上遠野浩平のレビュー一覧
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「顔の動きが、左右で違っているんですよ、そういう奴は――自分が、この整った世界の中で、どんな表情をみせればいいのかわかっていないから、左右でちぐはぐになる――人目でわかるんですよ、そんなのは」
《公式》
仮面の戦地調停士の過去がついに明かされる!?
上遠野浩平×金子一馬、極上のMYSTERY×FANTASY!
涙。それは誰もが流すもの。たとえ禁じられても、こらえきれず溢れるもの……
魔導戦争の隙間にあるその非武装地帯には、見せ掛けと偽りの享楽と笑顔の陰でいつも血塗れの陰惨な事件がつきまとう。積み重ねられし数十年の悲劇の果てに訪れた大破局に、大地は裂け、街は震撼し、人々は喪った夢を想う……そしてすべてが終わったはずの廃墟にやってくる仮面の男がもたらす残酷な真実は、過去への鉄槌か、未来への命綱か……?
《私的見解》
短編の連作。
中野好夫氏は【偽善について】で『ぼくは、人間の完全性を信じない。むしろぼくは人間の救い難い醜さ、弱さ、狡猾さ、情痴等々を信じる》と人を書きましたが寧ろ自分はそれを尊ぶ社会の底辺なのでこういう彼等のようなキャラクターは好ましい人物として映ります。
推理の質は落ちていますが、そのざらりとした感触のような文章は相も変わらず素晴らしいものです。 -
Posted by ブクログ
人ってのは迷宮の中にいるよーなもんである。
迷って迷って出口を探している。
出口というのはなんというか人生における『解答』みたいなものらしい。
しかしじゃあどうして人は迷宮なんぞにいるのだろうか。
それは人が本当の『答え』から目を逸らしているからに他ならない。
人というものはそこに決定的な答えがある時。
それを先延ばしにしたがる癖がある。
なんというか。
そこには勿体無いような、辿り付いたら終わりみたいな心が漂っている。
それが人々を彷徨わせ、いつしか迷宮にいるようにしているのだ。
決定的なことから目を逸らしたい。
本当の答えなんて見たくない。
逸らして逃げようとする心が迷宮を生む。
そしていつしかどうして迷っていたのかすら忘却してしまって、本当に彷徨ってしまうなんていう本末転倒な事態に陥ったりするのである。
そんな迷宮の中で頼れるのはなんだろうか。
おそらくそれは己を支えているものに他ならない。
しかしそれは他人から見たら取るに足らないものに過ぎないかもしれない。
薄汚れた人形なんていう場合もあるだろう。
しかしそれは人を確実に生かし、そしてその人がその人であると決定付ける要因に他ならない。
ゆえにそれがある限り、その人は存在し続けることができる。
逆に言えば、それがあり続ける限り、その人は迷宮の中にいるということだ。
これは迷っている人たちの話だ。
迷走してどこへいったら良いのか分からない。
でも出口だけはなんとなく見えている気がして。
そんな迷いから迷宮を作り出してしまった者達。
この者達が最後に辿り付いた出口というものは果たして『答え』だったのだろうか。
それを迷宮を読破したのなら考えて欲しい。
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Posted by ブクログ
生命と等しく価値のあるもの「キャビネッセンス」を盗む怪盗ペイパーカット。盗まれた者に訪れるのは死。
ブギーポップやしずるさんシリーズと、ひょっとしたらリンクした世界なのか、と思わせる記述がいくつかありました。ブギーポップは未読ですが。
プロローグというか顔見せ感がかなり強かったです。一冊かけて、このこはこういうキャラなんだよ、と丁寧に解説されてるよーな。ので、二巻読んでみないと確定した判断はできないですねー、おもしろいのかおもしろくないのか。
メインにマトモな人が一人もいないあたり、シリアスなだけに不安ですが。
ばらばらな糸が絡み合う瞬間に期待です。