雀野日名子のレビュー一覧

  • トンコ

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    平成20年10月25日初版
    目次
    ・トンコ
    ・ぞんび団地
    ・黙契
    解説 大森望
    第15回日本ホラー小説大賞 選評

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    2013年02月23日
  • トンコ

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    高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける……。日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作をはじめ、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団地」、究極の兄妹愛を描いた「黙契」を収録。人間の心の底の闇と哀しみを描くホラーの新旗手誕生。

    第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞

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    2011年10月20日
  • トンコ

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    ネタバレ

    トンコは微妙だったけど、ぞんび団地と黙契は面白かった。黙契のラストがちょっとよくわからなかったけど、最後に出てきたのは妹だったってこと?それとも主人公の妄想?なにか伏線があったのかと思って読み返してみたけど、よくわからず。

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    2011年04月13日
  • トンコ

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    豚が主役なのにホラー?しかも賞を受賞している…。
    普段あまりホラー小説は読まないのだけど、気にならずにはいられなくて読んでみました。
    お、おもしろい‥(笑)
    話の内容がおもしろいというのもあるけれど、こういうアプローチの仕方もあるんだ‥という見方でのおもしろさも感じた。

    ホラーは、折原一さんや鈴木光司さんの小説くらいしか読んだことがないのだけど、そういう正統派?のホラーとは違う気がする。
    短編集で三作収録されてて、三作目の『黙契』は正統派だけど、表題作の『トンコ』と二作目の『ぞんび団地』は、雰囲気的にはファンタジーに近いような感覚も。
    特に『ぞんび団地』は語り部が小学生の女の子であるためか、

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    2011年01月21日
  • トンコ

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    第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作です。

    表題の作品のほかに、「ぞんび団地」、「黙契」が収録されています。

    食用にされるために搬送される途中で逃げてしまった豚のお話です。
    本当にそれだけなんです。

    でも、信じられないほど面白いです。
    ホラーの概念が覆ります。

    逃げ出した主人公の豚の、なんと純粋な心の持ち主であることよ、と思わされることで、人間どもの身勝手さ、醜悪さが際立ってくるという仕掛けのようです。

    著者は、同じテーマ・同じ登場人物・同じ設定で書いたとしてもここまで読ませる作品に仕上げられる人はそうそういないのではないだろうか、と思わせるだけの確かな筆力の持ち主であり、その証拠

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    2010年02月15日
  • トンコ

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    「豚の死なない日」「僕とポーク」つながりで、読んでみる。
    印象深かった部分>
    ぶひ。
    ぷぎぎぃ。
    ぼととん、ぼひ。

    生姜焼き弁当からは、「M02」の臭いがした。

    場長は廃材の前でしゃがむと、トンコと向きあった。
    そして作業着のポケットからハンカチを取り出すと、
    生姜焼きを拾い、丁寧に包んでポケットに収めた。
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    兄弟の臭いや声を追い求めてトンコが彷徨う物語。
    どのへんがホラー括りなのか良く判らないが、
    もしかしたら豚を殺して食べることに何の疑問も躊躇も無くなっ

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    2009年10月07日
  • トンコ

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    3作とも、ホラーというイメージとは違っている気がした。
    静かに流れる空気、哀しみ、苦しみ、切なさがうまく入り混じり、独特の雰囲気をかもし出している。
    トンコの豚といい、ぞんび団地のあっちゃんといい、黙契の絢子といい、自分の中で、辛く、苦しみもがくしかすべがない弱さが共通点なのだ。

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    2009年10月07日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2

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    ホラーというより奇妙さが際立つものが多かった。ありきたりなオチのものもあったけれど、鼻とか穴らしきものに入るはクセになりそうな感じ。トンコは可愛いに尽きる。ホラーか?と思ったが可哀想という割に豚肉食べる人間が一番ホラーだと思った。

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    2025年07月15日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2

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    後半になるにつれ、インパクトは抑えてられていってる気がする。ただ、受賞作をまとめて読める意義は大きいと思う。収録作品は含めた本はほぼ絶版だし。未収録作品があるようなので、短編全集としていつか再刊してください。ついでに大賞受賞作全集もお願いします。

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    2024年03月13日
  • 笑う赤おに

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    あまり本を読まない私にとっては物語が長かったですが、最後の締めくくりは気持ちいい終わり方でいい本だと思いました。

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    2024年02月23日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2

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    しばらくホラーから離れていた時期の受賞作なので「鼻」以外は初読。
    バリエーションが出てきたなって感じ。しかし、「穴らしきものに入る」のナンセンスさはすごい。

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    2023年12月10日
  • かぐや姫、物語を書きかえろ!

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    和風ファンタジー小説と思って読んでいたら、和風は和風だけど、日本の女性の権利や扱いを古今の有名作品のパロディから紐解くみたいな話になっていた。
    正直なところ、こういう「女性の解放」みたいな話はあまり興味はない。
    声を上げたってどうにもならない気がするからだ。

    子供の頃から男子が掃除をサボっても大して咎められないのに対し、女子がそうすればクラス全員がサボったと説教を受け、男女同じように気が付かないことでもそれが女であれば親族や職場から馬鹿にされる。
    ごく当たり前のこと、例えば公共の場やいろんな人を対象とするポスターなどで、女性を消費するような性的な含みのあるイラストを使わないで欲しいといった声

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    2022年02月15日
  • 笑う赤おに

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    年金財政の破綻、生活保護不正受給、医療、介護費用の問題など、社会保障に係る諸問題を背景にしたミステリー。ブログや介護用ロボットなど、最近の流れやアイテムも盛り込み斬新な感じに仕上がっている。福祉団地の住民が引き起こしていると思われる不正、虐待、こどもをターゲットにした事件に対し、自らの境遇と比べ憤懣やる方ない登場人物たちが思いきって取った行動に同情しながら読み進めていたが、最後に、見事にひっくり返される。ただ、途中、主語がわかりにくく、読みづらいと感じたのも事実。

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    2020年02月12日
  • 笑う赤おに

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    ネタバレ

    評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    福祉団地内の「死」と3人の人物がとった行動の、予想だにしない因果とは―!?視界がぐらりと揺らぐような、衝撃のラスト。やるせなさと一筋の希望が胸に宿る、長編ミステリー!

    う~ん。前半は面白くてどんどん読み進められたが、最後はえっ?結局主婦も会社員も思い込みで行動していただけってこと?雑な終わり方で残念。

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    2019年12月19日
  • 笑う赤おに

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    ネタバレ

    20160714予約中
    専業主婦で小学2年生の朱里を育てるのに悩んでいる依子。
    大学中退して、フリーターの亘。
    敗者復活戦でうまく職場に舞い戻れた賢太郎。人生設計が後半戦に差し掛かり、何とかクリアできそうと感じていたのに、娘は海外へ、息子はニート、妻は別れて海外でシェアハウス住まいをしたい、 バラバラなことに気づいてしまう。さらに自分の体は余命が。
    うまくいかない3人と同じ町に住む赤萩が絡んできて、読み始めから、厭なムード。

    噂がすべて悪い方へ、解釈され、本当のことが周りからは見えなくなってる。
    よくありそうなことで、ミステリーだとは思わないけど、考えさせられ 一冊だった。

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    2016年07月18日
  • 笑う赤おに

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    高齢者福祉に力を注ぐA市が舞台のミステリー。「巧妙な仕掛けと意外な事実に驚愕必至の長編ミステリー」とありますが、終盤の種明かし部分が余りにもあからさますぎて驚愕以前に興ざめです。読者はそこまでバカではありません。

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    2016年07月05日
  • トンコ

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    3編からなる短編集。表題作『トンコ』は出荷された運送トラックが横転事故を起こし、一匹の豚が逃走するという…ただこれだけの話。一般的なホラーを期待するとトンでもない肩透かしを喰らうだろう。だがもし自分が豚だったらと視点を変えた瞬間ホラーになる面白い作品である。養豚場の世界しか知らない豚が逃走中に体験する様々な出来事は恐怖であり切なく哀しい。醜悪な人間達が純粋無垢なトンコに向ける狂気は涙を誘う。本格ホラーも書ける著者が投げた変化球本は、ホラー版『およげ!たいやきくん』である。

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    2016年05月14日
  • 笑う赤おに

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    福祉と治安に力を入れるA市に住む、ネット依存の主婦、依子、フリーターの亘、会社員の賢太郎。K町エリアにある福祉団地から、良からぬ噂が流れてくる。問題を抱えた住人もいるらしい。
    ラスト、全てが明らかになっても、どこか淋しくて切ない気持ちになる。

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    2016年02月25日
  • 終末の鳥人間

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     なげぇ!そんでもってぶっちゃけ小説として面白くねぇ!!

     文庫で550ページ、割かし厚い長編小説であるが、序盤の半分、ほんっと要らない。さらにいれば鳥人間要素も必要ない。

     序盤は生意気こいてる田舎の高校生二人とマッドな理科教師、それと気弱なメガネ男子の日常生活が描かれる。
     が、この部分は本当にどうでもいい。ただただ、長い。何度、途中で読むのを諦めようかと思うほどにテンポが悪い。無駄に説明臭い。登場人物たちにイライラする。

     いやいや、それでも後半は面白くなる可能性が微レ存と思って読み進めると、序盤でこれでもかと散りばめまくった伏線になってない伏線を怒涛の勢いで回収する。
     北朝鮮が

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    2015年12月07日
  • トンコ

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    2015年、32冊目は第15回日本ホラー大賞短編賞、受賞作品含む、雀野日名子の短編集。三編収録。

    これで第15回は大賞、長編賞、短編賞×2と全て読みきりました。

    簡単にあらすじ&感想を……。

    トンコ:輸送車輌の事故により、逃げ出した食用蓄豚のトンコ。トンコは離ればなれになった家族、兄弟を思いながらもさまようのだった。
    ホラー度はほぼなし。食用蓄豚を人に置き換えて……。その変換使うなら、個人的には、もっと不条理だったり、ドロドロのホラーに仕上げていただきたかった。

    ぞんび団地:小学校二年生のあっちゃんはぞんびになりたくて、ぞんび地区、くちなし台に連日通うのでした。
    全体をあっちゃんの語り

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    2015年08月10日