました。
おかげで一気読み。
友達をいつまでも待っている主人公も
心の中では悲劇のヒロイン。
結局、ルウ子に似ていたのかもしれませんね。
未練がましいとこも
前に進むのが怖いことも
自分のほうが鈍感だったところも
たくさん共感できる部分がありました。
読み終えたら、前を向ける物語。
ふと
会わなくなった友人との
「糸」を想い返しました。
Posted by ブクログ
親友という言葉の甘美さ。
中学時代の自分はその言葉にあこがれていた。ほしくてほしくて、いらいらするほどほしくて、叶わなかったもの。女子の焦がれアイテムなんだろうと、思う。
言葉で簡単に口にすることはできる。
けど、あまりに軽く流通するこの言葉に感じる苛立ちは今も。
彼女らの関係は軽くはなかった。けど、ふとしたことで入ったヒビは修復されることなく時間だけが過ぎていく。
いつかもとに戻るはず。そう思って時間だけが過ぎていく。香緒の時間は止まる。友達関係に不安のある女子中学生、必読。
Posted by ブクログ
一気に読んだ。
中2の女の子の日々。
大学生の従姉とその友人と3人で暮らすという考えづらい状況。
中学校での親友とのすれ違いは現実にもありそうで切なくつらかったが、そのぶん主人公が少しずつ成長していく様は頼もしく感じた。
解説のあさのあつこさんの文がおもしろい。
ほんのり未来を感じさせつつなんとなく終わるこの感じが、最近読んだな、と思い出してみたら同じ草野たきさんの『ハーブガーデン』だった。
Posted by ブクログ
第40回講談社児童文学新人賞、児童文芸新人賞受賞作。
前から気になってたので結構期待して読みましたがなかなかよかった。
ちなみがいなきゃなにもできないとうじうじする主人公香緒の気持ちはわかるし、香緒と生活する従姉妹の知理、突然一緒住むはめになったるぅ子。
梨本くんがね、カッコイイです、女子にもてるよー
Posted by ブクログ
いろいろなことに悩む女の人たちの関係について書かれた本。知りあってしまったからには見えない糸でつながっている、みたいなくだりがあって、偶然と確率論の話を思い出した。たとえ糸でつながっていたとしても、それは時に身動きを許さないものになりそうだ。と思ってしまうのが申し訳なくなるようなさわやかな話。
2009/10/3
Posted by ブクログ
主人公の女の子の友達との関係を通してあぁ、こういうの昔あったなぁと昔の自分を思い出してみたり。。主人公と友達の関係が変化したことがいいか悪いかじゃなくてそれでいいんだって思った。