榎本憲男のレビュー一覧
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また一人、変わり者の刑事が登場した。
「巡査長」真行寺弘道。五十三歳。
本庁捜査一課の刑事だ。
警察の階級には「巡査長」はない。
だが、こう呼ばれるのは。
単独捜査を好み、休みたければ休む。
自宅では、オーディオでロック三昧。
上からの指令に従うより、自分のひらめきや思いつき、
疑問を徹底的に追いかける。
それは、一匹の猟犬だ。
といっても、ギラギラ感はない。
だからか、いつまでたってもヒラの刑事。
だが、必ずや事件の真相を掴んでくる。
といって、よくいる性格に難ありの天才というわけではない。
ただただ、自然体。
警察組織にあっては浮きそうな存在なのだが、
疎んじらられ -
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近未来をさらに未来から振り返って書いたと言う設定での本。私はアガラと言う言葉さえわからなかったので調べたら和歌山県の方言、わたしら、と言う意味らしい。が、調べずとも本文の中程で説明してあつたのだが…
もの凄く深い内容を持った本。何年か先、アメリカと中国が世界を収める様になる。戦争もなく国境もない、イマジンで謳われる様な理想の社会がDA Iと言う組織の元で統制されて理想郷を作っている。維持する為には人間に埋め込まれたチップを監視しなければならない。その為に派遣されたケイとエレナを主人公に、榎本氏らしく音楽が方向性の役割を示しながら現世を憂いている。 -
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感想
正直な所感は一言。疲れた。
1章は脳科学やら心理学やら難解だが、2章は被害者どのようにして這い上がったかみているようで楽しい。
3章も謎解きだが、普通に2章だけでも面白かった。
あらすじ
日本が軍事研究に力を入れるようになり、井タニは兵士の気持ちを強くする精神の研究をしていた。
同期の警視庁の弓削が、一真行というオカルト教団の捜査をしており、バーで殺人を行った犯人の三宅が一真行によって洗脳されていたのではないかと疑う。
三宅を心理カウンセラーの山咲に託して、心の中のロックを外す依頼をするが、動機について自白しない。そうするうちに一真行の元信者2人が新たに外資系役員を刺殺する事 -
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「DASPAシリーズ」に続く、「巡査長真行寺弘道」シリーズのスピンオフ作品。今回は天才ハッカー黒木が主人公。
やっぱり黒木は魅力的だな〜。自らの頭脳一つで世界を相手に勝負する圧倒的な力とそれに反する軽やかさ。
金融機関の仕事を請け負いながら、金融資本主義が行き詰まった現代社会に危機感を覚え、それでいてニヒリズムに陥らず何かをしようとする姿勢がいい。
日本の伝統工芸に資金を提供することで、物の価値を継承しようという試み。
対する柴田澪という女性は、「ワルキューレ」のサランとは対象的に甘えがあってあまり好きになれない人物だったのが残念。
マネーの魔術師というタイトルだけあって、相変わらず金融の