雀野日名子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ20160714予約中
専業主婦で小学2年生の朱里を育てるのに悩んでいる依子。
大学中退して、フリーターの亘。
敗者復活戦でうまく職場に舞い戻れた賢太郎。人生設計が後半戦に差し掛かり、何とかクリアできそうと感じていたのに、娘は海外へ、息子はニート、妻は別れて海外でシェアハウス住まいをしたい、 バラバラなことに気づいてしまう。さらに自分の体は余命が。
うまくいかない3人と同じ町に住む赤萩が絡んできて、読み始めから、厭なムード。
噂がすべて悪い方へ、解釈され、本当のことが周りからは見えなくなってる。
よくありそうなことで、ミステリーだとは思わないけど、考えさせられ 一冊だった。 -
Posted by ブクログ
なげぇ!そんでもってぶっちゃけ小説として面白くねぇ!!
文庫で550ページ、割かし厚い長編小説であるが、序盤の半分、ほんっと要らない。さらにいれば鳥人間要素も必要ない。
序盤は生意気こいてる田舎の高校生二人とマッドな理科教師、それと気弱なメガネ男子の日常生活が描かれる。
が、この部分は本当にどうでもいい。ただただ、長い。何度、途中で読むのを諦めようかと思うほどにテンポが悪い。無駄に説明臭い。登場人物たちにイライラする。
いやいや、それでも後半は面白くなる可能性が微レ存と思って読み進めると、序盤でこれでもかと散りばめまくった伏線になってない伏線を怒涛の勢いで回収する。
北朝鮮がミサイル撃つぞ、政府に土地が収容されたぞ、強制労働させられてるぞ、いったい俺たちの暮らしはどうなるのか!
という後半。ぶっちゃけ、筆者が一番書きたい部分はここなのだろう。だったら、序盤のグダグダぶった切ってここを中心に書けばいいのに。
そしてラスト。ミサイルが飛んでくるぞ!人力飛行機を完成させてミサイルを落としに行くんだ!!
俺たちの戦いはこれからだ!!
って、おい!!終わりのページ数が少なくなるに連れて、だんだん怪しくなってきたけど投げっぱなしの打ち切りラストかーい!!!
北朝鮮、中国、日本の右傾化、超能力、そして申し訳程度の鳥人間要素。詰め込みまくると面白くないんだね。よーく分かった。
とまぁ、レビュー的には散々。時間をかけて読んだ割には、時間の無駄だった!と思う作品は酷評する俺ではあるが、この作品を読みながら考えたこともないこともない。
それは、日本という国、国民性も含めて想像力に欠如している、ということ。
日本のシステムは予防保全の考え方に基づいている。事故が起きないように完璧なシステムを作り上げてからじゃないとスタートアップしない。そして事故が起こらないように普段のメンテナンスは欠かさない。
この考えは海外になく、海外では事故が起きてから、問題が起きてから対処すればいいでしょ、という事後保全の考えが根底にある。
予防保全と事後保全、予防保全は確かに平時には有効だ。問題が大きくなる前に小さなうちに事故の芽を摘み取れる。
しかし、予防保全をしているから日本のシステムは安心なんです、大丈夫なんです、という考え方に慢心して安心しきって思考を停止していないか?
その想像力の欠如が生み出したのが福島の原発事故だった。原子力発電のシステムは安全なんです、と言っていたが想像を超えた天災でポポポポーン!したわけだ。
で、想像力の欠如に加えて、記憶力も欠如している。原発を再稼働させます。今度はもっと安全にします。だから大丈夫です。また同じことを繰り返すつもりマンマンです。
それに対して安心できない、まだまだ危険の応酬はただの水掛け論である。反論すべきは安全か危険かではないと思うのだが。
論点は、もし事故が起きた時の対応の仕方が重要なのだと思う。ここに想像力が必要とされている。最悪の事態を想定するということを日本人は忌避しているように思える。
もし事故が起きたらなんて不謹慎だ。そんなことは起きるわけがないから論ずる必要がない。そのように議論すら上がらない。そんな風潮どこにでも蔓延していませんか?
政治家も右翼も左翼も想像力に欠けている。ぶっちゃけ、将来のことなんてどうでもいいんでしょ、あなたたち。そう思っているからこそ何に対しても信用できない。今が良ければいいや。思考停止。
人、遠慮なければ必ず近憂あり。そんな金言を思い出した小説でした。ただし、小説として面白くなかったことは強調させていただく。 -
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2015年、32冊目は第15回日本ホラー大賞短編賞、受賞作品含む、雀野日名子の短編集。三編収録。
これで第15回は大賞、長編賞、短編賞×2と全て読みきりました。
簡単にあらすじ&感想を……。
トンコ:輸送車輌の事故により、逃げ出した食用蓄豚のトンコ。トンコは離ればなれになった家族、兄弟を思いながらもさまようのだった。
ホラー度はほぼなし。食用蓄豚を人に置き換えて……。その変換使うなら、個人的には、もっと不条理だったり、ドロドロのホラーに仕上げていただきたかった。
ぞんび団地:小学校二年生のあっちゃんはぞんびになりたくて、ぞんび地区、くちなし台に連日通うのでした。
全体をあっちゃんの語りのように「です」「ます」調で描かれている。オチは、途中である程度気が付きました。コックリさんでもぅ少しヒネるかな(あっちゃん目線だから仕方ないが、コックリさんがチョット上位概念的存在だったりする)、とも思ったんだけど……。虐待、イジメ描写は神経逆撫でられる。
黙契:地方警察官である兄は、出張中に、東京で暮らす妹の自殺の報せを受ける。
タップリの腐乱描写の割にベタでしたね。すれ違いの兄妹の愛情。裏側で、生真面目な人が新興宗教に傾倒しやすいという警鐘が鳴ってたりする。
お気に入り順は「黙契」「ぞんび団地」「トンコ」の順かな。 -
Posted by ブクログ
三話収録。
全体を通して物悲しい雰囲気に満ちていた。
・「トンコ」
交通事故で逃げ出した一匹の豚トンコはどこからともなく聞こえてくる兄弟豚たちの声に導かれるように野山や街中を探し歩くが、姿は見えず…聞こえてくる幻のような泣き声、街中から感じる兄弟豚のにおい。
いつのまにか、「トンコ」の気持ちになって読んでいた。巻末の評にもあったように、ホラーというより、幻想文学のかおりがした。
・「ぞんび団地」
以前アンソロジーで読んだ作品。ぞんびになりたいと思う女の子の心情が胸が苦しくなるほどせつない。
子供が虐待される話はホントに苦手。
・「黙契」 二人で暮らしてきた兄妹の妹が自殺してしまい、その動機を必死で理解しようとする兄が痛ましい。兄と妹(妹は死後の気持ち)が交互に語られる。
タイトルは作者の造語かな?なんとも重い言葉だ。
内容は割と好きでしたが、遺体の描写が…
リアルすぎて無理。
ホラーてグロテスクな表現入れなきゃダメなのかな…
三つの中では、やはり表題作の「トンコ」がよかったです。