宇山卓栄のレビュー一覧
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世界史で読み解く天皇ブランド 宇山卓栄 悟空出版
はじめに選民主義ありきの天皇論なので
矛盾だらけ
天皇家の内情に干渉し目一杯口を挟みながら
世界に冠たる天皇の唯一性を崇める矛盾
天皇はシャーマニズムによる平安時代以降武士による君主制の風よけとしての
宗教的位置付けによって
君主が変われど決して矢面に立つことなく
その地位を失わずに来たのである
明治以降も建前上君主となっただけで
天皇すり替え説があるぐらいで
実質は政府と財界と軍属が政治を動かしていたのだ
男系継承でなければならないとか直系継承が望ましいとか主権者である国民が議論する現状の矛盾
著者は現状においても立憲君主制による帝国だと主張 -
Posted by ブクログ
今年(2024)のGWの大掃除で発掘された本のレビューは大方終わりましたが、その前に娘夫婦が宿泊した時に大慌てでスースケースにしまい込んだ本があり、それらの本のレビュー書きを終了させたく思っています。
記録によれば、日本ではコロナ緊急体制が出された2年程前(2022.7)に読み終えた本です。宇山氏の歴史に関する本はこれで6冊目となりますが、レビューを書きながら中身を振り返りたく思います。
以下は気になったポイントです。
・中国の統一王朝で漢字を使う漢民族が作った王朝は9つある中で、秦、漢、晋、明の四つしかない。秦と晋は短命政権なので、わずか漢と明だけが実質的な漢民族の統一政権である(p1 -
Posted by ブクログ
世界史を様々な視点で読む著書を定期的に読んでいるところですが、宗教史を続けて読んだこともあり、ちょうどよい一冊を手に取りました。
著者が「宗教がその勢力をどのように拡散させていったのかを考え、また、安全保障上の戦略として、どのように宗教覇権の攻防が地政学的に展開されたかを考える本」と書いているとおり、宗教を違う視点でとらえ、それを歴史的・地理的にどのように影響を及ぼしたか、ということが分かりやすく示されています。
まずは、中核的な地域を、中国、インド、ヨーロッパ中部、東西交易路の4箇所とし、そこが周辺にどのような歴史的影響を与えたのかを体系的に描いています。
例えば、東アジアの場合、コア地域を -
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『要は宗教はカネなどの富の分配に関わる処世術のようなものです。』と本書に書いている通り、宗教理念よりも実際的な経済利害に着目し、様々な宗教についての歴史を振り返るのが特徴的な本です。
例えば宗教改革や、シュマルカルデン戦争は、信仰の理念を元に推進されたというだけではなく、実際にはその裏に、ダンピング競争(安売り競争)といった諸侯と教会との間のドロドロ領土争奪戦があり、領土・財産を奪い利権を守ろうという不純な動機があったことを述べています。
日本人は宗教に関心が持てないという人が多い印象です。(私自身そうなのですが…)本書はそんな人にも分かりやすいよう簡潔にまとめた図解も用いつつ、人間の心理 -
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小さいころは、ごく単純に、「平等な人間社会にあって、天皇制とはいかがなものか」と思うだけだったが、様々な知識を得て、これも一つの社会の仕組みとしては必要な構造として働いてきたのだと見直してきてもいる。
しかし、「天皇」は、日本独自の呼び方としても、「皇帝」「王」などの、日本語訳されたもののルーツや意味、また、「帝国」と「王国」の違いなど、あいまいなままのものは多い。「帝国主義」とはいうけれど、だからといって、その国が「帝国」であるとは限らない。
「エンペラー」「キング」「カイザー」「ツァー」「ハーン」「ハン」「「スルタン」「シャー」「アミール」「サパ・インカ」「トラトアニ」などなど、世界中で使