あぁ、私はやっぱり法医学の話が好きだ。
読み終わって一番に出てきた感想がこれだった。
という訳で今回はちょっといつもと違って歴史モノの要素も含めた法医学ものですね。
と言っても私は歴史的な知識なんてほとんど持っていないのでどれくらいこの話が史実に基づいているのかとか、この時代にここまで精密な検屍は可能だったのかとか、そういう細かい部分はさっぱり判別の仕様がありません。
ただ「古代中国なら何か出来そうな気もする」という謎の信頼感も少しだけ私の中にあります。
でも出来なかったとしてもいいんです、ストーリーが面白ければ。
この物語の主要人物は二人。
死ぬほど美形だけど腹黒くて胡散臭い宦官と出世欲が一切なく眠ることが趣味なのに屍体の前では覚醒する検屍官。
この二人が後宮で起こる様々な殺人事件だったり不審死だったりを調べていく話なのですが、想像以上に面白かったー!
いやキャラクターもキャラクターだしもしかしたらラノベ要素のが強いかもなー、なんて思っていたんですがしっかり理路整然とした検屍結果から事件が語られるので「なるほどそうだったのか」ときちんと納得出来る。
そして現代の話ではなかなか出てこないような検屍の仕方をするのでそこも面白い所ですよね、今ならきっとこうやるんだろうなぁなんて考えながら読んだりしてました。
しかし時代設定が昔なのもあってか「ちょっと罪重すぎない?」と思うことも若干あったりはしましたね……いや、事件内容考えるに最終的に見つかった犯人のあの刑はまぁ今だったとしてもそうだよねぇとはなるんだけども、なるんだけども何かちょっと悲しかったしなぁ……夢ならばどれほどよかったでしょう……。
このお話自体はまだ続編が出ているようなのでちょっと続きも読んでみたいと思います。
あの二人がバディとなるのかも気になるし、ほんの少しだけ中国史に詳しくなれるかもしれませんし。