片瀬茶柴のレビュー一覧
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半年前に出ていたシリーズ最新刊を、今頃読んだ。長編第2作との触れ込みだが、大変唸らされた長編第1作『虚構推理』と比較すると、やや異質な印象を受けた。このシリーズの作品世界自体が、異質ではあるのだが。
長編とはいえ、敢えて言うなら連作長編か。第一章「岩永琴子は高校生だった」。現在は大学生である琴...続きを読むPosted by ブクログ -
収録内容については第六章以外は先に漫画版を読んでいたので、読む際はモノローグ部分や漫画と違う部分に注目して読んでいたかな
そのお陰で琴子のロジックの組み立て方や細かい心理描写について知ることができたのは良かった
あと、意外な発見としては『峰打ち』を上げたい。あれって天丼だったんだ!
漫画で読んだ時は...続きを読むPosted by ブクログ -
真実とは異なるが誰もが納得する虚構の真実を構築する。これが、虚構推理の構図です。今回もその前提でストーリーが展開するのですが、、、。
真実の奥にある衝撃の事実に、気づけた読者っているのでしょうか。読者でさえも欺く展開に驚愕し、一気に読んでしまいました。続編もあるということですし、楽しみに待ちたいと...続きを読むPosted by ブクログ -
いかに謎は作られたか、というより、いかに解法を示すか、に焦点が絞られたミステリ連作。
この作品でしか、そう言う楽しみは味わえない気がする。Posted by ブクログ -
妖狐と契約して妻を殺してもらったのだという大富豪の老人から岩永琴子が依頼を受ける。自分が殺人犯であることを親族に認めさせてほしいとのこと。岩永の高校時代の話、六花の話も交えて長編になっている。
非現実的な出来事を現実的な出来事として納得させていく手腕に、毎度のことながら感心する。Posted by ブクログ -
いつもは妖怪の相談役となっている岩永だが、今回はむかし妖狐と取引して人を殺してもらったという大富豪の老人からの依頼。親族に自分が殺人犯であることを知らせたいが、妖狐の力を借りた彼にはアリバイがある。怪異の力を伏せたまま親族に納得させることはできるのか。
変な依頼だが、ラストで岩永の苛烈さが冴え渡る。...続きを読むPosted by ブクログ -
虚構が足りない!人でないものがあまり関わらないのも物足りない!とはいえ、今回も面白かった。九郎の特徴のないビジュアルがますます想像できないが、コミック読んだらそのイメージになってしまうので読みたいような読みたくないような。Posted by ブクログ
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2020年1月からTVアニメ化が決定している城平京の「虚構推理」シリーズの第3弾。いきなりここから読み始めてしまうという失態を犯しました。序盤は、ミステリアスな雰囲気はありますが、岩永琴子を中心とした学園ものというか、恋愛ものっぽい感じですが、中盤から後半にかけて、一気に物語が動きます。これってミス...続きを読むPosted by ブクログ
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本書は『虚構推理』の続編というか、続編短編集。
『虚構推理・岩永琴子の出現』という『虚構推理』の前日譚のようなタイトルですが、れっきとした続編です。
『虚構推理』は普通のミステリーではなく、真実はどうあれ「『本当っぽい』と思わせた仮説を作った方が勝ち」みたいな言葉でのバトルを描いたトリッキーな推理...続きを読むPosted by ブクログ -
全てが嘘なのに面白い。
それっぽい嘘で論破する。騙すというか、納得させる。
良いよなぁこういうの。小説ならではというか。
相変わらずアニメ映えするようには思えないけど。
虚構が存在する現実で、現実の枠内のみで解決策を導くというのは今まであるようでなかったような気もするの...続きを読むPosted by ブクログ -
話題の『虚構推理』シリーズ最新長編。初作を読んだのが8年前だがそれから何度か再読し、短編集を読み、今回の長編でより世界観は深く理解できた。作中の論理の綻びを綻ぶ前に作中の論理で丸め込む作風は昔からだが、ここにきて特異な作風は、虚構で「真実」を作り出すこのシリーズに相応しい居場所を見つけたのではないか...続きを読むPosted by ブクログ
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城平京ファンには久しぶりのロジック攻めで満足な作品。
『名探偵に薔薇を』『スパイラル』時代から変わらない偽りの推理が真実を超えるために紡がれる論理は美しい。歪で捻じれた違和感の集合体を美しく捉え直すこのシリーズはこの作者の作風と絶妙にマッチしている。
犯人の一言が気になって悶々とする妖怪の柔らかで「...続きを読むPosted by ブクログ