宇山卓栄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ほんまかよ、って突っ込みたくなるところは多々あったが、トランプの暴走や戦争が「なぜ」起こるのかについて、理解できたのがすごく面白かった。宗教についても何でそんなことするんやろう??て理解できへんかった部分が今まで多くって、特に大学でキリスト教勉強したけど聖書めちゃくちゃやし何でいい大人が神を信じる???て思ってた。子供に言い聞かせるためにできたんかなー、なんて浅く考えてたけど、全てはその国その土地で生き抜くために考えられた手段だった。
カリブ海の国々で低税金政策、スイスやシンガポールの安定金融、島国の民主的思考、土地が広い国の独裁国家等、土地で考えるって面白い。
彼の他の本もぜひ読んでみたいな。 -
Posted by ブクログ
社会が混乱する度に民族主義が持ち出され、ナショナリズムが高揚するが、現在のほとんどの民族は混血である事が歴史からわかる。国民国家的な意識は現在においても当然存在しているが、そのような意識が今後における国家間対立や戦争の引き金になるのではないかと感じた。
グローバル化と資本主義の台頭によって、貧富の差による社会の分断は進み、敗者の怒りは「移民」や「外国人」に向かう可能性がある。
今までほとんど単一民族で構成されてきた日本においても、相対的貧困が増加している現代社会において、グローバル化の波は他人事ではない。
民族の視点で歴史を読み解く事で、今日の世界が抱える負の側面について考える一助になる一冊。 -
Posted by ブクログ
これで宇山氏の本は9冊目となります、地政学も地理も興味のある分野ですが、最近のニュースだけでなく「過去の歴史上の事件」を地政学・地理の知識を使って解説されている点がこの本の特徴です。
さらにこの本の特徴は、最終章に書かれている「現在変化が起きている気候変動」は、地形が変わることで各国が、それを見据えて準備をしていることでした。この本のタイトルにあるように、地理で考えることが武器になるように、今後も様々なニュースをみる時に心掛けたいと感じました。
以下は気になったポイントです。
・暗記した知識は時代が変われば 陳腐化するか、なぜその場所に都市ができ、 なぜその産業が興ったのかという地理的なロジックは時代を超えて 応用可能なスキルになる。 これからの時代に求められているのは「 暗記 知識としての地理」ではなく「 戦略としての地政学」の視点を持った地理的思考である(p5)
・歴史は繰り返しと言われるがなぜ繰り返すのか、 それは舞台となる「地理」が変わらないからである。世界のエリートたちが 歴史の教養 以上に、 地理 や 地政学を重視する理由はここにある (p6)人間は変わっても 舞台装置= 地理は変わらない、変わらないものを理解することこそが 不確実な未来を予測する最も確実な方法である(p7)
・ビジネスとは 突き詰めれば「環境への適応」である、自社が置かれた 地理的条件( リソース・ 位置・気候・ インフラ)を分析し その土地だからこそ 発揮できる強み(=比較優位)を見つけ出すこと、 そして自社に足りない リソースがどこにあるかを地図上で探し出すことである(p9)
・地政学リスクとは、 地理的な条件と、政治的な意志のずれから生じる 摩擦熱のことである。 地理の強制力: 変えられないもの、 例えば資源の場所・ 海への出口・ 隣国との距離、 地形による防衛のしやすさ など。 政治の意志: 変えられるもの、 例えば 国境線・ 同盟関係・貿易協定・ 国家の野心などである(p13)
・ 熱帯は農業と健康にとって 過酷すぎる、 温帯の冬は害虫や病原菌を一度リセット(死滅) してくれる、 しかし 常夏の熱帯では病原菌や媒介する蚊、作物を食い荒らす 害虫が一年中 活動し続ける、 さらに絶対の土壌は激しい雨によって栄養分が流出しやすく 農業に適していない。このスタートラインの違いが数百年という時間をかけて 複利のように 積み重なり巨大な経済格差となって現れている (p38)
・ ヨーロッパではフランスも ドイツも国境を接する 隣国からの侵略に備えるため 莫大な予算と人的リソースを陸軍に費やす必要があった、 しかし 海に守られたイギリスは本土侵略のリスクが極めて低く、 軍事費を陸軍ではなく「海軍」と「通商」に集中させることができた、 さらにイギリス 国内では 資産が破壊されるリスクが低く人々は安心して 長期的な投資を行うことができた。工場を建て高価な機械を導入するというリスクの高い行動は「明日もこの工場が破壊されずにここにある」という地理的な安全保障があって初めて 可能になる(p42)
・蒸気機関は最初から 織機を動かしたり 列車を走らせたりするために発明されたのではない、「 炭鉱の地下水処理」 という 極めて 局地的な現場のニーズに応えるために生まれた。イギリス にもし 豊富な 石炭がなく、 炭鉱 開発の必要がなければ、 ワットが蒸気機関を改良する動機も生まれず 産業革命は数百年遅れていたかもしれない(p44)
・日本が奇跡的に反映できた最大の理由は「 世界で最も海運 を利用しやすい国土形状」 を利用しやすい国土形状を していたからである、 資源 そのものは持っていなくとも 資源を運んでくる コスト、 製品を運び出す コストが極限まで低い場所に 工場を作れる。 この1点において日本は世界最強の立地条件を持っていた (p48)
・ 西洋人はアフリカ人をなぜ奴隷にしたのか、 差別があったから 奴隷にしたのではなく「奴隷にする 地理的・ 経済的な必要性があったから、 後付で差別の論理を作って正当化した」という 側面が強い 。地理的な必要とは、 新大陸 アメリカの「気候」とそこで 栽培しようとした「作物」 そして「 病気のミスマッチ」 であった(p53) 当初 ヨーロッパ人は現地の先住民(を労働力として使おうとしたが、彼らは次々と死んでいった。 虐待も原因の一つであるが、 最大の死因は「病原菌」であった、ヨーロッパ人が持ち込んだ 天然痘や麻疹に対して免疫を持たない 先住民は ひとたまりもなく 人口の90%以上が死滅した。次に自分たちの同胞である「白人の契約労働者」を送り込んだが 彼らも次々と倒れた、ヨーロッパ人には熱帯の病気に対する抵抗力が全くなかった。 そこで 地理的な答えを持っていたのが アフリカ人 であった、 アフリカ人は差別 対象である以前に「熱帯のプランテーションという特殊な地理的環境で生存し 稼働できる唯一の労働 リソース」として発見された(p55)
・ 代表なくして課税なしという民主主義の格言があるが、 資源国ではこれが逆転する「課税 なし、 ゆえに 代表もなし」 政府は国民に課税する必要がない代わりに、国民の声を聞く必要もない その結果 富は一部の特権階級に集中し、それを守るための秘密警察や軍隊が肥大化し 強権的なリーダーが 君臨し続けることになる(p62)
・マネーを動かしてる人間は依然として太陽の下で暮らしている、 朝起きて働き 夜眠るという生物学的なリズムからは逃れられない、 つまり マネーは勝手に飛び回っているのではなく「 地形( ケーブルやサーバーの場所)」と「天体( 太陽の動き)」という2つの巨大な物理的制約に沿って流れている。 マネーの流れのルールは「危険な場所から安全な場所へ流れる」 その安全な場所を決めるのも 地理 である。 スイスやシンガポールが世界的な金庫になれたのは彼らの金融スキルが高かったというよりも、 アルプス山脈という天然の要塞、 マラッカ海峡という物流の心臓部を握っていたからである(p68)
・ スイスの 攻めにくい地形( アルプス山脈)がスイスの国是である 永世中立 を可能にした、 中立とは「戦わない」と宣言することだけではなく「 攻め込んできたら 全土を照度にしてでも反撃する」という実力( 地理的・軍事的抑止力)があって初めて成立するものである(p73)
・シンガポールは 物流のハブであるが、 必然的に金融のハブにもなる。ものが動くところは 必ず決済が発生し、 保険が必要になり、 為替交換が行われるからである (p78)
・ かつて大英帝国として7つの海を支配したイギリスは 軍事力や産業力を失った今でも金融の世界では君臨している 、その最大の理由は ロンドンが「 経度0度」に位置しているという地理的事実に尽きる。 ロンドンが朝を迎えて ディーラーがデスクに着く頃、 東には夕方を迎えるアジア市場があり まだ取引が続いている、ロンドンが午後を迎える頃 西には 朝を迎える 北米市場がオープンし フレッシュな注文が入ってくる。 つまり ロンドンのディーラーだけが 1日の労働時間で、アジアの膨大な「 実需 マネー」とアメリカの巨大な「投資マネー」 の両方とリアルタイムで取引ができる (p89)
・大陸国家は「領土」を求め 海洋国家は「自由」を求める、歴史上の 多くの戦争は、正義と悪の戦いではなく、「恐怖に駆られたランドパワー」と「均衡を守りたいシーパワー」 の地理的宿命の衝突として説明がつく(p107)
・ 皮肉なことに 現代の私たちが 享受している「個人の自由」や「 民主主義」はヨーロッパ人の民度が高かったから生まれたのではない。 彼らが「 独裁者に頼らなくても空から勝手に水が降ってくる」という 恵まれた 気候( 地理的幸運)の下に住んでいたからである(p114)
・宗教の戒律とは 神聖さを有しているが、その中身を解剖すれば「 人口に対する土地の収容力のバランスを取るための資源管理 システム」 という 側面が見えてくる、 「豚を飼うコスパが悪いからやめよう」 と呼びかけても人間の食欲には勝てないが「神が禁じたという強力な タブー」 を設定し 恐怖によって 欲望をコントロール 必要がある(p142)
・ 砂漠には変化がない 360度 地平線まで同じ景色、 季節の変化も乏しい。 その中で 漫然と過ごしていると人間は 時間間隔を喪失し 生活リズムが崩壊する。 1日5回の礼拝は、砂漠という「不変」の中で強制的に生活にメリハリをつけるためのタイムマネジメントとなる(p150)
・牛や羊 ラクダは半数 動物と呼ばれ4つの胃を持っている、人間が食べられない 草を消化し 栄養に変えることができる、 これは人間にとって非常に都合の良い システムである。人間とには価値のない雑草を食べさせれば それが 肉や 乳 という 高タンパクな食料に変わるのである (p157)
・日本人が 無宗教だと言われることがあるが それは間違いである、 特定の 協議を持たないだけで「自然の摂理に従い 調和を乱さない」という 湿潤地帯特有の極めて強固な 宗教観を持っている(p169)
・世界には大きく分けて2つの正義がある、 集団の輪を最優先する「 東洋的な正義」 個人の権利と契約を最優先する「 西洋的な正義」、 この決定的な違いを生んだのは、 孔子でもキリストでもなく、「稲(コメ)」と「小麦」というという作物の性格の違いである。日本人が和を尊ぶのは性格が穏やかだからではなく「そうしないと全員 餓死するから」という 地理的・ 経済的圧力に適応した結果である。 欧米人がドライで自己主張が強いのは彼らが利己的なのではなく「 集団に頼らなくても生きていける」という 乾燥・ 畑作地帯特有の地理的条件が個人主義という思想を育てた(p186)
・日本社会には法律よりも 憲法よりも上位に君臨する、絶対的なルールが存在する、 それが「空気」である。 会議で反対意見があっても周りの空気を読んで 黙る、 マスク着用が個人の判断になっても周りの目が気になるから つけ続ける(p191)
・文化は取り入れるが支配は受けない、 尊敬はするが同化はしない、この絶妙な距離感 こそが 島国根性の正体 である。大陸の文明を 「島国仕様=ガラパゴス化」に改造することで オリジナリティを確立した(p231)
・21世紀に入り「人間は変わるがチリは変わらない」という これまでの 地政学の大前提が根底から変わりつつある「 地位 そのものが 物理的に変化し始めた」原因は2つあり、1) 気候変動= 地球温暖化による物理的な地形や気候帯の変化、2) テクノロジーの進化による人間の活動領域の劇的な拡大( 宇宙空間への進出) である(p239)
・これからの数十年 国家間の軍事衝突の引き金となるのは、 イデオロギーの対立でも石油資源でもなく「 川の水を誰がコントロールするのか」 という 極めて 原始的で 死活的な問題へと回帰していく(p242)
・未来の地政学 が向かう最後のフロンティアが宇宙である、 宇宙開発は科学のロマンだと考えるのは平和な時代を生きた人間の感情に過ぎない、歴史を振り返れば「人類が新しい領域」に進出する 動機は、常に「 資源の獲得」と「軍事的な優位性の確保」 である。 地球と月の間の重力が釣り合い 人工衛星 や 宇宙基地を安定して滞在させることができる「 ラグランジュ点」と呼ばれる特殊な座標、 これが 果てしなく広がる宇宙空間の中に浮かぶ 戦略的に極めて価値の高い「島」であり「 海峡」である(p243)
2026年7月1日読破
2026年7月1日作成 -
Posted by ブクログ
教養として知っておきたい 「宗教」で読み解く世界史
宇山卓栄
【目的】
知れば知るほど怖くなる宗教の数々。
支配や差別や収奪や貧困や格差や暴力や戦争を正当化する。宗教て人に必要なのか?と疑問がある。
そんなわけで、宗教と戦争の歴史を総覧された本を読んでみたくなった。
【読後感】
神道以外は大体カルト、ただし宗教は必要悪。無宗教で有信仰な日本人からすると、政教分離の必要性を実感する。
宗教とはざっくり、信じることと一定の生活制約と引き換えに現世か死後の幸福を約束するものとの認識。
だが、実際にこの約束は個人とか家族とか社会集団とか国民という単位で見て、効果はどんなものなのだろう。
宗教の中身に踏み込まず、宗教と戦争の事績だけを見ると宗教は人を幸福にしないのではないか?と思う。かといって、フランス人みたいに自分の理念や理想に直進!というのもしっくりこない。
ヒトは群で暮らす生き物なので、何らかの共同体は必要。かつ自分が生きている間は継続してくれそうなもの。手軽なとこだと宗教だが、コレはスジ悪。とすると、時代を遡り家族や地域や学校など、血縁や地縁に根差したものが案外よいのではないか?と思わなくもない。
【印象に残ったポイント】
わたし個人としては宗教に対して権威は感じないが、宗教をうまく使う権力が栄える。現代日本だと自民党&創価学会が自民党&イスラム教になりつつある?怖すぎる。
権威と権力の正当化ロジック
権威は権力の正当化に用いられがち、世俗権力と宗教権威は相性がよいためか権力が教理を捻じ曲げて権威化したり、権力と権威がもちつもたれつ癒着したり。
宗教は大義名分として目的にも道具にもなる
宗教を目的に〜する、宗教を道具にして〜する(戦争、収奪etc)、宗教の使われ方は時々で異なる点が今後読書する時に気にかけるべきポイントと感じた。 -
Posted by ブクログ
トルコ人をモンゴロイドとするかコーカソイドとするか定まっていない。人種間に明白な境界はない。純粋なモンゴロイドもいないし、純粋なコーカソイドもいない。p.14
アルタイ語族(モンゴル・トルコ)。シナ・チベット語族(中国・チベット・ビルマ)。
ナチスの鉤十字は古代アーリア人の太陽のシンボルで、神や幸運を表わすスヴァスティカ。p.33
ヨーロッパ人の使う算用数字・アルファベットは、どちらもアラビア人から借用したもの。p.36
北魏(モンゴル人の王朝)。孝文帝は両民族の混血を推し進めた。漢人の若い女たちは、モンゴル人の男の妾になった。モンゴル人の女は、漢人の男に嫁がされた。p.45
漢人の王朝。秦、漢、晋、明。p.46
宋をつくった趙匡胤は、自らを前漢の名臣の末裔だと称したが、じつはトルコ系の沙陀(さた)族出身とされる。p.55
朝鮮半島の南西部には日本から伝わった前方後円墳や日本伝来の埴輪や銅器が出土している。p.59
日本にとって、属国である百済を失うことは自国領土を失うことと同じ。だから無謀であっても4万7千の軍を送って、これを死守しようとした。白村江の戦い。p.65
オランダ独立前、イングランド人は、オランダ人とドイツ人をまとめてDutch(ドイツ人)と呼んでいた。p.105
フィンランド語、エストニア語、ハンガリー語はウラル語族。スウェーデン語とノルウェー語はゲルマン語派(インド・ヨーロッパ語族)。
ベルベル人。白人、アラブ人、黒人の混血。歴史学者イブン・ハルドゥーン。旅行家イブン・バットゥータ。p.144
18世紀後半、黒人奴隷の卸売り価格が上昇。砂糖・綿花の生産増大で商品価格が低下。奴隷貿易の利益が先細りしはじめた。1807年、イギリス議会は奴隷貿易を禁止する。人道的な理由というより、奴隷貿易の利益を搾り取り終わったから。p.239
アメリカのインディアン虐殺は、ナチス顔負けの民族絶滅政策。ジョージ・ワシントンも、インディアン部族の集落にたいし焦土作戦を実行した。p.243
アメリカの白人優位主義者は今でも南北戦争のとき黒人奴隷を肯定していた南軍の司令官リー将軍を讃えている。リー将軍の像撤去にも反対。p.248
エジプトのマムルーク朝(都カイロ)のスルタン(バイバルス, トルコ人)は、フラグ(モンゴル人)の侵入を撃退した。
日本はパリ講和会議で人種差別撤廃の条項を盛り込むよう提案したが、英などの拒否により実現しなかった。p.307