仁木めぐみのレビュー一覧

  • ドリアン・グレイの肖像

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    「なんと悲しいことなんだ!僕は歳をとっていく。そして恐ろしく醜い姿になっていく。この絵は若さを失わない。…反対だったらいいのに!いつまでも若さを失わないのが僕の方で、この絵が老いていけばいいのに。…」(P56)

    3月は古典に触れようと思います。
    そんな矢先に、読もうと思ったのがこの本でした。

    人間、いつまでも若々しくありたいもの。しかし、鏡に映る自分は日を追うごとに歳を取って行きます。

    主人公である、美少年ドリアンもそう思っていて、画家バジルが描く自分の姿を見て、冒頭の言葉を言い放った。

    何気なく、情動的に出た一言。しかしこの言葉が彼の人生を大きく狂わせることとなったのでした。

    絵の

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    2020年03月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    老いるのも残酷だが、自分だけ美を保ち続けるのも残酷なんだなぁと思った。
    飽きさせないストーリー展開に加えて、ヘンリー卿の毒舌などでワイルドの人生観を堪能できた。

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    2019年12月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    THE NOVEMBERSの小林祐介さんが勧める小説と見かけたので読んでみた。第19章で私の人生を揺るがすような素晴らしい言葉を見つけた。指針になるかもしれない。そしてヘンリー卿の言葉に深い意味などないのかもしれないが、突き刺す言葉だらけで頭と心が揺れ動き続けた。

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    2017年06月17日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    自己愛と堕落に溺れたドリアンの、醜さを描く作品。
    快楽主義者による快楽主義者のための本かと思ったが、ここまで堕落し醜くなっていく人間を描き爽快感がある。
    ストーリー自体は予想ができるような内容で、そこを重視すると少し退屈だと思うが文一つ一つにワイルドの考えが込められているような気がして、重厚だった。

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    2015年05月28日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    19世紀アイルランド出身の作家・劇作家、
    童話も名高いオスカー・ワイルドの小説。

    高校生の頃、旧訳を古本屋で買って
    積読しっ放しだったことを思い出しつつ、
    あまりに有名なため、
    読まずしてオチを知ってしまっていたので避けていたが(笑)
    まあまあ気に入っている光文社古典新訳文庫にて
    第2刷が出たのを機に購入。
    予想を遥かに上回る面白さに驚いた。
    老若・美醜の問題に囚われるあまり
    言動が常軌を逸していく主人公の混乱っぷりは他人事でもなく、
    意外に感情移入して世界観にとっぷりハマることが出来た。
    男性三人が同性愛の関係にあるのは明白なのだが、
    それが罰せられる世の中だったため、
    極めて婉曲かつ控え

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    2017年12月06日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    あらためてオスカー・ワイルド半端ないと思った。筋は戯曲・舞台調で陳腐と言えば陳腐でドラマチックと言えばドラマチックでとにかく飽きさせない。しかし一番の見どころ(読みどころは)ヘンリー卿とドリアンやその他貴族との洒落た軽妙な会話の数々。頭に浮かぶアイテムをつなぎ合わせたら「サロメ」のにおいぷんぷんなんですが、小説だけの言葉、戯曲だけの言葉の使い分けが徹底的だから筋が舞台調でも読み手がしらけずにいられるんだろうなぁ。セリフだけ書き出してトイレにでも貼っておきたい。

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    2014年10月14日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    自分が美しい事を解っている人間がその事を利用して欲望のままに生きていくって、凡人からしたらとても羨ましい。
    本当に恐ろしいものは美しい。最後の最後までまでとても魅力的な一冊です。

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    2014年08月15日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    大学で絵画を専攻しているのですが、人物画のモデルには、知り合いか他人かに関わらず、特別な感情が湧きます。
    私はモデル本人に打ち明けたことはありませんが、ドリアン・グレイの画家がドリアンに打ち明けたのはすごい事だなと思い、それが印象深かったです。

    制作中は実際会ってる時と違う気持ちにもなり、長く描いてると、絵の中のモデルとの付き合いが長くなり、妙な親密さを持ち、「私の知っている絵の中のモデルとは」を考えることがあります。
    それは自分の見たかったモデルの姿とか、理想像であったり、一瞬の人間らしさを感じるたたずまいなどです。

    だから自分が描いた絵画の中のドリアンが変貌していくなんて知ったら、とて

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    2014年05月19日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    穢れを知らぬ、青年の悲劇。
    彼は「鵜呑みにする」ゆえに、
    悲劇を自ら生み出してしまいます。

    もしも、彼に多少の分別があれば
    恐らく、若さがすべてであったり、
    衰えがマイナス一方ではないことが
    わかったことでしょう。

    だけれども、目の前にいる完膚なき【悪魔】の
    前では彼は抗うことができませんでした。
    悪であればあるほど、それは離れがたいものだから。

    だけれども、自分を見なかった彼は、
    最後の最後で付けを払わされます。
    あのような形で…

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    2014年05月04日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    想像以上におもしろく、引き込まれながら、気になるフレーズのあちこちに線を引きながら読んだ。あらすじは随分昔から知ってはいたけれども、そうした筋よりも、ヘンリー卿の皮肉で逆説に満ちた、でも知性的で魅力ある警句の数々、並べ立てられる芸術的な美への賛辞などなど、言葉をたどることが興味深く、おもしろかった。悲劇的なドリアンの最期は、それでも救いがあったのか。ヘンリー卿にいわせると、はじめから救われるべきものなんてないのかもしれないけど。

    線を引いたフレーズのひとつ。もちろんヘンリー卿の言葉。
    「ものごとを外見で判断しないのは底の浅い人間だけだよ。世界の本当の神秘は目に見えないものではない。目に見える

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    2013年07月10日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    何も知らないということは、
    人間が失ってしまった
    全てのものを持っている
    ということだ。
    これには本当に納得した。
    何も知らない、無垢な状態とは
    知恵の実を食べてしまう前の
    楽園のイブだ。
    ヘビであるヘンリー卿がそそのかし、
    ドリアンは罪を知ってしまった。
    この時点でドリアンは
    神から見放され、
    人生を追放されたのだと思う。
    また、バジルの描いた絵も、
    美しくありながら、
    怪しいヘビであったのではないかと
    感じた。
    ドリアンの美しさを崇拝しながら
    一方では、彼の美しさを
    自覚させてしまうエゴに悩む。
    だからバジルはあんなに苦しみ
    絵に罪を感じていたのではないか。
    けれど罪というものは美しく

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    2013年05月28日
  • 死ぬ瞬間の5つの後悔

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    訳者の後書きや章の「その後」を最初に読んで筆者がヘルパーになるまでの過程と学んだことのまとめを読んでから気になる章を読んだ方が良いと感じました。
    (筆者がヘルパーになるまでが長く感じたため。)

    筆者は10年間銀行員の仕事につき、同じ事を繰り返す日々に嫌気がさして、自分のことを知らない場所へ興味を持った地域へ憧れて旅を繰り返した。時に危険な目に遭いそうになりながらも行く先々で様々な人に会い、様々な仕事をその都度もらいノマド生活や時には人から部屋を貸して貰い生活する。住み込みで緩和ケアの介護の仕事に出会い、やりがいを感じ患者と関わりながら人生の教訓を学んでいく。その後前々から創作活動を通じて生き

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    2025年10月25日
  • 死の終わり: 不死の科学的可能性と倫理

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    伝統的に西洋の宗教では遺体は死後の復活のために土葬されるが、東洋の宗教では輪廻転生を果たすため火葬する。しかし復活と輪廻転生のどちらも科学的に証明されたわけではなく、ただの信仰だ。時々前世の記憶を語る人が出てきて驚かされるが、残念ながら、復活も転生も一般的なものではない。前世の話も大抵疑わしい。

    ユダヤ教やキリスト教やイスラム教など一神教では、永遠の生は主に復活によって成し遂げられる。一方で、東洋の宗教と呼ばれるヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教などの宗教では、不死は輪廻転生を経て実現される。

    つまり「不死」に憧れている。
    しかし、それが不可能だと思いこみ、人間の創るドラマでは生命に限りがある

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    2025年06月15日
  • 死の終わり: 不死の科学的可能性と倫理

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    不死に関する研究や未来予測等が書かれていました。

    世界の先進国の平均寿命は1年に3ヶ月ずつ延びていることをデータが示している。

    2029年には寿命脱出速度に到達。
    (1年に1年以上寿命が延びていく)

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    2025年06月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

     文学を読もうと思い名前を聞いたことがあった本書を手に取りました。本書はちょっと昔のイギリスの金持ちの若者がひょんなことで堕落し、最終的に悪の方面に転落しきって亡くなるという小説です(あまりにも雑な要約)。
     元来真面目(あるいは無垢?)であった主人公のドリアンは、画家のバジルを通じて知り合ったヘンリーに唆されどんどんよくない方向に進んでいきます。ヘンリーの人間像が非常にいい感じで、哲学的でなんだか深そうなよくわからないことを滔々と喋り続けるわけです。現代日本人である私の感覚からすると、ある種の魅力はあるにせよ関わってはいけないタイプの人間に感じられます。思うに、いい大人であれば本書が出版され

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    2025年06月01日
  • 死ぬ瞬間の5つの後悔

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    我々は生きている間は死を意識していないが、突然死はやってくる。そのために事前に意識して考えておくことが大切だ。共感は自分から始まる、お金で大事なのは使い道、立派な目的があるときが一番お金が集まってくる、自分を許すことはとても大切、自分に感謝する、等人生で大切なことが多く書かれていると感じた。

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    2025年05月10日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    存在は知っていたけれど、舞台ミュージカル「ワイルド・グレイ」を観ることにして、ようやか手に取った1冊。

    美貌の青年ドリアン、ドリアンに魅了される画家バジル、ドリアンが魅了されていくヘンリー卿。「美」とは?「若さ」とは?
    寓話的にも読める話。

    これまで思いもつかなかった視点からの見方に、ドリアンが魅了されるのがよくわかります。

    ドリアンが手にした様々な美しい物の羅列のあたりは、自分の想像力が及ばないので、冗長に感じましたが、
    そこを乗り越えるとミステリーのような展開になり、一気に読み進めてしまいました。

    最初は客観的な書き方だったのが、美しい物の羅列の後はドリアンの心情も含めた主観に近い

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    2025年02月26日
  • 死ぬ瞬間の5つの後悔

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    今現在は健康状態に問題がなく、活力に満ちた生活を送っている。
    しかし、そんな時だからこそ、「死」について深く考えておくべきかもしれない。
    自分はどんな最後を迎えたいのか、そしてその瞬間が訪れた時に、本に書かれていたいたような後悔を絶対にしないと言い切れるのか。
    後悔なく死ねるように、自分に正直な人生を生きていきたいと思った。

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    2025年01月25日
  • 死ぬ瞬間の5つの後悔

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    後から悔やむから、後悔。
    年配者の経験を学べるのが人間の特権。
    想像し得る同じような過ちをしないように、若い人にも読んで欲しい。
    本当に、後悔なく死を迎えたいと、思う本。
    自分にとって1番大切なものは何か、考えさせられる本。

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    2024年07月17日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

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    アメリカの作家ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著の長篇ミステリ作品『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落(原題:Shooting Script and Other Mysteries)』を読みました。
    ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著は、昨年3月に読んだ『刑事コロンボ サーカス殺人事件』以来なので約1年振りですね。

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    『刑事コロンボ』をはじめとする数々の推理ドラマで世界中を魅了した名コンビは、戦後アメリカ黄金時代のミステリー雑誌を飾った短編作家でもありました。
    その貴重な作品をお届けする〈レヴィンソン&a

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    2024年01月26日