片瀬茶柴のレビュー一覧
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購入済み
九郎先輩の過去が
なかなかにハードでびっくりしました。そしてこの三角関係がどうなっていくのかも気になります。それにしてもヒロインが色んな意味で強いなあ。アニメ共々今後が気になる作品です。
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Posted by ブクログ
収録内容については第六章以外は先に漫画版を読んでいたので、読む際はモノローグ部分や漫画と違う部分に注目して読んでいたかな
そのお陰で琴子のロジックの組み立て方や細かい心理描写について知ることができたのは良かった
あと、意外な発見としては『峰打ち』を上げたい。あれって天丼だったんだ!
漫画で読んだ時は発表時期が離れていたものだから気付かなかったな。九郎と六花は不死について同じ誤魔化し方をしていたのね
この本のメインエピソードとなる「スリーピング・マーダー」。漫画を読んだ時と大きく異なる印象を一点上げるとすれば、漫画よりも琴子の容赦のない冷徹さがより感じられるようになっている点かな
漫画版では特にラストの解答を披露するシーンに代表されるように晋達のリアクションが事細かに描かれている。しかし、小説版では剛一が何も言えなくなっている様子を筆頭に他の者達のリアクションは最低限を少し下回る程度の描写しかされていない
これによって小説版では琴子が場を完全に支配し、裁定を下しているとの印象を強く抱けるようになっている。琴子の容赦の無さが強調されている
これを踏まえると六花がこの事件を通して何を九郎に見せようとしていたのかも明瞭となってくる
琴子が真相を皆に理解させるために回りくどい手を使ったように、九郎に直接接触できない六花も九郎に理解させるためにかなり回りくどい手を使ったわけか
けれど、第六章を読む限り、九郎は琴子の危うさを理解した上でまだ一緒に居るつもりなのか
この作品って琴子と九郎の関係性については琴子の視点から描かれる場合ばかりだから、九郎の想いを知る機会って少なかったりする。だからこそ、普段琴子をぞんざいに扱っているように見える彼ばかり目立ってしまうけれど、曲がりなりにも彼氏として琴子をかなり気遣っているということか
ただ、それこそ六花からすれば「ひどい捨てられ方」をされてしまう状況となるわけだけど…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ半年前に出ていたシリーズ最新刊を、今頃読んだ。長編第2作との触れ込みだが、大変唸らされた長編第1作『虚構推理』と比較すると、やや異質な印象を受けた。このシリーズの作品世界自体が、異質ではあるのだが。
長編とはいえ、敢えて言うなら連作長編か。第一章「岩永琴子は高校生だった」。現在は大学生である琴子。当然高校時代があったわけで、当時から普通の生徒には謎めいた存在だった。でも、このくだりは必要か?一応伏線なのか。
第二章「六花(りっか)ふたたび」。六花とは、琴子のパートナー桜川九郎の従姉だが、過去作品に出ていたのか記憶にない。厄介な存在らしいが…。第三章「明日のために」は、本題に入るための序章か。少しでも欲しい琴子の情報。前置きが長くない?
第四、五章で前後編に分かれた「スリーピング・マーダー」がようやく本題。妖狐と取引して妻を殺してもらったと告白する、大富豪の老人。琴子への依頼は、老人の親族に、自身が殺人犯であると認めさせること。何て面倒な依頼を…。
もちろん、妖狐が殺したなんて親族たちが信じるわけがない。論理的に納得できる嘘の解、すなわち虚構推理にたどり着くよう、琴子が導くわけである。この依頼には遺産相続の優先権を懸けた推理勝負という側面もあるのだが、親族が集まってみると、富豪一家らしく、関係はなかなかこじれていたのだった。
金欲しさの勝負だったらわかりやすいのだが、そもそも金に執着せず、勝負に積極的ではない者もいる。大体、父が殺人犯なんて聞いたら動揺するだろうし、勝負に勝っても嬉しいかどうか。彼らの内心など、琴子には知ったことではないが。
そんなの聞いてねえという情報が続出するのは、「虚構推理」なのだがら別に構わない。でも、最終的に導かれた結論に、何ともすっきりしないのであった。琴子は依頼を果たしただけとはいえ。迂闊に引っ張り込んではいけなったということか。
第六章はエピローグか。彼は二度と関わらない方がいいかもね。九郎の存在感がないのも気になったが、六花は今後の作品で一悶着起こすのだろうか。シリーズの方向性がわからなくなってきたかなあ。 -
購入済み
アニメ化
アニメ化したという事で読んでみました。
推理と銘打ってますが1巻の段階では推理要素はありません。
ただ、男性キャラ、女性キャラの作画が魅力的で見てて気持ちいいです。
これからどういう展開になるのかとても気になります。 -
Posted by ブクログ
スリーピング・マーダー編が始まった際は単純に会長が過去に行った過ちを明らかにし清算する程度の意味合いしか無い話しかな?と思っていたのだけど意外や意外。とんでもない大物が次々と釣れてしまった印象
眠れる殺人を掘り起こす話というよりも琴子が何度か言及しているように「人の死によって上手くいったという過去の行いを正し秩序を取り戻す」ことにあったのか
それが判っていれば今回の話での琴子の役割は単純なのだけれど、彼女の思惑や狙いを把握しないままに読み進めていくと作中人物と同じように琴子に翻弄される羽目になる
いや~、まさか虚構を組み上げた先に真実があるとは思わなかったよ。本当に意外な展開だった
今回の話を進める中でポジション的な意味において重要人物となっているのは孫娘の莉音だね。彼女は事件当時を知らない年齢である事から他とは違う視点で物事を見られるだろうと会長に思われたが、蓋を開けてみれば彼女だけがあの集まりで真の意味で無関係とも言える立ち位置であったのは驚き。
過去の殺意に無関係だから会長が相続人を集めたことにも恐れを抱かないし、琴子の皆を翻弄するような言動にも恐怖ではなく怒りで対応することが出来た。だからこそ、琴子が望んだ虚構を推理出来る
莉音が組み上げた虚構はある意味誰も不幸にしないものであり、殺人計画を実行しなかったとしても残り続ける罪悪感を元々持っていた関係者からすれば受け入れやすいもの。特に会長にとっては自分が望んだ形となっている
だからこそ、歪に間違った秩序を肯定しつつ受け入れやすい結論に至ってしまった虚構は間違いとなる。なら、妖と人の秩序を取り持つ知恵の神である琴子はそんな虚構は壊さなければならない
そこで虚構を壊す存在として真実が必要となってくるわけだね。
まあ、あの場面で琴子が示した真実も妖狐が関わっていたことを隠すためにそれなりに虚構が混ざっていたりするんだけど。
その虚構を信じさせるためにそれまでの推理過程で示された要素を拾い上げて最終的に皆を信じさせる構図にしているね。これは鋼人七瀬や他の話でも何度か行われた手法だけど、何度見ても素晴らしいね
一旦丸く収まりかけていた場をぶち壊し、眠れる殺人を起こした琴子。それがどれほど恐ろしく皆々の後悔を呼び起こすものであるかはそのシーンでの関係者の表情が嫌というほど語りかけてくるね
……そんな極大の緊張シーンにギャグを挟み込んでくるとはまさか思わなかったけど。確かに銃弾の峰って何処だ(笑)
事件は解決されても気持ちよく終わらずむしろ後悔ばかりが見えてしまう琴子の非情な裁定。これを見て九郎がどう思ったかは確かに気になる点だね
後、本筋には一切関係ないけど、一般作品であの単語を目にするとは思わなかったよ。琴子ってどう考えても言葉選びが下品だよね…… -
Posted by ブクログ
本書は『虚構推理』の続編というか、続編短編集。
『虚構推理・岩永琴子の出現』という『虚構推理』の前日譚のようなタイトルですが、れっきとした続編です。
『虚構推理』は普通のミステリーではなく、真実はどうあれ「『本当っぽい』と思わせた仮説を作った方が勝ち」みたいな言葉でのバトルを描いたトリッキーな推理小説です。
主人公の岩永琴子は、外見は中学生にしか見えませんが実は19歳の大学生。幼少のころ、怪異に誘拐され、片眼と片足を奪われてしまったのだけど、その代わりに怪異たちの知恵を司る神となり、日々、妖怪などから困りごと相談などを請け負っている。そして、幼いころに人魚とくだん(「件」半人半牛の姿をした怪物)の肉を食べた影響で、不死身の身体と「未来を自分の望むものに決定できる能力」を有している琴子の5歳年上の彼氏、桜川九郎。この二人のコンビで数々の妖怪や怪異の絡んだ事件を解決していきます。
僕はこの『虚構推理』、片瀬茶柴さんのコミックの方から入ったんだけど、あまりの字数の多さに4巻で挫折。
なんかこのコミックって今はやりの「まんがでわかる〇〇〇〇」みたい感じで、漫画版ビジネス書を読まされているみたいなんですよ。だったら「本物のビジネス書の方を読むわ」って感じでした(笑)。片瀬茶柴さんの描く主人公・岩永琴子の清楚で可愛らしいながらもたまに毒舌や下ネタっぽい言動をするキャラクター(この性格は小説版も同じ)のデザインは大好きだったんだけどね~。
やはり原書?の城平京氏の『虚構推理』を読んでみたら、これが正解!
しかも、コミック版の琴子のイメージが上手い具合に脳内再生されて最高でした。
さて、本書『虚構推理・岩永琴子の出現』は5編の物語を編纂した短編集ですが、それぞれ『虚構推理』の虚構の推理を重ねる形式をとっています。いずれの物語も良かったけど特に『電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを』が好きだな。人間の想いって重いんだな(←シャレです)と感じましたね。
それから、この『虚構推理』は主人公の岩永琴子とその彼氏の桜川九郎の関係性が良いんですよね。
一見、お姫様とそれに仕える腕利きの騎士みたいな関係なんですけど、ただそれだけじゃないんです。例えるなら世界一笑えるクラシック音楽漫画『のだめカンタービレ』ののだめと千秋先輩との関係に似てるといいますか、いずれにせよ、この琴子と九郎のやりとりが非常に楽しいのもこの『虚構推理』の魅力の一つです。
この『虚構推理』2020年にアニメ化するのも決定しているようなのですが、僕がコミック版の時に感じたような会話とナレーションのシーンばっかりということにならなければいいなと危惧しているところではあります。
僕は、今後も小説版で楽しみたいと思います。
という訳で、次巻は『虚構推理 スリーピング・マーダー』だね☆ -
Posted by ブクログ
「虚構推理」という作品が始まった当初から明確な敵として描かれてきた六花だけど、その人間性については見えない部分が多かった
それがこの巻では少し見えたようなまだまだ見えていないような
第23話は立花が事故物件に住み管理人と共に以前の住人について色々と想像を巡らせる話
あらゆる怪異から恐れられる彼女からしたら自殺者が続く事故物件なんて怖くはないんだろうけど、周囲からしたら怖いと思ってしまうのは仕方ない話。1回目、2回目の自殺はどうにか偶然が重なったと片付けることが出来ても、間を置かずに2回目に自殺した女性の彼氏がやってきてやはり自殺したと言うなら何らかの霊的存在を信じたくなるのも無理はない
まあ、結局琴子によって虚構の真実が組み立てられそれで一件落着となるのだけど、ここで面白いのは立花の動き
立花が部屋を去る前に「あの娘がちょうどいい合理的なものを教えてくれるでしょう」と太鼓判を押したから管理人も突如やってきた琴子の推論を聞く気になり、そこで急遽組み上げられた虚構も信じてしまう結果となった。いわば立花は琴子のアシストをした形になったわけである
琴子と立花は色々な意味で敵対した関係なわけだけど、今回の話ではまるで連携しているかのように見えてしまう。面白い関係である
第24話は長編の前振りエピソードだね
琴子の高校時代に触れつつ、彼女の底しれなさを改めて描いている。
この話でも琴子は虚構の真実を組み上げて皆に披露しているのだけど、ここで琴子は事態の沈静化を狙っているようでいてその実臭いものに蓋をしている
琴子が示した虚構によって、肝試しからの体調不良によって生じかけた風間玲奈の交友関係の危うさは一先ず落ち着き、ミステリ研がオカルト研になりかねなかった事態も防ぐことが出来た。何よりの効果として得体の知れない解決をしたことで、岩永琴子を詮索しようとする者はこれまで以上に減ったのだろうね。それが後々天地学の伯父藤沼への忠告へと繋がっていくわけだから琴子にとっては良い事ずくめだったはず
ただ、物事は不思議なものであれだけ岩永琴子の奇々怪々さを提示されたというのに藤沼は遺産相続の課題を持ちかけられたために岩永と関わらざるを得なくなるのだから悲しい話である
第25話は長編の始まりの部分である為、謎が提示される展開
いや、あれを謎と呼んで良いのか迷うけど。
狐と取引して妻を殺してもらった音無剛一。勿論完全なアリバイも有るし、そもそも狐が犯人なんてそうそう信じられる話じゃない。また、妻の死によって子供達は望む未来を手に入れらたし、会社は上向きになった。良い事ずくめの話である
でも、音無は子供達に「死による報いは存在するのだ」と説くために自分が自分が犯人であると子供達に信じさせて欲しいという。
妻の死によって誰もが得をしたし、そもそも証明が不可能な犯罪を納得出来るようにした上で損が存在すると信じ込ませなければならないという。中々厄介な話であると同時に城平先生お得意の展開でも有ると感じられる
単純に琴子が真実を話しても意味は無いし、虚構を組み上げるにしても素人の子供達にどうやってそれをさせるのかという問題が付き纏う
この難題に対して琴子がどう向き合うのか、そして暗躍しているっぽい立花は何を狙っているのか、次巻の内容が楽しみだね -
Posted by ブクログ
第一話から第四話までは漫画版で先に読んでいたせいか、ミステリとして話の構造を楽しむよりも漫画版との違いを比べて楽しんでいた部分が多かったかな
特に小説においてはその時々の状況に対して琴子が何を考えていたかが詳しく描写されており、琴子がどのようにして虚構で作られた推理を積み上げていくのかが見えてくる部分もあり非常に楽しめた
第一話の「ヌシの大蛇は聞いていた」を漫画で読んだ際はサラッと読んでしまったが、小説版を読み理解できる琴子があの推理を組み立てる上で何を狙っていたかを考えながら漫画版を読むとまた違った発見がありそうだ
漫画版を読んでいる人にとって最も期待していたのはやはり第五話「幻の自販機」かな
うどんの自販機については以前テレビで見たことが有ったけど、それを都市伝説の形であのように事件に絡めてくる発想が面白い
ミステリとしては「鋼人七瀬」で行われたものに近いかな。「鋼人七瀬」が虚構の真実を幾つも作り上げて観衆を納得させるものであったなら、今回は存在しないアリバイトリックを存在するように見せた上で崩すというもの
それを成すために積み上げた琴子の推理は見事というもの。
虚構推理シリーズってミステリとしての要素がメインであるのはもちろんなんだけど、同時に妖怪モノでもある。そして知恵の神である琴子は事件を解決するより妖怪たちの暮らしを守る方がメインの役割
だから事件を解決する際には近づいてしまった人間と妖怪の距離を離すような解決法を取る。その手法は今回も存在していて、琴子は推理を聞く観衆役の刑事を納得させることよりも幻の自販機から遠ざけることを優先している。推理を聞いた後の刑事がどう思うかは重視していない
そういったはっきりした態度が逆に魅力的に映るのかな