雀野日名子のレビュー一覧

  • 太陽おばば

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    太陽のように明るく元気な耶知子おばばと、離婚した独身女性の心温まる物語。
    裏表紙にはミステリーなんて書かれていたけれども、そんな仰々しいものではなく、耶知子おばさんの優しさを感じるヒューマンドラマ。
    読み終わった後は、ほのかにおひさまの匂いを感じられるだろう。

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    2015年01月14日
  • トンコ

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     子豚のトンコが出荷途中、トラックの事故を切っ掛けに知らない世界を冒険する話しである。トンコを子豚ではなく人と置き換えるとその恐怖は倍増する、とても上手くできているお話しである。

     トンコが豚舎で飼われている駄犬のマネをしてお回りをする場面がラストにあるのだが、それを見た従業員が「おまえは、そういうことをするために生まれてきたんじゃないんだ」とつぶやく、そして家畜のトンコは残酷にも出荷されるのである。なんと物悲しいことか。

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    2014年02月11日
  • 太陽おばば

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    ネタバレ

    リアルな世界観かと思っていたら、最後は幽霊ができたりなど実はオカルト(?)な内容だったことにまず「えっ」と思いました。一瞬、拒絶反応が出かかりましたが「まーそういう世界観なのね」と思えば、序盤の突然突風が吹く場面なども受け入れられました。

    ただ、一見傍若無人な振る舞いをするお年寄りが周囲に良い影響を与えて行く系(?)のお話としては「良くあるお話」感が強く残りました。同系統のお話(といって良いかわかりませんが)としては、加納朋子さんの「てるてるあした」の方に軍配が上がるように思います。

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    2014年01月09日
  • トンコ

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    無垢な存在の眼を通してこの世の怖さ、醜さ、矛盾が露わにされる。ホラーの枠を越えた秀逸な短編だと思う。

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    2013年05月18日
  • トンコ

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    ホラー短編3集。
    ぶひ。 ぷぎぃぃ。

    ・トンコ。
    ホラー小説大賞短編賞を受賞したみたいだが、
    どこがホラー?ってかんじ。話自体もよくわからん。
    ぼととん、ぼひ。

    ・ぞんび団地
    可哀想な女の子のお話なのだが、ユーモラス。
    漫画のネタになりそな話。

    ・黙契
    悲しくて不気味で泣かせる。これが一番読ませた。

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    2013年05月17日
  • トンコ

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    角川ホラー小説大賞の短編賞受賞作。

    自分はホラーは苦手なタチだと思ってきた。角川ホラー文庫の黒い背表紙は本棚に並べたくないと思っていた。
    でも、日本ホラー小説大賞の受賞歴を見て、恒川光太郎、小林泰三、貴志祐介等が載っていたので、おや?もしかしてそんなに恐くないかも・・・と思って、この本を読んでみた。
    ・・・結果、わかりやすく恐くはなかった。深く考えると恐いし、確かに描写はややグロいところもあるけど、どれもどこか切ないお話。最近のホラーの括りは、単純に恐い、気持ち悪いだけではないのですねぇ。

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    2013年09月23日
  • トンコ

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    三話収録。

    全体を通して物悲しい雰囲気に満ちていた。
    ・「トンコ」
    交通事故で逃げ出した一匹の豚トンコはどこからともなく聞こえてくる兄弟豚たちの声に導かれるように野山や街中を探し歩くが、姿は見えず…聞こえてくる幻のような泣き声、街中から感じる兄弟豚のにおい。

    いつのまにか、「トンコ」の気持ちになって読んでいた。巻末の評にもあったように、ホラーというより、幻想文学のかおりがした。

    ・「ぞんび団地」
    以前アンソロジーで読んだ作品。ぞんびになりたいと思う女の子の心情が胸が苦しくなるほどせつない。
    子供が虐待される話はホントに苦手。

    ・「黙契」 二人で暮らしてきた兄妹の妹が自殺してしまい、その

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    2013年01月18日
  • トンコ

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    短編。「トンコ」「ゾンビ団地」「黙契」と進むごとにホラー度が増していく。
    ホラー小説超初心者の私がおすすめする作品は表題作「トンコ」。
    全体から漂う微かな薄気味悪さがいいです!

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    2012年08月24日
  • トンコ

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    ホラー小説大賞の短編賞受賞作。表題作は、豚の視点から見た物語ということで一風変わった仕上がり。
    収録されている『黙契』のほうが好みだったかな。怖くないホラー短編小説、という感じで。
    『黙契』は、東京進学した妹と地方赴任になってる兄とのお話。両親を早くに亡くして、2人きりだった兄妹はとても仲が良く、離れて暮らしていても、妹は兄に電話やメールでこまめに近況を伝えてくるのです。明るく頑張っていたはずの妹が突然自殺して……という。

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    2012年02月16日
  • トンコ

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    やるせない・・・ハッピーエンドはありえないことが予想出来るだけに、終始涙目で読みました。あまりに切なくてやめておけば良かったと思ったけど、引き込まれてしまって結局最後までやめられなかった。収録3作品ともホラーらしくはないのかもしれないし、ミステリーのような意表を衝かれるような展開もないけど、充分それぞれに魅力ある作品でした。

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    2011年07月21日
  • トンコ

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    ホラー好きなのと、表紙の豚の絵がかわいかったので購入。
    表題作『トンコ』は、食用豚の脱走劇を描いた短編。ホラーなのか、怖いのか、と言われると微妙なところ。でもこういうアプローチはいままで読んだことがなかったので面白かった。なんともいえない読後感が後を引く。
    個人的には表題作よりも、同時収録されていた「ぞんび団地」が好み。ナンセンスなのにせつなくて、フワフワとした哀愁が読む者の心の奥にゆっくりと沈んでゆく。

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    2011年06月22日
  • トンコ

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    表題作をはじめとする短編集。悲しい話が多かった。
    トンコ、を読んでしばらく肉売り場で佇んでしまいそうだ。
    食べ物をだからありがたくいただく。
    他の作品も読みたくなった。

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    2010年07月09日
  • トンコ

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    表題作の『トンコ』はよかった。解説の人が書いていたように、トンコに感情移入した段階で不条理ホラーになるというのも納得。私なんて、いっぱつでトンコにまいっちゃいました。
    ただその他の2作品が、読み進めるのがつらい暗さ。こないだ読んだ『粘膜人間』は凄惨な話なのに妙に明るいのとは対照的。怖さとかゾクゾク感を味わう前に、気持ちが萎え萎えになってしまう。その辺、なんとかして欲しいと思ってしまった。
    結局、三作品の平均をとって☆3つにしました。

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    2009年10月07日
  • トンコ

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    ネタバレ

    【第15回日本ホラー小説大賞短編賞】
     表題作の『トンコ』は、不思議なホラーでした。3つめの『黙契』は少しウルルって来た。「帰りたい」って一言が難しいんだよなぁ。
     補足:黙契、ウルっとは来たけど、うわぁ;;;というか、う〜ん。ホッとした?とも違うし、良かった、とも違う。妹死んでるわけだし・・・。なんとも言えないけど、食後には読まないほうがいい、と思います。

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    2011年07月16日
  • トンコ

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    短編集。『怖い』より『グロい』と思う。
    すべて読み終えた後に解説を読んだら「食前食中を避けて楽しめ」とあった。まあ、そんな感じです。

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    2009年10月07日